卓球技術・コツ 【高校卓球】フォームが狂ってしまう…思い通りにならない原因を分析しよう
2021.10.27
卓球の低年齢化が進む中、遅咲きで全国大会を目指す選手に送る本企画。第9回のテーマは、「予想外の事態の原因分析」についてだ。
今回も中学から卓球を始めた卓球歴3年の宗萌美さん(千葉商科大学附属高校1年生)をモデルに、プロコーチの原田隆雅氏(礼武卓球道場)が指導する様子をご紹介する。
原田隆雅(はらだたかまさ)。現役時代は福岡の名門柳川高校から同志社大学、実業団のリコーで活躍後、葛西(東京都江戸川区)に礼武卓球道場を設立。プロ卓球コーチとしてジュニアから大人まで幅広い世代を指導。テレビCMの卓球シーン監修なども手掛ける。
このページの目次
予想外の事態
原田:思いもよらないことが起きてしまいました。
宗さんのフォアハンドのフォームが狂ってしまうという深刻な状況が起きてしまって、フォアの技術の修正に急遽取りかからなければならなくなりました。思った以上に厄介で、本人も凄く悩んでいて辛い思いをしているでしょう。
ですがそこには必ず原因があるはずで、今どうしてそのような状況になっているのかというのをもう一回紐解いて行こう、という話をしています。
突然サーブが入らなくなったり、練習では起こらないような動作が試合で起きたりするなど、思い通りにならないことは、誰にでもあります。
これは試練であり、乗り越える必要があります。そのような状況が起こった時に目を背けずに正面から向き合って、自分に問いかけながら進んで行くことが重要だと思っています。
フォアハンドの現状
原田:フォアハンドの時に手首が内側に入ってしまっているのです。当たる瞬間ではなく、打つ前に自然に変な動作が入ってしまっています。
これにも必ず原因があります。それを追求していくことに取り組んでいます。
原因分析の様子1:55~
原田:フォームの狂いはいつ頃から起き始めましたか?
宗:1週間前の練習試合で調子が悪くて、その辺りからおかしくなり始めました。
原田:どのように調子が悪かったの?
宗:肩に力が入って、フォアの打球時に無意識に手首が内側に巻くようになってしまいました。
フォア打ちの様子3:17~
練習してみるとボールにはちゃんとラケットが当たっているし、しっかり回転がかけられているが、打つ前に自然に手首が動いてしまっていた。
「ボールが来る瞬間に手首が動くのは、脳がそのような指令を出しているからではないか」と原田コーチは考え、ボールが来る瞬間のラケットのフォームを繰り返し意識させて脳の指令を変える練習を行った。しばらく練習を行ったが、手首の揺れは治まらなかった。
原田コーチのコメント
原田:思ったより大変ですが、一番大変なのは本人だと思います。僕は本人が改善できるような気づきを与えられたり、一緒になって問題を解決してあげられたらいいなと思っています。
目標は高い所においていますが、その手前には大きなハードルがあります。それを乗り越えられれば色々なことを乗り越えられる力がつくので、諦めずに頑張ってもらいたいと思います。