写真:2019年に行われた新大会・T2ダイヤモンドマレーシア大会の卓球台/撮影:ラリーズ編集部
卓球プレーヤー向け “卓球の商業化”狙う新大会WTT 各国協会と連携目指し地域拠点開設へ
2020.07.29
文:ラリーズ編集部
「卓球の商業化」を押し出した新大会WTT(World Table Tennis)評議会会長の劉国梁(リュウグォリャン)氏とITTF CEOのスティーブ・デイントン氏が26日、ヨーロッパを皮切りに世界各地にオフィスを設置する計画があると構想を明かした。
>>ITTFが狙う「卓球の商業化」 テニスに倣うWTT構想とは
世界中の国内協会と密接に連携を
国際卓球連盟(ITTF)に加盟している国と地域は226を数え、スポーツ競技連盟(IF)の中で加盟協会数は最大となっている卓球は、世界中でプレーされている。すでに世界に基盤のある卓球をWTTはより普及させるための最適なプラットフォームになる。
写真:中国卓球協会会長・劉国梁(リュウグォリャン)氏/提供:ittfworld
中国卓球協会の会長でもある劉国梁氏は「WTTはトップ選手がトップイベントでプレーすることを望んでいますが、卓球の商業化に不可欠なことです。各国の卓球協会と密接に協力していく必要があります」と語り、WTTイベントにおける選手の参加に関して、全ての国内協会と緊密に協力することを明かした。
世界各地にオフィス開設の計画も
この目的に向けた重要なステップとして、スティーブ・デイントン氏は、世界各地に地域オフィスを開設する計画があるという。
「現在、WTTはシンガポールと中国にオフィスを構えています。アジアに次ぐ世界第2位の卓球市場であるヨーロッパを皮切りに、世界各地に地域オフィスのネットワークを拡大していきたいと考えています。長年にわたり、ヨーロッパでは多くのイベントが開催されており、スター選手であるティモ・ボル、マティアス・ファルクらヨーロッパ出身の有名選手が数多く活躍しています」。
最終的には世界の卓球市場の主要都市に拠点を設置し、選手育成、イベント、ファンエンゲージメントなどの面で各地域とWTTが連携することを想定している。
劉国梁氏は「WTTを真の成功に導くためには、卓球ファミリー全体が一致団結する必要がある。WTTはトッププレイヤーやイベント主催者だけのものではありません。卓球に関わったことのある全ての人のためのものです。夢を現実にするために皆で協力しましょう」と呼び掛けた。
商業化を全面に押し出し、卓球界の未来に関わる重大な事業が進行しており、今後のWTTの動向にも注目だ。
補足:WTT構想とは
まず、WTTのイベントは「グランドスマッシュ」と「WTTシリーズ」という2つに大きく分けられる。
図:ITTF発表の新大会構想WTT/作成:ラリーズ編集部
「グランドスマッシュ」はプロ卓球の新しい頂点となる大会として、年間に最大4大会を実施。「WTTシリーズ」はチャンピオンズ(TIER1)、スターコンテンダーズ(TIER2)、コンテンダーズ(TIER3)の3ランクとその年間王者を決めるカップファイナルを合わせて、年間最大30大会が行われる計画だ。