現代卓球の基本戦型!ドライブマンについて | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ 現代卓球の基本戦型!ドライブマンについて

2017.07.01

文:ラリーズ編集部

*写真は2018年世界選手権(団体戦)の水谷隼(木下グループ)

両ハンドでのドライブを主戦術とし、現代卓球の基本戦型として定着している「ドライブマン」。
今回は、ドライブマンの基本情報からおすすめの練習方法や、向いている人の特徴をご紹介します。加えて、ラケットやラバーなど、ドライブマン向け用具にも触れていきます。

ドライブマンとはどんなプレースタイル?

ドライブマンはシェークハンドのラケットを使う選手に多く、攻撃の主体がドライブであるプレーヤーを指します。別名、“ドライブ型”とも呼ばれるプレースタイルです。

このスタイルは、卓球台の前陣・中陣・後陣、どの位置からでも攻め込むことが可能であり、とにかく得点を稼ぎやすいのが特徴です。以下のようなドライブテクニック巧みに操り、相手を翻弄していきます。

・カーブドライブ
・シュートドライブ
・上回転系のドライブ
・ナックルドライブ

ドライブマンの有名選手

2018年世界選手権の張本智和(JOCエリートアカデミー)
写真:千葉格/アフロ

名だたるトッププレーヤーにもドライブマンは多く、日本の有名選手だと、男子は水谷隼丹羽孝希、女子は石川佳純、平野美宇がドライブマンとして知られており、フォア面・バック面共に裏ソフトラバーを使用しております。尚、卓球界で知らない人はいない愛ちゃん(福原愛)はバック面に表ソフトラバーを使用し、スピードと変化で攻めるシェーク異質型と言われる戦型です。

ドライブマン向きの人

そもそも、ドライブマンはどのような特徴の選手に向いているのでしょうか。 

とにかく先手を取り、多彩なドライブを放って試合運びを有利に展開できるドライブマン。“攻撃は最大の防御”という言葉があるように、攻めに徹してどんどんドライブを放っていくため、“攻撃的”かつ“前向き”な選手に向いている印象があるかもしれません。

しかし、実際のところドライブマンに向いている選手の性格あるいは特徴というものは存在せず、一定のドライブ技術さえあれば、どのようなプレーヤーにも適合するスタイルといわれています。

強いていうならば、やはり攻撃型な考え方を持っている人のほうが全般的に向いているものの、そうでない人でも、カウンタードライブを生かせばドライブマンとして活躍することは十分可能です。

結局のところ、ドライブマンにとって最も重要なのは、自身のドライブ技術を伸ばしたいという強い向上心です。限られた練習時間の中で、ドライブ技術を徹底的に磨き上げられる人こそが、性格などにかかわらず、優秀なドライブマンになれるといわれています。

ドライブマンスタイルにピッタリのラケット・ラバー

裏ソフトラバーの代名詞、マークV
写真提供:ヤサカ

ドライブマンにピッタリのラバーは、上述でも軽く触れた裏ソフトラバー。

日本人選手は両面、テンション系ラバーの組み合わせが多いが、卓球王国中国の選手は中国ラバーをフォア面で使用する選手が多くいます。フォア面に粘着性のラバーを貼るとサーブ・レシーブ・ドライブ、それぞれにドライブをかけることができ、一般的に“弾む”とされているラバーに比べ、より強力な回転力を生み出すことが可能となります。

また、粘着性のラバーであれば“球が弾みすぎる”ということが減り、ボールのコントロールがしやすくなるメリットも。一方、バック面に高弾性のソフトラバーを貼ることで、素早いラリーにも対応できるわけです。

ドライブマン向きの練習メニュー

以下では、ドライブマン向きの練習メニューをご紹介します。ドライブ技術の習得には相当な時間が必要になるものの、まずは、“多球練習”で感覚を掴むことから始めるのがおすすめです。

1.多球練習の方法
パートナーに下回転のボールを出してもらい、自分はそれをドライブで打ち返します。球をラバーにこすりつけるように、下から上に持ち上げるのがコツですが、たまに“後ろから前”にこすってしまう人がいるようです。このままではフォームが大きくなり、同時に腕の戻りも遅くなるので、次に打ち返すボールの打点が低くなってしまいます。

タイミングがずれると、連続でドライブすることができなくなるので、できるだけフォームはコンパクトに。打ち返した際に“コーン!”という木の音が鳴った場合はドライブがかかっていない証拠なので、できるだけ無音になるよう、しっかりとボールをこすって回転を加えましょう。

2.3点ドライブのやり方
多球練習に慣れてきたら、“3点ドライブ”にも挑戦。これはフォア・ミドル・バックの3点でフットワークを使いながらすべてドライブで打ち返すという練習法です。もしも可能であれば、ブロックの上手な人に1球練習で回してもらうことをおすすめします。

3点ドライブの目的は、自分で打った後のボールに対し、正確かつ連続的に打ち返せるようになること。“自分のボールに対する対策”といったところですが、この練習を続けることでドライブの精度は大きく向上し、本番でも自由にドライブをかけられるようになります。

たまに強打を入れたり、前陣・中陣・後陣から打ち返してみるなど、自分なりに試行錯誤しながら変化をつけて取り組んでみましょう。

超攻撃型のプレースタイルで大量得点獲得!

超攻撃型ともいえるドライブマンのプレースタイル。「ドライブをかけるのは難しそう」という初心者の方が多いかもしれませんが、大量得点が狙えるのはもちろん、卓球における“ラリーの楽しさ”を体感できるスタイルでもあるので、臆すことなく挑戦することが大切です。

写真:千葉格/アフロ