【頭で勝つ!卓球戦術】必ず身に付けたい鉄則のコース取りとは(後編) | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ 【頭で勝つ!卓球戦術】必ず身に付けたい鉄則のコース取りとは(後編)

2017.09.25

この記事を書いた人
初級者、中級者向けに基本技術の説明から、戦術論や卓球コラムまでを執筆。社会人になってから5回全国に出場し、全日本卓球選手権(マスターズの部・男子30代以上の部)ではベスト64。まさに“頭で勝つ!”を体現中。
戦型:右ペン表裏

前回は卓球における「ミドル狙い」の強みについて解説した。今回は実戦においてどのようにミドルを狙うのか、局面ごとに考察しよう。

>>レシーブを武器に!試合に勝つためにテクニックを身につけよう

具体的にミドルを狙うタイミング

では実戦においてどのようにミドルを狙うのか、局面ごとに考察しよう。

サーブ

まずはサーブである。あまりサーブからミドルを狙うイメージはないかもしれないが、サーブにおいてもミドル攻めは有効である。ショートサーブでは、フォア前に来たボールも回り込んでチキータをするというのが、一般的になりつつある。

なので、チキータで処理しにくい右横回転で、なおかつ曲がるサーブをミドルに着地するように出せると、レシーバーとしては迷いが生まれるであろう。

またチキータの対策としても、「横回転で曲がるロングサーブ」をミドルに出すことが出来れば、効果は抜群だ。

ひとつは、巻き込み系の逆横回転、かつ下回転気味で、ミドルに曲がっていくロングサーブ。

相手がバックドライブで処理しようと思ったところに、少し曲がってミドルに着地する。ラケットをそのまま右側に動かして処理をすると、手首の稼働域の関係上、どうしても面が被せ気味になる為、ネットミスを誘える。

もうひとつは、順横回転で、ミドルに曲がっていくロングサーブ。

相手はフォアドライブで返球しようと構えるも、体に差し込むように曲がってくるので、無理な体勢を強いられる。少しアップ回転気味に出しておけば、とっさにバックハンドに切り替えたとしても、アップ回転に負けないように瞬時に面を被せるのは相当難しい。

これらのサーブを織り交ぜていけば、相手はやりづらいことこの上ないだろう。しかもこれらを、サーブを出す位置を変えて行うと、さらに効果は倍増する。

レシーブ

近年のレシーブ技術においてもはや「当たり前」となりつつある、チキータ。しかし、バック前のサーブをまともにクロスにチキータしても、もはや得点には結びつきにくい。

そこでやはり有効なのが、ミドルを狙う作戦だ。

チキータはボールの側面を擦って、相手コートで曲がっていくのが特徴である。なので、バック前のサーブなら、ストレートを狙うように打てば、ちょうど曲がって相手のミドル付近に差し込むようになるので、相手としては3球目攻撃が容易に打てない状況となる。

また、チキータやフリックなどの攻撃的なボール以外、つまりツッツキでもミドル攻めは効果を発揮する。

ダブルスにおいてでも、相手が格上で「どこに何をしても3球目攻撃で攻められてしまう」という状況に陥ることがあるだろう。そういった相手でも、ミドルへのツッツキがうまく処理出来ないという選手は意外と多い。やはり、普段からその練習をしてきていないのだ。どう考えても狙い目である。

3球目攻撃

3球目は間違いなくミドルを攻めるべきである。基本的に、こちらが3球目ドライブ攻撃をする構えに入ったら、相手は「クロスに7割、ストレートに3割」という「待ち」を考えるだろう。

クロスに7割、ストレートに3割。そう、ミドルは待ちに入っていないのである。つまりこの時点で、もう既に先手を取れているのだ。

「とりあえずはミドルに打っておいて、あとのことはそこから考えよう」くらいに思ってもいい。

打ち抜く3球目攻撃だけでなく、つなぎのループドライブであってもミドルを狙うのは有効である。ゆっくりのボールでは攻め込まれてしまうのでは、という恐れもあるが、「待ち」にないミドルにとっさに来たループドライブに対して、うまく体を入れ替えてしっかり打ち込める選手は意外と少ない。

もし気持ちよくカウンターを決められたら、そのときは次からフォアかバックを狙えばいい。

チャンスボール

高く浮いたチャンスボールに関しては、問答無用でミドルに打つ。これは、自分の体が勝手にそのようにするよう叩き込むべきだ。

チャンスボールということは、自分が打球するまでに時間的余裕があるはず。逆に言うと、時間的余裕があるのだから、「どのコースに打とうか迷う」ことがあると思われる。その一瞬の迷いが生じた為、せっかくのチャンスボールをミスしてしまっては、非常にもったいない。

そういった迷いをかき消す為にも、私は「チャンスボールはミドルに叩き込む!」と自分の中で完全に決めている。普段からそのように意識をしていれば、ミスをする確率はかなり減るし、散々述べてきたようにミドルは“効く“ので、得点に結びつく。

>>【頭で勝つ!卓球戦術】“練習のための練習”ではなく、“試合のための練習”を

まとめ とにかくミドルに打とう!


一流の選手はミドルを攻め、超一流選手はミドルを守る」という格言があるほどに、卓球において「ミドル」というコースは非常に重要である。

にもかからず、ミドルを意識している選手は少ないように思われる。男子選手は特に顕著だ。ミドル攻めは、特に難しい技術を必要とするものではない。普段打っているボールを、ほんの少し台の真ん中寄りに打てばいいだけである。社会人だろうが初心者だろうが、誰でも出来る。

とはいえ、試合でとっさに出来ることはないので、ぜひとも普段の練習の段階から意識していって欲しい。的確に「ミドル攻め」を身に付けられれば、あなたの勝率がアップすることは間違いない。

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