許昕が世界ランキング1位を奪還

　

写真：ランクトップの座に返り咲いた許昕（中国）/提供：ittfworld

最新、2月の卓球世界ランキングが発表された。先日行われたITTFワールドツアー・ドイツOPの結果が反映されている。

ランクトップは先日のドイツOPで、男子シングルスと混合ダブルスの2冠を達成した許昕（シュシン・中国）。先月は樊振東（ファンジェンドン・中国）に1位の座を明け渡したが、2月になり再びその座を奪還した。先月1位の樊振東は、ドイツOP準々決勝で、ドミトリ・オフチャロフ（ドイツ）に激戦の末に敗れたことが影響し、1つランクを落として2位となった。

写真：ドイツOP準優勝の馬龍（中国）/提供：ittfworld

3位には、ドイツOP準優勝の馬龍（マロン・中国）が入った。4位に入った林高遠（リンガオユエン・中国）と馬龍との差は、先月よりもおよそ700pt広がって2420ptとなり、上位3人が頭ひとつ抜け出している状態だ。

日本の張本智和は先月から変わらず5位。ドイツOPでは初戦で、ベテランの荘智淵（チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ）に苦杯を喫し上位進出はならず。ポイントを伸ばすことはできなかった。

写真：ホームの観客の前で充実のプレーを見せたオフチャロフ（ドイツ）/提供：ittfworld

また、ドイツOPベスト4のドミトリ・オフチャロフが、同じドイツの先輩である、英雄・ティモ・ボルを抜かし2018年12月以来のトップ10入り。ホーム開催となったその大会では、圧巻の両ハンドドライブで観客を熱狂させ、健在ぶりを改めて世界にアピールした。

丹羽12位　水谷15位へ　日本選手3人がトップ15入りを果たす

写真：ドイツOP初戦の試合後、がっちり握手する丹羽孝希とジャー（アメリカ）/提供：ittfworld

10位以下の日本選手では、丹羽孝希が先月から3つ順位を上げ12位に、水谷隼が1つ順位を上げ15位になっている。ドイツOPでは両者ともに充実のプレーを披露した。丹羽は2回戦で林高遠とゲームオールの激戦を展開。惜しくも敗れたものの、世界ランキング4位の林を大いに苦しめた。

写真：ドイツOPベスト8の水谷隼/提供：ittfworld

また、水谷は2回戦で、世界ランキング6位の神童・林昀儒（リンユンジュ・チャイニーズタイペイ）に対し、ゲームカウント0-3からの大逆転勝利を収めた。さらに続く準々決勝では、丹羽を退けた林高遠に対し、敗れはしたものの0-3から3ゲームを連取し追いつく粘りを見せ、リオ五輪を彷彿とさせるプレーで、ドイツの観客をうならせた。

五輪代表の3人に続く4番手には森薗政崇。先月から順位を1つ下げたものの、3月の世界選手権代表に内定しており、勢いに乗っている選手の一人だ。1月の全日本選手権では、伊藤美誠と組む混合ダブルスで3連覇を果たした。46位には昨年右肩上がりに順位を上げた神巧也が入っている。

写真：自身初のトップ50入りを果たした宇田幸矢/提供：ittfworld

50位には、吉村和弘、そして先月から4つ順位を上げた今年の全日本選手権覇者、宇田幸矢が並んでランクイン。宇田は自身初のトップ50入りを果たし、2020年のさらなるブレイクに期待が高まる。

また、ドイツOPで、予選トーナメントを突破し、本戦1回戦ではドイツのパトリック・フランチスカを4-2で下した及川瑞基が、先月から30ものランクアップを達成し、61位に入っている。

2月からは、ITTFワールドツアー2020が本格的にスタートする。特に、18日から行われるハンガリーオープンでは、五輪代表の6選手や、男女の全日本王者が参戦予定だ。東京五輪まであと半年。選手たちの、ますます研ぎ澄まされるプレーから目が離せない。

男子世界ランキングトップ10

1（2）　許昕（中国） 17260
2（1）　樊振東（中国） 16195
3（3）　馬龍（中国） 16335
4（4）　林高遠（中国） 13915
5（5）　張本智和（日本） 12615
6（6）　林昀儒（チャイニーズタイペイ） 12585
7（7）　カルデラノ（ブラジル） 12315
8（8）　ファルク（スウェーデン） 11630
9（9）　梁靖崑（中国） 11205
10（11）　オフチャロフ（ドイツ） 11075
※選手名右の数字はランキングポイント　順位右の（）内は先月世界ランキング

日本男子世界ランキング（50位まで）

5（5）　張本智和　　　　12615　　　　　　　
12（15）　丹羽孝希　　　9570
15（16）　水谷隼　　　　9270
43（42）　森薗政崇　　　5195
46（44）　神巧也　　　　5055
50（50）　吉村和弘　　　4830
50（54）　宇田幸矢 4830