文:ラリーズ編集部
<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026 日時:8月4日〜9日 場所:横浜BUNTAI(神奈川県)>
9日、WTTチャンピオンズ横浜は最終日を迎え、女子シングルス決勝では世界ランキング3位の第1シード・張本美和(木下グループ)が、同5位でWTTチャンピオンズ横浜2025の王者・陳幸同(チェンシントン・中国)と対戦した。
張本美和が女子単王者に
過去の国際大会の対戦成績では、張本が3勝、陳幸同が2勝している。
第1ゲームから張本がラリーの中でコースや緩急を操り、張本が第1ゲームを制す。第2ゲームでも陳幸同を左右に揺さぶり、隙を見て張本が強打して得点に繋げていき、ゲームカウントを2-0とした。
第3ゲームは陳幸同が積極的攻撃で得点し、張本も点差を詰めていくが、陳幸同が逃げ切る形で制す。第4ゲームでは互いに声を出しながら打ち合う激しいラリー戦を展開する中、張本が渾身のバックハンドドライブで第4ゲームを奪った。
第5ゲームは陳幸同がものにすると、第6ゲームでは張本が高精度のバックハンドドライブで得点を重ねていく。張本が10-7でチャンピオンシップポイントを握ると、最後は張本の逆チキータから陳幸同のドライブに対してバックハンドドライブを決めた。
張本はWTTチャンピオンズ重慶2026に続いて2度目のチャンピオンズ制覇となった。試合後、張本が報道陣の囲み取材に答えた。
張本美和(木下グループ) コメント
写真:張本美和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
── 優勝おめでとうございます。優勝した瞬間笑顔が弾けていましたが、どんな思いがこみ上げていたんでしょうか?
張本:もう嬉しすぎて思わず(感情が)出ちゃいましたね。
── 試合を振り返っていかがですか?
張本:まずは勝つことができて、優勝できてすごく嬉しいです。
こうやってレベルの高い試合を1日2試合、そして7ゲームズマッチを怪我なく戦い抜けたのも、自分の中で良かった点かなと思いました。
技術、戦術の部分も良い悪いはいっぱいありますけど、今はそんなことより嬉しい気持ちです。
── 相手は陳幸同選手でしたけれども、今日の試合はいかがでしたか?
張本:苦しい試合という想定をしていた中で想定通りというか、相手が戦術転換をしてきたところで、自分が対応するのが遅れて簡単に点を取られてしまうところがあったので、そこは反省点ではありますけど、すぐ切り替えて試合に臨めたかなと思います。
── 第1ゲームはとても良いスタートだったと思いますが、デュースに持ち込まれた部分いついてはどう感じていますか?
張本:ゲームポイント取って10-8でリードしてて、2点取られてしまった時は簡単にミスしてしまっていたので。
気にしたくなくても簡単なミスで点をあげてしまったので、良くなかった部分かなと思ったんですけど、試合中はそんなことを考えてる暇はないので、次のことを準備してました。
── 第4ゲームは10-9の場面でタイムアウトを取りましたけれども、そこではどんなお話をされましたか?
張本:あのゲームを取ったら3ゲーム目になるところが大きいので、サービスについて父と相談して、実際にやったら勝てたので、信じてよかったです。
── 今回、勝敗を分けたポイントを教えていただいてもいいですか?
張本:何個もあるんですけど、第6ゲームですかね。 一度注意を受けたサービスに戻して、もうこのサービスでいこうと決めたので、第6ゲームが勝負を分けたと思います。
── 第5ゲームを取られてしまいましたが、あの時の心情は?
張本:1-11で負けてしまって、もっと強い選手だったら、1点でも多く取るのかなと思うので、まだまだ未熟だなと感じました。
第5ゲームの1本目、すごく長いラリーだったんですけど、これを自分のミスで落としてしまった時に、このゲームきつそうだなと感じてしまって、そこからだらだらいってしまったところがあったので、良くはないんですけどもういいか、という感じで次のゲームに繋げようと切り替えました。
写真:陳幸同(チェンシントン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
── 陳幸同選手は今大会でずっと良いプレーを見せていましたが、2ゲームリードしていても焦らず目の前のプレーに集中するのは難しいと感じることもありましたか?
張本:難しいですね。リードしている時の方が、今から挽回されるのかなと思いながら試合をしてしまう部分はあって。
それは勝負人として陳幸同選手が粘り強い選手なので、リードしている時も苦しいという心境ではあるんですけど、そんなことは気にせず、一球一球と試合中は考えていました。
── 今日の勝因は、ご自身の中でどんなところにあると思っていらっしゃいますか?
張本:試合をしていく中で、効いていたところが効かなくなった時にどう対応するかだったり、相手から変化された時にすぐ対応するところだったり、自分が戦術を変えるところをすぐできたので、そこが一番良かったかなと思います。
── WTTチャンピオンズで2大会連続優勝、日本女子としても2大会優勝は初となりますが、この優勝を誰と分かち合いたいですか?
