写真:表彰式での男子中国代表/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 王楚欽「プレッシャーを感じないわけにはいかなかった」波乱のグループリーグから栄光の12連覇までの軌跡<世界卓球2026>
2026.05.11
文:ラリーズ編集部
<2026 ITTF世界卓球選手権ファイナルズ ロンドン大会(団体戦) 日程:4月28日~5月10日 場所:ロンドン(イギリス)>
10日、ITTF世界卓球選手権ファイナルズ ロンドン大会は最終日を迎え、ノックアウトステージの全試合が終了。
中国男子代表は今大会の新システムであるシード決定戦で韓国、スウェーデンに苦杯。3位通過と世界中の卓球ファンを震撼させるスタートとなった。
しかしノックアウトステージでは2本取りの活躍を担う大エース・王楚欽(ワンチューチン)がチームを引っ張り、林詩棟(リンシドン)、梁靖崑(リャンジンクン)が呼応する形で勝利を重ねる。
決勝の日本戦では梁靖崑が張本智和(トヨタ自動車)相手にゲームカウント0-2から逆転勝利すると、王楚欽、林詩棟が続けて勝利。12連覇を達成した。
記者会見では、中国男子代表選手5名が答えた。
中国男子代表 記者会見
── 選手一人ひとり、今回の世界選手権を総括してください。
林詩棟(リンシドン):初めて世界選手権の団体戦に参加しました。グループリーグでの敗戦からトーナメントまで、毎試合が非常に苦しく過酷な道のりでした。優勝できたのは、私たちを信じてコートに立たせてくださった国家チームと協会指導部の皆さんのおかげです。
夜、部屋で指導部の方々とたくさん話し合い、励ましていただいたことが、コートで自分を表現する力になりました。この優勝は本当に簡単ではありませんでした。
写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
梁靖崑(リャンジンクン):指導部、サポートスタッフ、練習パートナー、そしてともに戦ったチームメイトに感謝します。彼らがいてくれるからこそ、私たちは安心してプレーに集中できました。
私にとって3度目の世界選手権でしたが、状態はジェットコースターのようでした。グループリーグで負け、ルーマニア戦でも(ゲームカウント)0-3で敗れました。
しかし韓国戦(安宰賢との試合)あたりから、少しずつ自信を取り戻していきました。フランス戦から今日日本戦にかけては、まさに「涅槃(ねはん)から再生した」ような感覚です。2試合連続で(ゲームカウント)0-2からの逆転勝利を収められたのは、最後まで自分を諦めず、励まし続けた結果です。
そして、王楚欽というリーダーがいたからこそ、私や林詩棟はより底力を持って戦えました。
写真:王楚欽(ワンチューチン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
王楚欽(ワンチューチン):今回の中国男子チームは、まさに波乱万丈でした。しかし、トーナメントに入ってから最高の自分たちを見つけることができました。梁靖崑も林詩棟も、それぞれの試合で非常に重要な一戦を制し、至高の1点をもぎ取ってくれました。
私個人の話をすれば、大会前、外界や他のチームからは金メダルへの野心やさまざまな世論が飛び交っていました。気にしないようにはしていても、プレッシャーを感じないわけがありません。
合宿中、二人(梁靖崑と林詩棟)に伝えたのは、「世界選手権の団体戦はシングルスとは全く別物で、より困難なものだ」ということです。しかし二人はリーグ戦で磨かれ、トーナメントでその潜在能力を爆発させました。中国チームの選手なら誰でも世界最強の相手を倒す実力を持っています。それを彼らは行動で証明してくれました。
私自身、今回のパフォーマンスには満足しています。大会前に「全力で戦い、チームメイトに安心感を与える存在になる」と約束しましたが、それを実行できました。この金メダルは、40日以上も家族と離れて合宿をともにしたスタッフやコーチ全員、そしてこのチーム全体の誇りです。中国卓球チームの一員であることを誇りに思います。
写真:向鵬(シャンパン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
向鵬(シャンパン):私も初めての団体戦でした。出場機会はありませんでしたが、ベンチでこの大会特有の緊張感とプレッシャーを肌で感じました。中国チームは大きな困難に直面しましたが、最後は耐え抜くことができました。出場した3人の選手を信じてくれた皆さんに感謝します。
私はベンチで声を出すことしかできませんでしたが、今後は自分もコートに立って貢献できるようになりたいです。
周啓豪(ジョウチーホウ):私も初めてチームに同行しました。グループリーグで大きな壁にぶつかりましたが、その後の短い期間で、梁靖崑と林詩棟の状態を調整できるよう導いてくださった指導部の方々に感謝します。そして、王楚欽のリーダーシップのもと、全員が奮闘した姿は皆さんもご覧になった通りです。
最後に優勝が決まった瞬間、ベンチで涙が出そうになるほど感動しました。本当に、本当に簡単ではありませんでした。
── 会場には中国卓球界のレジェンドたちが多く駆けつけていましたが、彼らの存在はどのような刺激になりましたか?
