卓球技術・コツ 【高校卓球】中学スタートで全国を目指すために “自分の現在地”を知ろう
2021.10.24
卓球の低年齢化が進む中、遅咲きで全国大会を目指す選手に送る本企画。第8回のテーマは、「自分の現在地の把握」についてだ。
今回も中学から卓球を始めた卓球歴3年の宗萌美さん(千葉商科大学附属高校1年生)をモデルに、プロコーチの原田隆雅氏(礼武卓球道場)が指導する様子をご紹介する。
原田隆雅(はらだたかまさ)。現役時代は福岡の名門柳川高校から同志社大学、実業団のリコーで活躍後、葛西(東京都江戸川区)に礼武卓球道場を設立。プロ卓球コーチとしてジュニアから大人まで幅広い世代を指導。テレビCMの卓球シーン監修なども手掛ける。
このページの目次
自分のポジションを知る
原田:今回は自分のポジションを知るというところで大体の数字を把握できたので、そちらについて発表したいと思います。
まず自分のポジションを知るにあたって色々と調べなければならないことがあります。
例えば、自分が誰に負けたとか、周りの選手たちがどういうレベルで誰に勝っているのかなど、そのような細かいところを参考にしながら自分の現在地を出していきます。
自己分析の様子 0:37〜
宗さんのポジションは?
高校から全国を目指すためには、今の自分のポジションを知る必要がある。以前、原田氏は宗さんに「自分が今、千葉県で何位に位置するかを把握せよ」という宿題を出していた。
今回は宗さんが調べた自分のポジション(千葉県で自分は何位くらいなのか)を発表する。
写真:宗萌美さん(千葉商科大学附属高校1年生)/提供:礼武卓球道場チャンネル動画より
宗:調べた結果、1,2年の中では64位くらいという結果になりました。
原田:1~3年生の中では、あなたは128位の中にもいませんね。じゃあその3年生を除いたとして1,2年生の間では61位。まあまあいいところをいっていますね。1年生だけでいうと今16位。
インターハイに出るには5番くらいには入らないといけない。今1年の中で16位で、自分が3年生の時は下の代にも強い人が入ってくる。そう考えると中々厳しい。
これは全国選抜(3月頃に開催される全国高校選抜卓球大会のこと)を狙うしかないんじゃない?その大会にはシングルス(2部)があるの知ってる?
宗:知らないです。
原田:そのシングルスに出られる資格は1,2年生だけ。で、代表枠は1人か2人だから、千葉県のチャンピオンにならないと全国大会には出られない。そういう大会が3月末にある。
全国選抜を目指すには?
原田:県の予選はもっと早い時期、11~12月頃にある。
逆算していくと、まず部内では2年生以下の中で1位になっていないとダメ。あと、1年目である程度上のところ、シードを取れるところまで勝ち上がらないといけない。
写真:原田氏の言葉に耳を傾ける宗選手/提供:礼武卓球道場チャンネル動画より
今日、このデータをあなたにあげます。ここには全員の名前や学校が細かく書いてあるので、あなたはこの1、2年ランキングの名前の横に全員の戦型を書いていってください。次までの宿題です。選抜の条件を調べて、シングルスで勝ち上がってきそうな相手の特徴を調べていくこと。
直近の目標は
写真:原田隆雅(礼武卓球道場)/撮影:ラリーズ編集部
原田:あなたは客観的に自分の立ち位置を見ることができていた。千葉で5番を狙うのを目標にしよう。
早急に実力をつけないとダメだね。サーブレシーブが弱いからそこのレベルを徹底的に上げる。1日1時間ぐらいサーブ練習してサービスエースが取れるサーブを3つくらい準備しておいてください。1週間で変わってなかったらチャンスはないよ。1週間でサーブの技術を身につけること、以上。
宗:ありがとうございました。
総括
写真:原田隆雅(礼武卓球道場)/撮影:ラリーズ編集部
原田:インターハイの出場人数などの把握ができていなかったりするなど調べなければならないことは色々あるんですけど、思った以上に彼女は自分のポジションを把握できていたと思います。
ハードルはとても高いんですけど、自分の目標にたどり着くためにはどういうプロセスを踏まないといけないかを把握することは大事です。
自分が目指している大きな目標があってそこに向かっていくためには、自分をまず知る。そして周りを知る。自分がどういうポジションにいてどうやって登っていくのかというストーリーを組み立てていくのが大切なので、この動画を通してそのようなものを見てもらえると面白いかなと思います。