写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 8強入りを果たした早田ひな 2年後のロス五輪に向けて「自分の中で削ぎ落としていく感覚が大事」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026>
2026.08.08
文:ラリーズ編集部
<2026WTTチャンピオンズ横浜 日時:8月4日〜9日 場所:横浜BUNTAI(神奈川県)>
7日、WTTチャンピオンズ横浜は4日目を迎え、女子シングルス2回戦では世界ランキング7位の早田ひな(日本生命)が、同40位の葉伊恬(イェイーティアン・チャイニーズタイペイ)と対戦した。
試合は第1ゲーム、第2ゲームと早田が主導権を握り連取。第3ゲームでは葉伊恬も戦術転換で1ゲームを返すが、第4ゲームで早田が葉伊恬の戦術に冷静に対応し、ゲームカウント3-1で早田が勝利した。
試合後、早田が報道陣の囲み取材に答えた。
早田ひな(日本生命) コメント
── 試合を振り返ってみていかがですか?
早田:立ち上がりの第1ゲーム第2ゲームと、自分の中では良い状態で入れたと思いますし、ミスもそんなになく試合を進められたと思うんですけど、第3ゲームでちょっと行き詰まった部分がありました。
戦術を決めすぎて逆に読み決まってしまったり、相手が戦術を変えてきたタイミングでレシーブミスをしてしまったり、自分の中でうまく調整ができなくて第3ゲームを失ってしまいました。
でも、しっかり第4ゲームで立て直して、(ゲームカウント)3-1で勝つことができたので良かったです。
── (葉伊恬選手とは)今回で3回目の対戦でしたが、意識したポイントはありますか?
早田:私自身もそうですけど、自分が挑戦する立場の試合では「何かを変えよう」とか、「これにチャレンジしてみよう」という気持ちで入るので、今日(葉伊恬選手は)何を変えてくるのかなと思っていました。
直近で対戦していたからこそ、そこの不安や緊張はあったんですけど、立ち上がりから自分のプレーも悪くなくて、終始落ち着いてプレーはできました。第3ゲームで相手がサーブを変えてきた場面から、ちょっと迷ってしまった部分はあったんですけど、第4ゲームに入るタイミングで整理して、修正をしてプレーできたかなと思います。
── 早田選手は今大会2試合目でしたが、コンディションが上がっている感じはありますか?
早田:1回戦よりは体の状態もそうですし、頭の部分も、技術的な部分もしっかり修正して練習はしてきたので、その成果を試合で発揮できたかなと思っています。前の試合よりは良い状態で試合を終えられたんじゃないかなと思います。
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
── 大会前に「最低でもベスト8には入りたい」という話もされていたと思います。まずその目標を一つクリアしましたが、その点はいかがでしょうか?
早田:今の時代は実際の世界ランキング以上に強い選手がたくさんいますし、(今大会は)1回戦から負けてもおかしくない試合が絶対に続いていくと思っていたので、まずは本当に最低ラインをクリアできたかなと。ただ、自分がしっかり力を発揮すれば、ここまでいけるのは分かっていました。
そういったところでしっかり準備はできたかなと思いますし、次の対戦相手はまだ分からないですけど、どちらの選手が上がってきても、自分としては準備が大事だなと思いますし、もし蒯曼選手が上がってきた場合には、自分としてはいろんなプランを立てて、それをしっかり発揮できれば良いと思います。
── 第3ゲームで相手の流れから立て直しが難しい場面が続いていましたが、どういった感触でしたか?
早田:卓球はオフシーズンがないので、練習でやってきたことを試合の中で試さなきゃいけなかったり、どんどん試合の中で上手くなっていかなきゃいけない部分もあります。
その点では今日はちょっと失敗してしまったかなと思うんですけど、失敗して(ゲームを)落としたとしても、そこから修正する力も大事になってくるので、そういった部分は良かったところもあると思います。
── 第3ゲームから第4ゲームへの気持ちの切り替えはすぐにできたんでしょうか?
早田:もちろん経験はあるんですけど、卓球だけではなくて、色々なことを挑戦して失敗して、その立ち直る早さが何事においても大事だと思うので、そういったところで自分で今日の試合は立て直すことができたなと思っています。
── 第3ゲーム取られた後の第4ゲームは、どういったところを意識されていましたか?
早田:相手がサービスを変えてきたときに自分がどう対応するかというところと、第3ゲームは自分の3球目攻撃や狙い打ちのミスも多くなってしまっていたので、そこをどう返していくのかを自分で整理して入りました。
── サービスを毎回変えているのは、戦術の一つとして持っているというような感覚ですか?
早田:そうですね。どちらかというと真面目すぎて自分を固めてしまうタイプで、それがあまり良くない方向に出てしまう試合が最近の中では多かったので。やればできるんですけど、あまりやりたがらない性格なので、その自分の殻を破るためにも練習して取り入れています。
写真:2回戦の様子/撮影:ラリーズ編集部
── 試合を通して、早田選手がリーチの長さを活かして、球がどんな方向に来てもカバーしていたように見えました。
早田:自分としても、もちろん(手足が長いのが)良かったなと思う部分もあるんですけど、それ以上に「使いにくいな」と感じているところはあるので。長身の陳熠選手や王曼昱選手も、同じような難しさはあるんだろうなというのはプレーを見ていても思います。
ただ、その良さはしっかり活かして、自分はフォアハンドにつなげる部分が最後大事になってくると思っていて。そういった自由さは他の選手にないところかなと思います。
── 好調の要因についてはどう考えていますか?