王楚欽(ワンチューチン):こうした歴史的瞬間を経験できることは非常に光栄です。そして馬龍、許昕、劉詩雯といった先輩たちが会場に来て応援してくれたことも大きかったです。技術面というより、メンタルや考え方について多くの助言をもらいました。彼らの存在は今回の優勝に欠かせないものでした。
── 2028年ロサンゼルス五輪に向けた準備や期待について聞かせてください。
王楚欽(ワンチューチン):今は「群雄割拠」の時代です。誰も「絶対的な自信を持って勝てる」とは言えません。だからこそ面白い時代であり、誰もがチャンスを持っています。私たちは国を代表する誇りを守るため、どんな試合でも全力で金メダルを獲りにいきます。
── 5月11日(北京時間)は王楚欽選手の26歳の誕生日です。新たな門出への期待は?
王楚欽(ワンチューチン):26歳の自分としては、今のところ順調にやれていると思います。でも、一つの大会の終わりは次の大会の始まりです。昨日までの自分よりも強くなりたい、ただそれだけを願っています。
── 梁靖崑選手、あなたは「逆転の王(カムバック・キング)」と呼ばれています。その粘り強さは、グループリーグで負けてから優勝したチーム全体の象徴でしょうか?
梁靖崑(リャンジンクン):それは中国卓球チームの伝統です。先輩方もみな、こうした苦難を乗り越えてきました。リードされていようがリードしていようが、傲らず焦らず戦う。それは私が特別なのではなく、中国チームの選手として当然の役割を果たしただけです。
── 最後に特別なセレモニーがあります。(会見場でのバースデーソングの合唱後)王楚欽、誕生日おめでとう!
王楚欽(ワンチューチン):ありがとうございます!
写真:会見の最後には王楚欽に誕生日ケーキがふるまわれた/撮影:ラリーズ編集部
写真:梁靖崑は王楚欽がケーキを口にした直後につまみ食い/撮影:ラリーズ編集部
男子ステージ1A
第1戦:〇中国 3-0 イングランド
〇林詩棟 3-0 トム・ジャービス
〇王楚欽 3-1 サムエル・ウォーカー
〇梁靖崑 3-2 コナー・グリーン
王楚欽 – トム・ジャービス
林詩棟 – サムエル・ウォーカー
第2戦:中国 1-3 韓国〇
〇林詩棟 3-0 金章元
梁靖崑 1-3 呉晙誠〇
周啓豪 1-3 安宰賢〇
林詩棟 2-3 呉晙誠〇
梁靖崑 – 金章元
第3戦:中国 2-3 スウェーデン〇
〇王楚欽 3-0 アントン・ケルベリ
林詩棟 2-3 エリアス・ラーネフール〇
梁靖崑 2-3 トルルス・モーレゴード〇
〇王楚欽 3-0 エリアス・ラーネフール
林詩棟 1-3 アントン・ケルベリ〇
男子ノックアウトステージ
1回戦:〇中国 3-0 オーストラリア
〇梁靖崑 3-0 ニコラス・ラム
〇王楚欽 3-0 アディタヤ・サリーン
〇林詩棟 3-0 フィン・ルー
王楚欽 – ニコラス・ラム
梁靖崑 – アディタヤ・サリーン
2回戦:〇中国 3-1 ルーマニア
梁靖崑 0-3 エドゥアルド・イオネスク〇
〇王楚欽 3-0 ユリアン・チリタ
〇林詩棟 3-0 オビディウ・イオネスク
〇王楚欽 3-1 エドゥアルド・イオネスク
梁靖崑 – ユリアン・チリタ
準々決勝:〇中国 3-0 韓国
〇王楚欽 3–2 呉晙誠
〇林詩棟 3–0 張禹珍
〇梁靖崑 3–0 安宰賢
王楚欽 – 張禹珍
林詩棟 – 呉晙誠
準決勝:〇中国 3-1 フランス
〇王楚欽 3-2 フラビアン・コトン
林詩棟 0-3 フェリックス・ルブラン〇
〇梁靖崑 3-2 アレクシス・ルブラン
〇王楚欽 3-1 フェリックス・ルブラン
林詩棟 – フラビアン・コトン
決勝:〇中国 3-0 日本
〇梁靖崑 3-2 張本智和
〇王楚欽 3-1 松島輝空
〇林詩棟 3-1 戸上隼輔
王楚欽 – 張本智和
梁靖崑 – 松島輝空








