【完全保存版】ジャパントップ12男子 全試合結果まとめ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:張本智和/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 【完全保存版】ジャパントップ12男子 全試合結果まとめ

2019.03.06

写真・文:ラリーズ編集部

3月2日、3日に「LIONカップ 第23回ジャパントップ12卓球大会(兼2019年世界卓球選手権日本代表選考会)」がカメイアリーナ仙台にて行われた。

大会初日(2日)は2019年4月21日~28日にブダペストで開催される世界卓球選手権(以下、世界卓球)代表の最後の1枠をかけ、大島祐哉・平野友樹・宇田幸矢・松平賢二・戸上隼輔・有延大夢・森薗政崇・吉田雅己の8名によるトーナメントが行われ、見事、森薗政崇が最後の1枠を勝ち取った。

大会2日目は世界卓球代表内定者5名(張本智和・丹羽孝希・水谷隼・吉村和弘・森薗政崇)によるトーナメントが行われ、張本が初優勝を果たした。

この2日間の熱い戦いを振り返る。

初日(3月2日)

【準々決勝】
この日は優勝者のみが世界卓球シングルス代表に内定するという注目の試合。準々決勝4試合のうち、2試合がフルゲームにもつれる熱戦となった。選手それぞれがこの日にかける想いは強く、まさに初戦から意地と意地のぶつかり合いである。

1次選考会8位の吉田は、2018年12月に行われたITTFワールドツアーグランドファイナルで男子シングルスに出場したため、1次選考会免除での最終選考会出場となった大島にリードを許すも、フルゲームに持ち込み粘り勝ち。

大島祐哉(木下グループ)

また、森薗と平野の試合も、取られては取り返す展開でフルゲームにもつれこむも、最後は森薗が得意のチキータなどのレシーブ力で上回り勝利をおさめた。

平野友樹(協和発酵キリン)

有延と松平は1月の全日本選手権で戦ったばかりの組み合わせで、その時は松平が4-0で勝利していたが、今回も1,2ゲームをデュースでもぎ取り主導権を握った松平に軍配が上がる結果に。

有延大夢(リコー)

同じく1月の全日本選手権ジュニアの部の決勝で対戦したばかりで、ツイッターでは共同アカウントを持つほど仲の良い宇田と戸上の両者による試合は、序盤から積極的に両ハンドで攻めた戸上が制した。

宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)

【準決勝】
続く準決勝では、吉田がミスの少ない両ハンド攻撃で攻め切り、松平に快勝。2013年インターハイ王者の森薗と昨年のインターハイ王者戸上による対戦は、初戦に引き続き森薗がフルゲームを制し、決勝進出となった。

松平賢二(協和発酵キリン)

戸上隼輔(野田学園高校)

【決勝】
そしていよいよ、勝者のみが世界卓球への切符を手に入れることができる決勝戦は現在Tリーグで岡山リベッツとして共に戦う吉田、森薗という対戦となった。シーズン通して一緒に練習する機会も多く、お互いにある程度手の内を知り尽くしていたであろう。第1ゲームを吉田が取りこのままペースを掴むかと思われたが、森薗が4ゲーム連続で奪い、見事世界卓球への切符を勝ち取った。

吉田雅己(岡山リベッツ)

森薗は試合後の会見で、「Tリーグのレギュラーシーズン終了後から選考会までの1週間で新しい技術を練習してきて、今日の試合で試してみたら感触がよかった。卓球選手としてオリンピックを目指すのは義務だと思っていて、今回の選考会への思い入れは強かった。」と語っており、たった1週間の間に新技術を練習してきたことが功を奏す結果となった。

森薗政崇(岡山リベッツ)

2日目(3月3日)

【準々決勝】
2日目は既に世界卓球代表の決まっている張本・丹羽・水谷・吉村に加えて、前日に優勝した森薗が参戦し日本一を争う。決勝戦をゴールデンタイムにテレビで生中継するほど注目が集まった。

まずは前日に3試合勝ち抜いた森薗が登場、その勢いのまま勝ち進みたいところ。しかし吉村和弘がうまくサーブを散らして、森薗得意のチキータを封じ込め、勝利。

吉村和弘(愛知工業大学)

