【卓球】世界卓球2019代表の座は誰の手に? ラリーズ編集部が徹底分析<世界卓球2019> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:世界卓球2018(団体戦)メンバー/撮影:田村翔(アフロスポーツ)

大会報道 【卓球】世界卓球2019代表の座は誰の手に? ラリーズ編集部が徹底分析<世界卓球2019>

2019.01.09

文:ラリーズ編集部

1月14日から、日本全国にいる卓球プレーヤーの頂点を決める全日本選手権が大阪で行われる。若手の躍進により年々ハイレベルになる全日本選手権には、卓球ファンのみならず、多くのスポーツファンの注目が集まることだろう。

そして、この大会で優勝することができれば、2年に一度開催される世界卓球個人戦の代表の切符を掴み取ることができるのだ。

今回は、その世界卓球代表の選考基準を参照しながら、2年に一度のビックイベントに出場する日本代表候補を紹介していきたい。

張本、丹羽、石川、伊藤は世界ランキングにより代表内定

世界卓球2019代表選考基準

(1)2019年1月発表の世界ランキングトップ20以内の日本人最高位
(2)2019年1月発表の世界ランキングトップ100以内の日本人最高位 *(1)を除く
(3)国内選考会の優勝者
(4)平成30年度全日本選手権優勝者
(5)2018年の国際大会で2回以上優勝した選手*重複した場合は強化本部より選出
(6)(1)~(5)の基準で選手が重複し5名に満たない場合は以下の2点を踏まえ強化本部が選出
・2018年1月以降の主要国際大会の実績と内容の評価
・国際競争力向上への高い潜在性があると思われる選手の評価

*公益財団法人日本卓球協会「2019世界卓球選手権ブタペスト大会(個人戦)男女日本代表選手選考基準」より抜粋

以上の基準を踏まえ、日本代表候補を見ていこう。

(1)2019年1月発表の世界ランキングトップ20以内の日本人最高位
男子:張本智和(3位)
女子:石川佳純(3位)

(2)2019年1月発表の世界ランキングトップ100以内の日本人最高位 *(1)を除く
男子:丹羽孝希(9位)
女子:伊藤美誠(7位)

(1),(2)は現時点で既に世界卓球2019シングルス代表に内定である。

(3)国内選考会の優勝者
国内最終選考会は3月2日、3日に仙台カメイアリーナで開催される。今年は毎年開催されているジャパントップ12の1日目が最終選考会となる予定だ。昨年行われた1次選考会では男子は吉村和弘、女子は早田ひなが1位となっている。

最終選考会は8名で優勝を争い、その優勝者が代表に内定する。グランドファイナルのシングルス種目に出場した選手がまず枠を埋め、その後にTリーグ現時点での最多勝の選手と、1次選考会の上位者が残りの枠に入る形だ。

ちなみにグランドファイナル出場者は男子が張本智和、丹羽孝希、水谷隼、大島祐哉、女子が石川佳純、伊藤美誠、平野美宇、佐藤瞳、芝田沙季だ。

そして、Tリーグ、日本選手での最多勝はシングルス+ヴィクトリーマッチでは男子が張本智和(13勝)、女子が石川佳純(11勝)。シングルス+ダブルス+ヴィクトリーマッチでは男子が上田仁(14勝)、女子が変わらず石川佳純(12勝)だ。ダブルスを勝数に含めるか、含めないかは現時点では明らかになっていない。

世界卓球2019代表にすでに内定している4名を除くと、今のところ、最終選考会に出場する選手は(全日本選手権優勝者も代表に内定するため、未確定であるが)

男子:水谷隼、大島祐哉、吉村和弘、平野友樹、宇田幸矢、松平賢二、戸上隼輔、有延大夢(Tリーグの基準によっては上田仁が入る可能性あり)
女子:平野美宇、佐藤瞳、芝田沙季、早田ひな、加藤美優、森さくら、笹尾明日香、安藤みなみ

上記8名ずつとなる。

(4)平成30年度全日本選手権優勝者
全日本選手権の見どころと優勝候補の紹介はこちらの記事を参考にしてほしい。

(5)2018年の国際大会で2回以上優勝した選手
国際大会は、アジア競技大会、ワールドカップ、アジアカップ、ワールドツアープラチナ6大会、ワールドツアージャパンオープン、ワールドツアーグランドファイナルが対象となる。日本選手の昨年の優勝者は

張本智和:2回(ジャパンOP、グランドファイナル)
石川佳純:1回(ドイツOP)
伊藤美誠:1回(ジャパンOP)

となっているため、この基準を満たしているのは張本智和のみとなる。しかし、重複選出となるため、他の選手が強化本部より選出されるだろう。

世界卓球2019 ラリーズ注目選手

吉村和弘


写真:吉村和弘/撮影:伊藤圭

男子の注目選手はなんといっても吉村和弘だ。昨年の香港OPで韓国の李尚洙(1月度世界ランキング7位・28歳)=韓国=などを破り優勝したこと、代表1次選考会を1位通過したことや、張本智和を破ったTリーグでの活躍を見ても代表内定を期待せざるをえない。怪我を乗り越え、メンタル的にも安定してきた吉村。威力抜群の両ハンドで代表の座を勝ち取れるか。

平野友樹


写真:平野友樹/撮影:伊藤圭

もはや彼を“鬼の弟”というのはふさわしくないだろう。ロンドン五輪卓球代表の平野早矢香氏の弟である平野友樹。昨年はTリーグでも水谷隼を下したり、代表1次選考会を2位通過するなど、大きく飛躍した。快速フットワークと粘り強さで、世界卓球への切符をつかめるか。

早田ひな


写真:早田ひな/撮影:ittfworld

2018年世界卓球(団体戦)代表の早田ひな。その人気と実力からするとやや意外だが、2017年の世界卓球はダブルスのみの出場であった。昨年は伊藤美誠との“みまひな”ペアで3度のWT制覇に加え、グランドファイナルも制した早田。

ダブルスでの活躍が目覚ましかった一年に思えるが、Tリーグでは開幕以来シングルス無敗記録を貫き続けており、シングルスでの成長も見せている早田。同年代の平野、伊藤、加藤に続き、世界卓球代表内定となるのか。

芝田沙季


写真:芝田沙季/撮影:ittfworld

チャレンジシリーズである、3月のスペインオープン、4月のクロアチアオープン、10月のベルギーオープン、11月のベラルーシオープンで優勝しており、ワールドツアーでの戦績ではトップクラスの芝田。男子選手のようなフットワークとフォアハンドで初の世界卓球代表の座を虎視眈々と狙う。

世界卓球は国際試合の中でも最もランキングポイントが高い試合の一つであるため、東京を目指す選手にとっては必ず出場したい大会である。憧れの舞台に向けて、全てが決まると言っても過言ではない大事な1年。選手たちの熱いドラマが見れることを期待したい。