卓球技術・コツ 【卓球】促進ルールとは?適用条件や13回返球ルールを解説
2026.07.06
文:ラリーズ編集部
今回は、卓球の試合のルールの中でも促進ルールについて解説します。
このページの目次
卓球における促進ルールとは?
促進ルールとは
卓球における促進ルールとは、試合時間が長くなりすぎることを防ぐために設けられているルールです。
通常、卓球では1ゲーム11点先取で進みますが、ラリーが長く続く展開や、守備型同士の対戦などでは、1ゲームに非常に長い時間がかかることがあります。そうした場合に適用されるのが促進ルールです。
促進ルールが適用されると、サーブは1本交代となり、レシーバーが13回正しく返球した場合はレシーバー側の得点になります。つまり、サーバーは13回返球される前に得点しなければならなくなります。
促進ルールの主な特徴
促進ルールは、1ゲームが10分を超えても終わらない場合に適用されます。ただし、その時点ですでに両選手の合計得点が18点以上になっている場合は、促進ルールは適用されません。
また、両選手または両ペアが希望した場合は、10分が経過する前でも促進ルールを適用することができます。
一度促進ルールが適用されると、そのゲームだけでなく、その試合が終わるまで促進ルールが継続されます。そのため、1ゲームだけの特別ルールではなく、試合全体の流れに影響する重要なルールです。
促進ルールで変わること
促進ルールが適用されると、主に以下の点が通常の試合進行と変わります。
①サーブが1本交代になる
②レシーバーが13回正しく返球するとレシーバーの得点になる
③返球回数を数える審判員がつく
④一度適用されると試合終了まで継続される
⑤サーバーは早い段階で得点を狙う必要がある
通常の卓球では、サーブは2本交代で行われます。しかし、促進ルールが適用されると、各選手が1本ずつ交互にサーブを出す形になります。
また、レシーバーが13回返球すれば得点になるため、サーバー側にはより積極的に攻めることが求められます。
促進ルールが適用される条件
促進ルールが適用される代表的な条件は、1ゲームが10分を超えても終了していない場合です。
ただし、10分が経過した時点で合計得点が18点以上になっている場合は、そのゲームでは促進ルールは適用されません。例えば、9-9や10-8のように合計得点が18点以上になっている場合は、通常通りゲームが続けられます。
一方で、5-4や6-5など、10分経過時点で合計得点が18点未満の場合は、促進ルールが適用されます。
また、試合中に両選手または両ペアが合意した場合には、10分が経過していなくても促進ルールを適用することができます。
促進ルール適用後の試合進行
サーブは1本交代になる
促進ルールが適用されると、サーブは1本交代になります。
通常の卓球では2本ずつサーブを交代しますが、促進ルールでは1ポイントごとにサーブ権が入れ替わります。これにより、サーブ側とレシーブ側の有利不利が細かく入れ替わる形になります。
13回返球するとレシーバーの得点
促進ルールで最も重要なのが、レシーバーが13回正しく返球した場合、レシーバーの得点になるという点です。
つまり、サーバーはラリーが13回続く前に得点しなければなりません。反対にレシーバーは、相手の攻撃をしのぎながら13回返球することで得点を狙うことができます。
このルールによって、サーバー側にはより攻撃的なプレーが求められ、試合が長時間にわたって停滞することを防ぐ狙いがあります。
返球回数を数える審判がつく
促進ルールが適用されると、レシーバー側の返球回数を数える審判員がつきます。
この審判員は、レシーバーが正しく返球した回数を「1、2、3……」と数えます。そして、レシーバーが13回正しく返球した場合は、レシーバー側の得点となります。
通常の試合とは異なり、ラリー中に返球回数がカウントされるため、会場で見ていても促進ルールが適用されていることが分かりやすい場面です。
適用時の再開方法
促進ルールが適用されるタイミングでプレー中だった場合は、審判がプレーを中断し、そのラリーでサービスを行っていた選手のサービスから再開されます。
一方で、促進ルールが適用される時点でプレー中でなかった場合は、直前のラリーでレシーブをしていた選手のサービスから再開されます。
その後は、各選手が1ポイントずつ交互にサービスを行い、レシーバーが13回正しく返球した場合はレシーバー側の得点となります。