【準決勝・3位決定戦】
準決勝は世界ランク10位の水谷と9位の丹羽の好カードに会場の視線も集まった。丹羽はカウンター、水谷は粘りとお互いに良いプレーを見せるも、ミスの少ない水谷が4-2で勝利し、決勝へ駒を進めた。

丹羽孝希(スヴェンソン)

一方、バックハンドが得意な張本と吉村の対戦は、張本が4-1で勝利。張本が前陣で早い打点でさばくのに対し、吉村は一歩下がったところから両ハンド攻撃をする展開で、何度も見ごたえのあるラリーが続き、会場からは歓声が上がっていた。

3位決定戦は丹羽と吉村の対決に。他の試合は7ゲームマッチなのに対し、3位決定戦だけは5ゲームマッチで行われた。フルゲームにもつれる、一進一退の攻防を制し、丹羽が3位入賞を飾った。

吉村和弘(愛知工業大学)・丹羽孝希(スヴェンソン)

【決勝】
そして迎えるは決勝戦、水谷と張本という昨年の決勝戦と同じカードに。昨年は水谷が4-2で張本を破り、優勝を飾っていたことから、今年は張本がその雪辱を果たせるかというところで日本中から注目が集まった。
水谷隼(木下グループ)

水谷隼(木下グループ)

しかし試合は序盤から一方的な形となる。水谷は張本のチキータを封じる策でサーブレシーブに工夫するも、張本は無理には打たず冷静にストップ・ツッツキで得点を重ねる。流れは変わらず、一気に張本が3ゲームを先取した。第4ゲーム、1-5の場面で水谷はタイムアウトを取りそこからサングラスを外すなど、何とか流れを変えようと試みるも張本の勢いは止まらず。

張本智和(JOCエリートアカデミー)

見事、張本が地元である”仙台”でトップ12初優勝を果たした。優勝インタビューでは「追いつかれそうなときに声援をもらえた。仙台だから優勝できたと思う」と地元への感謝を述べ、張本にとっては最高の形で今大会を締めくくった。

石川佳純(全農)・張本智和(JOCエリートアカデミー)

スコア詳細

初日

【準々決勝】
大島祐哉(木下グループ) 3-4 吉田雅己(岡山リベッツ)〇
11-5/11-6/8-11/9-11/9-11/11-9/5-11
有延大夢(リコー)1-4 松平賢二(協和発酵キリン)〇
10-12/12-14/11-1/9-11/9-11
宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園) 1-4 戸上隼輔(野田学園高校)〇
6-11/12-10/6-11/9-11/5-11
〇森薗政崇(岡山リベッツ)4-3 平野友樹(協和発酵キリン)
7-11/11-5/8-11/11-5/11-7/5-11/11-9

【準決勝】
〇吉田雅己(岡山リベッツ) 4-1 松平賢二(協和発酵キリン)
11-6/8-11/13-11/11-7/11-8
戸上隼輔(野田学園高校) 3-4 森薗政崇(岡山リベッツ)〇
4-11/11-5 /8-11/11-9/11-9/8-11/7-11

【決勝】
吉田雅己(岡山リベッツ) 1-4 森薗政崇(岡山リベッツ)〇
11-7/10-12/9-11/9-11/7-11

2日目

【準々決勝】
森薗政崇(岡山リベッツ)1-4 吉村和弘(愛知工業大学)〇
6-11/11-8/7-11/7-11/9-11

【準決勝】
〇水谷隼(木下グループ) 4-2 丹羽孝希(スヴェンソン)
11-9/8-11/3-11/11-5/11-5/11-7
〇 張本智和(JOCエリートアカデミー) 4-1 吉村和弘(愛知工業大学)
11-6/11-5/11-13/11-8/11-8

【3位決定戦】(※5ゲームマッチ)
吉村和弘(愛知工業大学) 2-3 丹羽孝希(スヴェンソン)〇
9-11/11-8/7-11/11-8/4-11

【決勝】
〇張本智和(JOCエリートアカデミー) 4-0 水谷隼(木下グループ)
11-8/11-3/11-7/11-9

初日・2日目の決勝戦はこちら