張本卓球場で腕を磨き社会人で初の全日本「仕事も卓球も成長していきたい」<全日本卓球2026> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 張本卓球場で腕を磨き社会人で初の全日本「仕事も卓球も成長していきたい」<全日本卓球2026>

2026.01.20

この記事を書いた人
インタビューから報道記事、選手・用具紹介記事まで幅広く担当。2019年の全日本で見た出澤杏佳選手のプレーに衝撃を受けて以降、粒高バックハンドドライブの習得に心血を注いでいる。
戦型:右シェーク裏粒

<天皇杯・皇后杯 2026年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2026年1月20~25日 場所:東京体育館(東京)>

「社会人になって強くなるのは至難の業」

これは卓球界において、ある種の不文律となっている。

なぜなら社会人は学生と比べて、練習時間や練習場所、練習相手の確保が難しくなるからだ。

実際に「学生時代は強かったのに、社会人になったら勝てなくなった」という選手を、私はこれまで何人も見てきた。

一方で、逆に社会人になってから強くなる選手も、少なからず存在する。

そして、今年の全日本宮城県予選を通過した津田智貴(アルプスアルパイン(株))は、そんな「社会人になってから強くなった選手」の一人だ。


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

高校卒業後に社会人に

宮城県出身の津田は、高校時代を古川学園高校で過ごした。

古川学園は県内屈指の強豪校で、全国大会の常連。そんな環境で腕を磨いた津田は、高校時代にはインターハイや全日本ジュニア出場を果たした。

しかし、全卓球人の憧れでもある全日本選手権一般の部への出場は叶わなかった。


写真:2024年の全日本ジュニアに出場した津田智貴/撮影:ラリーズ編集部

「一般の部の予選には高校時代や中学時代にも出ていたんですが、当時の自分には2つしかない代表枠を勝ち取る実力はありませんでした」

そして、高校卒業後、津田は一般企業に就職して社会人生活をスタートさせた。

高校や大学を卒業すると、卓球から距離を置く人は少なくない。それは社会人になって練習時間が限られることも理由の一つだが、多くの場合は卓球への気持ちが燃え尽きてしまうのだ。


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

しかし、津田の卓球への熱は高校卒業後も冷めることはなかった。

週5日フルタイムで仕事をし、仕事終わりや休日の空き時間で練習する日々を送った。

「普段の練習は、父が指導している張本卓球場で行っています。自分には弟がいるんですが、弟は自分と比べ物にならないくらい強いので、いつも弟や他の生徒と一緒に練習しています」

さらに、練習外の時間も最大限に活用した。


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

「県予選を突破するには、今まで負けてきた相手にも勝たないといけません。でも、社会人の自分には卓球をする時間は限られています。なので、ひたすらビデオを見て対戦相手を研究しました。あとは、『自分がなぜ負けたのか』を徹底的に考えるようにしました」

そうした努力が実り、津田は昨年の全日本宮城県予選で見事優勝を飾り、人生で初めて一般の部の代表権を獲得した。

ジュニアの失敗を教訓に

その後、12月に組み合わせが発表され、津田は2回戦から出場することになった。

「出場が決まったときはすごく嬉しかったです。ただ、宮城県の代表として恥ずかしい試合はできないですし、『出るからには上を目指したい』と思って、予選突破後もずっと練習は続けていました」

そして全日本が開幕し、1回戦の結果から対戦相手は元JR北海道の能戸大夢(南茅部卓球少年団)に決まった。


写真:能戸大夢(南茅部卓球少年団)/撮影:ラリーズ編集部

夢にまで見た憧れの舞台。過去にジュニアで出場した際は緊張から消極的になってしまい、序盤にリードを許したことが響いて負けてしまっていた。

だからこそ、今回は最初から積極的に攻めることを意識していたが、思い通りの結果にはならなかった。


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

「ジュニアの失敗を教訓に、今回は自分から攻める展開は作れました。ですが、その攻撃の精度が低く、なかなか点数につながらなかったですね。

あとは、『恥ずかしい試合はできない』と思いすぎて、空回りしていた部分は大きかったと思います。自分は気持ちがすぐに体に出てしまうタイプなので、結果的にプレーも硬くなってしまいました」

第1、第2ゲームを落とした津田は、なんとか第3ゲームを奪って一矢報いたものの、第4ゲームを5-11で奪われ、ゲームカウント1-3で敗れた。


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

「本当にダメダメでしたね。『相手に何かされる』というよりも、自分から勝手に崩れていく感じでした」

「仕事と卓球を両立させながら」

憧れの舞台は悔しい結果に終わってしまった。

しかし、津田はまだ社会人1年目。練習次第では、これからまだまだ強くなれる。

「自分は今、会社の卓球部にも所属しているんですが、4チーム中3チームが通過できる全日本実業団予選にも落ちてしまうようなレベルなんです。でも、自分は今の会社で頑張りたいと思っているので、来年は全日本実業団出場を目指して頑張りたいです。

あとは、自分は仕事でも卓球でも未熟な部分がまだまだ多いので、仕事と卓球を両立させながら自分の実力を伸ばしていけたらなと思います」


写真:津田智貴(アルプスアルパイン(株))/撮影:ラリーズ編集部

全日本男子シングルス2回戦

〇能戸大夢(南茅部卓球少年団)3-1 津田智貴(アルプスアルパイン(株))
11-8 / 11-4 / 8-11 /11-5

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