張本:まずチャンピオンズの大会で優勝するのは今年の目標だったので、重慶で優勝できて嬉しかったですし、まさか連続で優勝できるとは自分も思ってなかったのでびっくりしています。 あとはまあ一番はベンチに座ってくださった父と一緒にこの喜びを分かち合いたいですし、今会えてないですけど母や兄とも喜びを共有したいです。
── 1日に中国選手2人を破ってチャンピオンになった意義は、ご自身の中でどう捉えていますか?
張本:自分の中で初めてぐらいな感じなので、これを続けることに一番意味があると思いますし、今回だけだと偶然だったのかなと自分も思うので、続けられるようにこれからも頑張っていきたいなと思いますし、自分の中ではもっと上の選手がいるので、その選手に立ち向かっていけるようにこれからも頑張りたいです。
写真:張本美和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
── 今大会の世界ランク最上位、第1シードで臨んで優勝したことは、少し自信になったりとか、次につながる部分というのはありますか?
張本:この大会は第1シードで、この大会の中では世界ランク一番上で出場したんですけど、その中でも負け越しだったり、特に今日の準決勝の王藝迪選手とは WTTの大会では1勝もしていない選手だったので、ランキングだったりシードだけでは決めつけられないところがあったので、結果で示すことができて嬉しいです。
── 今後に向けてというところはいかがですか?
張本:今大会は世界ランク1位2位の選手が出場していなかったので、この大会でしっかり優勝できたのは自分の中で自信を持っていいところではありますし。
これを続けられるようにすることが今は目標で、その上で自分より上のランクの人に勝てるように挑戦したいなと思います。
── 今日の一番のプレーを教えていただけますか?
張本:長いラリーをほとんど全部取られている印象だったので、昨日みたいに長いラリーですとは言えないんですけど。
一番記憶に残っているのは、第4ゲームのタイムアウト後の1本ですかね。自分の中で自信を持っていけたので、その1球が一番良かったかなと思います。
── 初日で帰ることになるかもとおっしゃってましたが、最終日まで残れましたね。
張本:良かったです。いつも通りに荷物を詰めると 1試合で帰る分には多すぎるので、いっぱい着れるように頑張ろうという気持ちで荷物も詰めたりとか、今大会は自分にとっては厳しいドローだと思ってたので良かったです。
── YGサービスも今大会通して効いてたかなと思いますが、いかがですか?
張本:決勝では2、3本しか出さなかったんですけど、準決勝では少し多用してみたりとか。
自分のYGサービスは強いサービスではなくて、変化の一環として出しているだけなので、もっと極めていきたいなと思いますし、効かないと思ったら、出し続けるのか、やめるのかとか、そういうところも自分の中で意識しながら戦ってきた大会だったので、もっと練習したいなと思います。
── 数日前に愛用していたクロミちゃん(サンリオキャラクター)のヘアピンをなくしたということですが、見つかりましたか?
張本:部屋中探したんですけどなくて。正直なくしちゃった時はもう本当に心が沈んでしまったというか、昨日の練習中もよぎってしまったところはあったんですけど。
今回はキティちゃん(※サンリオキャラクター)で勝つことができたので、またお友達ができました。
── 今高校生で夏休み中だと思いますが、宿題等はどんな感じですか?
張本:私は夏休みというより、1年通しての課題を出していただいているので、夏休みだからこれというものがないので、今回持ってきたんですけど開けてないです。
── 自分へのご褒美としてこの夏これから行きたいこと、やりたいこと、食べたいものとかありますか?
張本:映画を見るのが好きなのと、&TEAMさんが好きなんですけど、Kさんが出てる映画「ブルーロック」が7日に公開されて、(今大会)1日空いた日に見に行くか迷っちゃったぐらい行きたくて。
明日からスウェーデンに行っちゃうので、今日の夜行きたいなとか思いながら、それも楽しみにスウェーデンも頑張りたいなと思いますし、映画を見に行きたいです。
── 長い一試合の中で集中する場面も多かったと思いますが、決勝での自分の入り込み具合とかはいかがでしたか?
張本:集中力を保ったまま試合ができたのが自分の中で良かった点と自信になった部分と、いつもなら自分でも集中が切れていると感じる試合もあったんですけど、今日は1点で負けるゲームはあったんですけど、1日2試合とも7ゲームズマッチの最初から最後まで集中が切れなかったと思います。
── バック対バックのクロスでの打ち合いからストレートへの攻撃に陳幸同選手も対応する場面がありましたが?
張本:決勝は準決勝よりストレートが決まる回数が少なかった感じでしたし、逆に反撃されてしまう回数が多かったんですけど。
自分の得意なプレーは出して自分を鼓舞するつもりでやっていたので、やられてもやると思ってたので、そこは良かったです。
写真:陳幸同(チェンシントン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
── 第4ゲームのタイムアウトの前後の展開について振り返ってみていかがですか?
張本:陳幸同選手と対戦する時はストップ対ストップが多くて、特に今年1月のカタールで負けた時も、ほとんどストップ対ストップやって負けてしまっていたので、それを練習をしてたんですけど。
それでも相手の方が上回ってるなと試合中感じたので、この試合が終わったら練習しようということで、試合の途中はできるだけそういう展開にならないように自分に言い聞かせていました。
── 陳幸同選手のツッツキにも苦労されていた印象ですが?
