卓球技術・コツ 【卓球技術】ラリーの前に決める!表ソフトの選手に必要不可欠な練習3選
2022.03.03
文:加藤拓也コーチのYouTube KATO卓ちゃんねるより
表ソフトの選手は3球目・4球目の展開が非常に重要で、練習も必要になります。
「これができると試合が変わる!脱中級者講座」の第14回では、表ソフトの選手にオススメの多球練習を、加藤コーチの技術指導を通して詳しく見ていきましょう。
【加藤拓也(かとう たくや)】京都府・洛東高等学校から京都産業大学を経て、現在は天王山卓球スクール北山店でコーチを務め、子どもから大人までを幅広く指導する。戦型は右利きの中国式ペンホルダーでフォア表ソフト、バック裏ソフト。中学生から卓球を始めながら、全国大会出場経験も持つ。自身の個人チャンネルであるKATO卓ちゃんねるでは、中ペン、表ソフトの技術をメインに練習や試合の動画を多く配信している。(写真提供:本人)
加藤:試合で勝つためにはただ対人で練習するだけでなくて多球練習をすることによって、普段多く練習することができない技術も徹底して行うことができます。今回は、表ソフトの選手にオススメの多球練習を紹介していきたいと思います。
このページの目次
①フォア側ストップに対してストップ→全面ストップに対して台上技術
加藤:この練習は表ソフトの生命線ともいえる台上技術の練習です。対人で練習しているとどうしてもラリーの練習が多くなりがちですが、これは台上技術の練習だけを徹底して行うことができるのがメリットです。
実際の練習動画 1:26~
意識するポイント
加藤:この練習で意識したいポイントは、まずはストップを2バウンドさせることです。
また、前後の動きをしっかり行うこと。
相手がストップしてくれることがわかっているからといって台の前に残るのではなくて、長いボールが返ってきてもいいようにストップ後少し後ろに戻り、再び前に入って台上技術を行うということを常に意識するようにしましょう。
その意識があるだけでも練習の質はさらに上がってきます。
そして台上技術のボールの一球一球の質にこだわることです。ダブルストップされたボールに対してただ合わせて入れるだけでは意味がありません。
どの台上技術でも厳しいコースを打つことを徹底しましょう。
慣れてきたらたまに長いツッツキを混ぜてもらいましょう。長いツッツキを警戒しながらストップされたボールを打ちにいくという、より実践的な形で練習できます。
②フォア3分の2にぶっつけて強くかけてもらう→そのボールに対してカウンター
加藤:これはカウンターの練習です。
対人練習の中ではそこまで練習できないので多球練習を有効に活用しましょう。
相手のサービス→ツッツキ→相手のドライブをカウンターという練習でも良いです。
実際の練習動画 4:06~
練習の手順
加藤:練習の手順としては、まずフォア3分の2で、慣れてきたら全面に出してもらうようにします。最初から全面で練習すると、ただボールを入れるような形になってしまい、多球練習の意味がなくなります。来たボールをしっかり叩くことを徹底しましょう。
回転のかかったボールをしっかり叩けるようになったら、回転量に変化をつけてもらうと良いでしょう。表ソフトの選手はナックルのボールを落としてしまいがちなので、しっかり練習しましょう。
カウンターといっても、ただ叩き続けるのではなくて相手のボールの球質を判断するということを意識しましょう。
実際の練習動画(全面ver) 5:58~
③相手のストップをダブルストップ→長く返ってきたツッツキをオールフォアで角度打ち
加藤:これは角度打ちがメインの練習になります。対人練習ではラリーを続けようとしてどうしてもドライブ気味になってしまうので、角度打ちは一球一球の質にこだわれる多球練習で練習すると良いです。
実際の練習動画 6:31~
意識したいポイント
加藤:意識したいポイントとしては、しっかりラケットを振り切るということです。
角度打ちはつなげるというよりも得点になるように意識してもらいたいので、来たボールに対してしっかり体を入れて自分のストライクゾーンで振り切れるようにしましょう。
また、打つコースも大事で、バック側のサイドやフォアの厳しいところ、あるいは相手のミドル(相手の右腰あたり)を狙って打つことも意識すると良いです。
角度打ちは表ソフト特有の技術なので、ボールの質を高める練習をして損はないです。
3つの練習の共通点
加藤:今まで紹介してきた多球練習の共通点は、ラリーになる前の技術を練習しているということです。
ボールが直線的になって大きいラリーで不利になってしまいがちなので、表選手は大きいラリーよりもラリーになる前の技術の方が大事だと私は考えていています。
台上技術、カウンター、角度打ち、どれも3球目や4球目あたりで使う技術ですが、この技術の質が試合の勝敗に直結すると思っているのでボールの質にこだわって練習するようにしましょう。
まとめ
加藤:比較的時間に余裕がある時、または球が多く使えるような環境であれば、この練習はぜひともやっていただきたいです。
対人練習ばかりやるとやはり内容がマンネリ化しがちなので、このような多球練習を取り入れてもらうと良いかな、と思います。是非一度お試しください。