早田:自分の中でめちゃくちゃ好調かと言われると、別にそうでもないかなと思っています。
卓球もそうですし、毎日自分を振り返ることを今は大切にしていて、その習慣があるからこそ、前日の自分よりもちょっと上手くなったり、メンタル的、人間的に成長できたりして、そういった部分が良い方向に出ているのかなと思います。
やっていることは、結果が出なかった時もあまり変わらないというか。逆に言うと、「調子が良いから」「悪いから」で別に変える必要はないと思うので、やるべきことを毎日やるだけかなと考えています。
── 入場の時に、右手をあげてファンの方に応えるような仕草があったかと思いますが、入場時の心境はいかがですか?
早田:自分としては、「わー、来てくれてありがとうございます」みたいな感じで入りたいんですけど、メンタル的に試合モードに入っちゃってるんで、本当はもうちょっと皆さんにファンサービスして入場できる自分の余裕があればいいなとは思うんですけど。
精一杯自分の中でのパフォーマンスだったりとか、逆に終わった後の方が結構ちゃんとできるかなとは思うんですけど、自分の試合に集中したい自分と、ファンの皆さんに応えたい自分が入り混じってるような入場です。
── 先ほど試合の振り返りも今大切にやってるというお話がありましたが、何か今までとアプローチとかやり方を変えているんですか?
早田:特に変えてはないですけど、ここからロス五輪までの2年間は、どっちかというと足していくよりは、自分の中で削ぎ落としていく感覚の方が大事になってくるのかなと思っていて。
これだけ試合があるので、新しく何かを覚えるとか違うプレースタイルを目指すのは、多分2年じゃ間に合わないからこそ、逆に言うと削ぎ落とした結果、新しい自分に出会えるんじゃないかなと思って。
これは必要だな、これはいらないかなとか、そういうのを試合しながら、練習しながら、毎日取捨選択していってる感じです。
── 今までの2年間ぐらいは、自身の幅を広げていくことをやってたと思いますが、それを今使ってみて、じゃあこれはどうなのかというものを1個1個潰す段階に入ったということですか?
早田:もちろんこれができるようになったのも、やっぱり怪我の部分が気にならなくなってきたというか、毎日自分がやりたいぐらい練習だったり、トレーニングだったりに励んで、ちゃんとできるようになったからこそ、今そうやって削ぎ落としていく部分に入ってこれてると思うので。
今は体が一番健康であることが大事だなと改めて思いますし、2024年のパリ五輪終わってからの2年もすごく大事だったなと思うので、今はまた違うフェーズに入ってきてるかなと感じています。
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
── 練習量や時間は、以前に比べて多くなりましたか?少なくなりましたか?
早田:基本はもう同じぐらいでやっています。今までとちょっと違うのは、異質の練習を結構入れるようになったかなと。
対策練習とかじゃなくて、自分の感覚を養う練習だったりとか、いろんなボールを受けることで対応能力も上がるので、そういったところは柔軟になってきたなと思います。
── テーマを持って試合に臨んで、試合後に反省というサイクルを今まで以上に大切にしてるような感じですか?
早田:そうですね。試合してそれを踏まえるのは、今までとあまり変わらないかなとは思うんですけど。
ここまで準備しなくても、もうできるんじゃないかなと思ってる自分もいるんですけど、自分の性格的にそこまで準備するからこそ、不安をそこで解消しているところが、ある意味自分のやり方なのかなとも思うので。
自分やばいなと思うぐらい何かに入り込んでいる時もあるんですけど、これが自分だなって。この自分をまるっと愛してあげなきゃいけないなと今は思っています。
── 自分の中でやらないと気が済まない感じなんですね。
早田:部分的なところによっては、「もういいんじゃない?」と言われても、自分の中で何かはまってない感覚、何か違う気がしたら最後まで突き詰めていく。
それがある意味自分の良さというか、特徴だなと思っています。
── 対中国を1個目標と考えた時、蒯曼選手、非常にバランスのいい選手という評判ですけども、どんなタイプの選手だと考えていますか?
早田:相手の強みを消すのがうまくて、一番(沼に)ハマりやすい選手だと私は捉えていて。
客観的に見るとフォアハンドよりバックハンドの方が種類も多くて、コースも分かりにくくて、球種もたくさん持ってる選手なので、それが対左だとバック対バックになる回数が多いことを考えると、右利きの選手がやる時よりも難しい試合にはなるかなと思うんですけど。
打開していく策はたくさんあるので、しっかり準備して全て出し切るような気持ちで頑張りたいです。
── 前回の対戦は最後接戦で13-11で勝利していますが、ヒントや手応えはありましたか?
早田:あるんですけど、その時とはボールも台も違いますし、自分の用具も違ったり、今と違うところがたくさんあるので、明日どう戦うかは、今日の夜からしっかり準備していきたいなと思いますね。
── ベスト8で、ここから先、相手が強くなってくるかなと思いますが、改めて準々決勝以降の気構えを教えてもらえますか?
早田:1回戦、今日の2回戦と、徐々に自分の調子が上がってきてる感じはしますし、自分がまた新たに始めてやろうと思っていることも、次につながるような課題も見えてきていると思います。
そういったところを今日、自分の中で整理して、また明日試合に臨めたらいいなと思うので、あの一年間WTTの大会がある中での一大会のうちの一試合という捉え方で、しっかり準備して元気でプレーしたいと思います。
女子シングルス2回戦
〇早田ひな(日本生命)3-1 葉伊恬(イェイーティアン・チャイニーズタイペイ)
11-3 / 11-3 / 7-11 / 11-2








