卓球技術・コツ 【卓球技術】2種類のストップで台上を制そう 打点を落とした応用編ストップも紹介
2021.11.18
文:加藤拓也コーチのYouTube KATO卓ちゃんねるより
戦型を問わず、ストップは台上技術の基本となる技術です。
「これができると試合が変わる!脱中級者講座」の第12回では、ストップのコツと練習法を、加藤コーチの技術指導を通して詳しく見ていきましょう。
【加藤拓也(かとう たくや)】京都府・洛東高等学校から京都産業大学を経て、現在は天王山卓球スクール北山店でコーチを務め、子どもから大人までを幅広く指導する。戦型は右利きの中国式ペンホルダーでフォア表ソフト、バック裏ソフト。中学生から卓球を始めながら、全国大会出場経験も持つ。自身の個人チャンネルであるKATO卓ちゃんねるでは、中ペン、表ソフトの技術をメインに練習や試合の動画を多く配信している。(写真提供:本人)
このページの目次
ストップの基本
加藤:今回は、基本のストップのポイントを詳しく解説していきたいと思います。
基本なくして応用は難しいので、基本のストップをしっかり習得した上で様々な応用の技術をやっていきましょう。
ストップの解説を行う上で、今回は2種類のストップを紹介したいと思います。
1.基本編のストップのポイント
①両手でボールを掴みに行くイメージ
加藤:基本的なストップのやり方の1つ目のポイントは、ボールの場所に両手で掴みに行くようなイメージで入ってもらうことです。
短いボール、特にフォア前を処理する時に手が伸びすぎてしまって右手一本で取りにいってしまう方(右利きの場合)が多いですが、左手も大事になってきます。
両手でボールの場所に入ってボールを取りにいく、ということを行うと、勝手に足も動いてくれますし、自分の力でボールをコントロールしやすくなります。
ボールの軌道に沿って捕って返すという形を作ることが大事です。
実際の見本動画2:02~
②ボールの軸を外してインパクト
加藤:2つめのポイントは、飛んでくるボールの軸を外してインパクトする、ということです。
これは(ボールの)右側と左側のどちらでも良いです。相手のサーブの回転や場所によって使い分けます。
基本的には、体から遠い時はボールの外側、体の近くに来るようなボールは内側をインパクトすると良いです。
フォアだけでなくバックでストップを行う時も軸をずらしてインパクトするとレシーブが安定しますし、コースの打ち分けもやりやすくなります。
実際の見本動画3:34~
③ボールが落ちてすぐの所を捉える
加藤:3つめのポイントとしては、ボールが落ちてすぐの所を捉えるということです。
打点を落としてしまうと、ラケットを入れることができてもボールが浮いてしまいます。なので、基本的には早いタイミングを捉えてもらうことによってボールを低くコントロールすることができます。
また、相手の回転を利用しやすくなります。ストップは基本的に相手の回転を使って返すことが多くなってくるので、タイミングが極力早いところで捉えてもらうとやりやすくなります。
2.応用編のストップのポイント
加藤:試合の時、相手のサーブがどこに来るのかわからないために逆を突かれることがあり、その時に打点を早く打とうとするのは難しいと思います。
そのような時に使ってほしい技術が打点を落としたストップです。
先程、打点を落としてしまうとボールを低くコントロールすることが難しいと述べました。確かに難しいですが、その分相手の逆を突きやすくなります。
フリックすると見せかけてストップをするといった展開を作ることができれば、(自分も間に合っていませんが)逆に相手も打ってこれなくする展開を作ることができます。
この技術は、特にフォア前へのサーブに対して有効的です。
①なぜ打点を落とすといいのか?
加藤:フォア前のように自分の体から遠いサーブをレシーブすることになった時に、打点の早さをこだわってしまうと手が伸びてしまいます。
素早くボールの場所に移動して早い打球点でインパクトするのが理想ですが、勿論全部のボールをそのようにすることは不可能です。
無理矢理手を伸ばして打つよりは、ゆっくり待ってボールが落ちる所にラケットを入れてストップをする方が安定感があると思います。
②インパクト時にラケットを握る
加藤:打点を落としてストップをする時にラケットの握りを足してあげると良いです。
打点を落とすということはボールに勢いがない所でインパクトするということなので、ある程度自分で回転を加えてあげなければなりません。
ただ、手首を使ったりラケットを振ったりする必要はなく、インパクト時にラケットに少し力を加えるだけで良いです。
バウンド後はやや沈むようなボールになります。
③ボールに弧線を作ってあげる
加藤:注意点としては、ボールに弧線を作ってあげるということです。ストップを直線的に飛ばしてしまうと台から出て、相手のチャンスボールになってしまいます。
弧線の頂点がネットよりも手前に来るように調整をしましょう。これには練習が必要です。
また、打点を落としてストップするという技術を覚えることによって、また違う技術に発展させることも可能です。
実際の見本動画7:11~
まとめ
加藤:今回お伝えさせてもらったストップは、台上の技術の基本といっても過言ではないです。ストップをしっかり行うことができれば、相手に何もさせないということが可能になります。
ストップで相手の動きを限定し、次の自分の展開につなげることも可能になるので、台上の技術をやる上でまず最初にやってもらいたい技術です。
そこからツッツキやフリックに発展させることができるので、台上が有利とされるペンホルダーの選手には特にこのような細かい技術を沢山やっていただきたいです。