写真:「練習でうまくいくのに試合でうまくいかないのはなぜ?」/作成:ラリーズ編集部
卓球プレーヤー向け 【はじめて卓球部顧問になったあなたに】練習でうまくいくのに試合でうまくいかないのはなぜ?
2022.08.02
石川県金沢市で、卓球専門店の腕利きスタッフとして働く西東輝(さいとうあきら)さんの元には、日々、卓球部顧問の先生からの相談が舞い込んできます。
今回もお願いします。(編集:槌谷昭人)
写真:西東輝さん/撮影:ラリーズ編集部
質問
写真:質問「練習でうまくいくのに試合でうまくいかないのはなぜ?」/作成:ラリーズ編集部
練習でうまくいくのに試合でうまくいかないのはなぜでしょうか。
どんな練習をすればよいかわかりません。
西東さんの回答
写真:「いい形で打ちたいという欲を捨てること」/作成:ラリーズ編集部部
練習でうまくいくのは「自分に都合のいい状態で練習してうまくいっている」だけということがよく見られます。まずは普段から、自分に都合のいい条件でばかり練習をしないというのは、大切なポイントです。
卓球は、野球のバッターのように打ちたくないボールは打たなくていいわけではなく、すべてのボールに対して打ち返さなければならない競技です。試合では、苦手なボールも当然やってきます。
選手の欲としては「全て決定打で返したい」と思いがちですが、強い選手ほど「つなぎ」が大変上手なのです。
予測と判断を意識した練習をしましょう。
写真:指導を行う西東輝さん/提供:本人
「片面待ち」で外れたときに「つなぐ」練習
試合のために、汎用性の高い練習をしましょう。
フォアクロスの練習をしている時でも、頭の中では「いつバックに来ても大丈夫なように」と意識しながら、フォアハンドの練習をすること。
漠然と全面で待つのはNGです。ファア半面、バック半面ともに、どっちつかずになります。
まずは、「片面待ち」といって、フォアサイドかバックサイドにくると予測し、その予測が外れたときに「つなぐ」というスタイルがベストだと、私は考えています。頭の中ではフォアと思っておいて、体はバックを打つ姿勢でいるという高等テクニックもあります。
バック待ちがおすすめ
基本的には「バック待ち」をお勧めします。理由は2つあります。
試合では約7割がバックサイドに来るので、そもそも確率が高いということ。
「フォアからバックの切り返し」より「バックからフォアの切り替え」のほうが腰を回すだけで簡単であること、です。
試合でのアドバイスは
そもそも、練習ではミスをしても平気なのに、試合になると急にミスを許せなくなる選手が多いように思います。
選手が試合でミスをしたとき「いつも入っているのに」という表情をすると、私は「いや、いつもミスしてるよ」と声をかけます。
一流選手は、練習において自分のミスを許すセーフゾーンを狭くし、試合になるとセーフゾーンを広げて、精神的に引きずらないようにしています。
ところが多くの選手は逆で、練習ではお構いなくミスをして、試合になった瞬間こんなはずじゃない、と気にしてしまいます。
まずは、その意識から変えていきましょう。