張本:読みづらいのが一番なので、待っていない時にツッツキが来るので、そこはまだ今日最後まで対応できてなかったなと思います。
── タイムアウト明けのサービスについては、どういった意識を持っていましたか?
張本:父に「このサービスを出してみたら?」と言われたので、直接は言われなかったんですけど、(このサービスを)出すということはこれを狙うと自分の中で意識して、そういう意味で父も言ったと思うので、決まって嬉しかったですね。
最近父がアドバイスしてくださったことを自信を持ってというか、うまく結果に出なくてミスが続いてたのが多かったんですけど、今日は決まって嬉しかったです。
── 2025年はご本人としても伸び悩んだというか、もう少し結果が欲しいというような印象がありましたが、2025年を振り返ってみていかがでしたか?
張本:2025年は良くも悪くも安定で終わってしまった1年だなと私は思ってまして、卓球に対してよく考えたりとか、自分自身を見つめるのに時間を充ててなかったなと1年通して感じたので。
2026年はもっと自分への課題に向き合ったりとか、自分自身の卓球に対してどうなりたいかとか、そういうのを考え始めた1年だったので、初めてチャンピオンズで優勝したりとか、ランキングもトップ5に入ることもありました。
まだ勝てない選手もいるので、格上の選手に勝てるように練習にかける(今年も)残り半年ぐらいですけど、頑張ります。
── そう思うようになったきっかけは?
張本:昨年はパリ五輪が終わって、まだロス五輪を目指す気持ちになれていない自分がいたので、とにかく試合をこなしてご飯食べて寝るとか、それしか考えてなかったので。
自分をもっと成長させるためにこうするというプランがなかったので、特にお正月に仙台に帰った時や、卓球と離れた時にふと、良くも悪くもダメだった1年だなと自分で振り返ったので、2026年が終わった時に思わないようにしたいなと感じたので、試合を頑張っています。
── 練習から離れた時に何か考え直したということですか?
張本:1年を通して1ヶ月にSNSを1つ投稿したいと思って、思ったことをメモに書いた時に、全力で取り組めていなかったところが文字に出てきていて、それで思いました。
── 年齢を重ねていく中で、兄・智和選手との関係性で何か変わったところはありますか?
張本:兄が自分に対しては何も変わらず優しく接してくださるので、変わった部分はないですね。いつも通りおちゃらけて、元気いっぱいな感じです。
いつも優しい兄です。
── 試合中、張本コールや会場も盛り上がっていたと思いますが、どう感じていましたか?
張本:本当に聞こえて力になりましたし、今まで自分は緊張してしまって、周りの音だったり声だったりが聞こえない人だったんですけど、今回は初めて応援のおかげで勝てたと言えます。競ってる時だったり、自分が負けてる時でも声を出して応援してくださる皆様のおかげで、本当に優勝できました。
── 来月また日本でアジア大会があります。また日本のお客さんの前でプレーすることになると思いますが、改めて意気込みをお願いします。
張本:今大会で知ってくださった方は、ぜひアジア大会を応援しに来てくださると嬉しいですし、またそこでもっと自分が皆様に勇気を与えられるような選手になれるように努力していくので、ぜひアジア大会も応援よろしくお願いします。
── 応援してくれたファンの方にもメッセージお願いします。
張本:去年は負けてしまって、今年はもっと試合をしたいという気持ちで挑んだので、地元日本で開催されるWTTの大会でまさか優勝できるとは思ってなかったんですけど、本当に皆様の応援のおかげで優勝できたなと感じました。
ここまでありがとうございました。
── スウェーデンスマッシュもあったり、まだ練習やりたいところもあるみたいなお話もありましたが、今後の意気込みを教えてください。
張本:チャンピオンズまで来たら、次はファイナルズだったり、グランドスマッシュも優勝したことないので。
今は優勝した気持ちで、無意識に優勝したからこそ不安な気持ちになってしまう自分もこれからいるだろうなと思うので、そこはすぐ調整して優勝目指して頑張ります。
女子シングルス試合結果
1回戦
〇張本美和(木下グループ)3-2 橋本帆乃香(デンソー)
11-5 / 5-11 / 9-11 / 11-9 / 11-5
2回戦
〇張本美和(木下グループ)3-2 陳熠(チェンイー・中国)
11-13 / 9-11 / 11-5 / 12-10 / 11-5
準々決勝
〇張本美和(木下グループ)4-1 申裕斌(シンユビン・韓国)
11-5 / 11-3 / 11-13 / 11-8 / 11-5
準決勝
〇張本美和(木下グループ)4-2 王藝迪(ワンイーディ・中国)
4-11 / 12-10 / 12-10 / 14-12 / 8-11 / 11-6
決勝
〇張本美和(木下グループ)4-2 陳幸同(チェンシントン・中国)
13-11 / 11-7 / 9-11 / 11-9 / 1-11 / 11-7








