カリブ海の"卓球黄金世代"ディアス、地元で2連覇達成<パンアメリカカップ> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:優勝を果たしたプエルトリコのアドリアーナ・ディアス/提供:ittfworld

大会報道 カリブ海の“卓球黄金世代”ディアス、地元で2連覇達成<パンアメリカカップ>

2020.02.10

<ITTFパンアメリカカップ 2020年2月7日~2月9日 グアイナボ>

2月7日~9日まで3日間に渡って、プエルトリコのグアイナボで行われていたITTFパンアメリカカップが終了した。

男子は2連覇中のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)が世界ランキング7位の実力を発揮し見事3連覇を果たした。女子では、昨年もパンアメリカカップを制したプエルトリコの19歳、アドリアーナ・ディアスが地元の声援を受け、2連覇を達成した。

この大会はワールドカップ大陸予選として男女各16名が参加し、優勝者、準優勝者はワールドカップへの出場権を得るため、カルデラノとグスターボ・ツボイは男子ワールドカップに、ディアスとチャン・リリー(アメリカ)は女子ワールドカップへの出場権を手にした。

男子シングルス


写真:ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)/提供:ittfworld

強烈な両ハンドと繊細な台上プレーを武器に、カルデラノが順当に決勝まで勝ち上がった。特に準決勝のマルセロ・アギーレ(パラグアイ)戦では、後陣からのカットや、代名詞とも言える両手打ちのバックハンドを得点に結びつけるなど、独創的なプレーが光った。

もう一人のファイナリストはブラジルのグスターボ・ツボイ。35歳のベテランながら、左腕からの強烈なフォアハンドで3年前の同大会を制し、昨年のオマーンオープンではティアゴ・アポロニア(ポルトガル)に対してフルゲームの熱戦を演じた実力者だ。今大会でも準々決勝、準決勝とフルゲームにもつれる接戦を制して勝ち上がってきた。準決勝の対戦相手であるカナック・ジャー(アメリカ)には昨年の同大会で敗れているが、年齢を感じさせない気迫あふれるプレーでリベンジを果たした。


写真:グスターボ・ツボイ(ブラジル)/提供:ittfworld

決勝ではカルデラノがいきなり5-0とする見事な立ち上がりを見せ、ツボイのフォアハンドを封じる台上プレーからのパワーボールで得点を重ねていき、第1、2ゲームを連取する。第3ゲーム終盤にミスが増えたカルデラノの隙を逃さずにツボイがこのゲームを奪うが、気合いを入れ直したカルデラノが第4、5ゲームを取りきって3連覇を果たした。

女子シングルス


写真:のアドリアーナ・ディアス/提供:ittfworld

女子シングルス決勝はアドリアーナ・ディアス(プエルトリコ)とチャン・リリー(アメリカ)との顔合わせとなった。

ディアスは、2000年生まれの19歳。日本の伊藤美誠(スターツ)、平野美宇(日本生命)、中国の孫穎莎(スンイーシャ)らと同じ“卓球黄金世代”だ。

男子選手のようなパワフルな両ハンドを武器に1ゲームも落とさずに準決勝まで勝ち上がるが、準決勝ではコンパクトな両ハンドとクレバーな戦術で勝ち上がったウー・ユエ(アメリカ)に第1ゲームを落とす。その後もミドルを起点に両サイドへコースを散らすウーに1-2とリードを許すが、地元プエルトリコの声援を受け、第4ゲーム以降は前陣での威力のあるドライブを打ち込んで決勝に進出した。

一方チャンは昨年の女子ワールドカップ個人戦で平野美宇(日本生命)に勝利したニュースも記憶に新しい、23歳の若手選手だ。平野を倒した前陣での鋭い両ハンドで、決勝まで全試合ストレートで勝ち上がっている。


写真:準優勝のチャン・リリー(アメリカ)/提供:ittfworld

接戦が予想された決勝では、チャンのボールに対して台からうまく距離を取ったディアスがパワーボールを打ち込み、一気にゲームカウント3-0と突き放す。その後、ディアスを台から下げることに成功したチャンが2ゲームを奪い返すも、第6ゲームをディアスが奪い、2連覇となった。

最終結果

男子シングルス


写真:男子シングルス入賞者/提供:ittfworld

1位:ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)
2位:グスターボ・ツボイ(ブラジル)
3位:カナック・ジャー(アメリカ)

女子シングルス


写真:女子シングルス入賞者/提供:ittfworld

1位:アドリアーナ・ディアス(プエルトリコ)
2位:チャン・リリー(アメリカ)
3位:ウー・ユエ(アメリカ)