試合終了まで継続される
促進ルールは、一度適用されるとそのゲームだけでなく、試合終了まで継続されます。
例えば、第1ゲームで促進ルールが適用された場合、第2ゲーム以降も促進ルールで試合が進みます。そのため、選手はその後のゲームでもサーブ1本交代や13回返球のルールを意識しながらプレーする必要があります。
促進ルール導入の背景
試合時間の長期化を防ぐため
促進ルールが設けられている大きな理由は、試合時間の長期化を防ぐためです。
卓球では、攻撃型の選手同士であれば比較的テンポよく試合が進むことが多い一方で、守備型の選手やカットマン同士の対戦では、1本のラリーが長く続くことがあります。
特に、両選手がリスクを抑えながら粘り強くプレーする展開になると、1ゲームにかかる時間が長くなり、試合全体の進行にも影響が出ます。
促進ルールは、こうした状況を防ぎ、試合を一定のテンポで進めるために導入されています。
サーバーに攻撃を促すため
促進ルールには、サーバーに攻撃を促す役割もあります。
レシーバーが13回返球すると得点になるため、サーバーはただラリーを続けるだけでは不利になります。そのため、サーブから3球目、5球目で積極的に攻めることが重要になります。
一方で、レシーバーは相手の攻撃を受けながら、粘り強く返球を続けることで得点のチャンスを作ることができます。
このように促進ルールは、単に試合時間を短くするだけでなく、選手の戦術にも大きな影響を与えるルールです。
実際に促進ルールが適用された試合
USスマッシュ2026 女子シングルス・ラウンド16 橋本帆乃香-佐藤瞳
直近の例として挙げられるのが、USスマッシュ2026の女子シングルス・ラウンド16で行われた橋本帆乃香(デンソー)と佐藤瞳(日本ペイントグループ)の試合です。
この試合は、佐藤が11-8、11-6、11-9で3-0のストレートで勝利しましたが、試合時間は38分21秒に及びました。
写真奥:佐藤瞳(日本ペイントグループ)/写真手前:橋本帆乃香(デンソー)/提供:WTT
橋本と佐藤はいずれも日本を代表するカットマンで、相手の攻撃を粘り強く返球しながら、回転量やコースの変化でミスを誘うプレースタイルです。
両者の対戦ではラリーが長くなりやすく、促進ルールが試合の流れに大きく関わる展開となりました。
促進ルール下では、サーバー側が13回返球される前に得点する必要があります。そのためカットマン同士の試合であっても、サーバー側は早い段階で攻撃を仕掛け得点を狙う必要があります。
一方でレシーバー側は、13回正しく返球すれば得点できるため、通常時以上に粘り強い守備が武器になります。橋本と佐藤のようなカットマン同士の対戦では、促進ルールの特徴が分かりやすく表れると言えるでしょう。
攻撃型同士でも適用されることがある
促進ルールは、カットマン同士の試合だけで適用されるわけではありません。
攻撃型同士の対戦でも、ラリーが長く続くことで試合時間が伸びれば、促進ルールが適用されることがあります。
そのため、促進ルールは特定のプレースタイルだけに関係するルールではなく、どの選手にとっても知っておくべき試合進行のルールと言えます。
促進ルールが試合に与える影響
促進ルールが適用されると、試合の流れは大きく変わります。
まず、サーブが1本交代になることで、サービスから連続して主導権を握ることが難しくなります。通常の2本交代とは異なり、1ポイントごとにサーブ権が変わるため、選手はより細かく戦術を切り替える必要があります。
また、サーバーは13回返球される前に得点しなければならないため、攻撃のタイミングが早くなります。特に守備型の選手に対しては、無理に強打を狙うのか、コースを突いて崩すのかといった判断が重要になります。
一方、レシーバーにとっては、守り切ることが得点につながる特殊な状況になります。通常であればラリーを続けるだけでは得点になりませんが、促進ルールでは13回返球することで得点できるため、粘り強さが大きな武器になります。
まとめ
促進ルールは、卓球の試合時間が長くなりすぎることを防ぐために設けられているルールです。
試合ではあまり頻繁に見られるルールではありませんが、適用された際には流れを大きく変える可能性があります。卓球観戦をより深く楽しむためにも、促進ルールの仕組みを知っておくとよいでしょう。






