卓球技術・コツ 【卓球技術】初心者・中級者必見!安定したスピードドライブを打つ5つのポイント
2022.08.20
文:瀬能吉紘コーチのYouTube 瀬能卓球チャンネルより
スピードドライブが安定すると、相手のボールが少し浮いた時の得点源になります。
「これができると試合が変わる!脱中級者講座」の第29回では、安定したスピードドライブを打つ方法を、瀬能コーチの技術指導を通して詳しく見ていきましょう。
【瀬能吉紘(せのう よしひろ)】滝川第二高等学校から京都産業大学を経て、現在は瀬能クラブのオーナーを務める。インターハイでは団体5位、シングルス3回戦の経験を持つ。関西の強豪・京都産業大学では関西学生リーグ最多勝や、関西学生卓球選手権ではシングルス3位、ダブルス優勝などの実績を残している。社会人になってからも全日本選手権シングルス、ダブルス、ミックス出場など全国で活躍している。(写真提供:本人)
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フォアのスピードドライブ
瀬能:今回はスピードドライブについて解説していきたいと思います。
スピードドライブは文字通りスピードが出ているドライブのことを言いますが、パワードライブと呼ばれることもあります。
ただ2つともほとんど同じ意味で、相手のボールが少し浮いた時に回転をかけながら速いボールを出します。
ここからはスピードドライブのポイントとして、5つ紹介していきたいと思います。
ポイント①:頂点またはボールが上がってくる途中を捉える
瀬能:まず1つ目のポイントは、ボールが自分のコートに着いて一番高いところ、またはボールが着いて上がってくる途中をインパクトするということです。
ボールが着いて一番高いところというのはボールが一瞬止まりますので、そこに対して自分が体重を乗せて打っていくようなイメージになります。
ボールが上がってくる途中というのは上がる力を利用して打つことができるので、ツッツキなど下回転のボールなどを打つ際に非常に楽にボールを上げることができます。
もちろんボールは高いところにありますから、ネットを越すために大きく弧線を描いてやる必要がないので、ボールを上から真っ直ぐ打っても相手のコートに返球することができます。
なので相手からすると、まっすぐ速いボールが飛んでくるので対応する時間もなく非常に止めづらいボールになります。
解説動画1:09~
ポイント②:ラケットを前方向に振っていく+回転をかける
瀬能:2つ目のポイントは、ボールに対してラケットを前方向に振っていくということです。
もちろんドライブなのでラケットを少し上に振っていくのですが、ループドライブや通常のドライブに比べてスピードを出す必要があります。
なので、ボールを前に飛ばす力を強くするためにはラケットを前に振っていくことが大切になってきます。
ただ、ラケットを前に振る際にボールにぶつけ気味になってスマッシュに近いボールになってしまうことには注意しましょう。
このような球質のボールは回転量が少なくネットより低い軌道でまっすぐ飛ぶので、そのままネットに突き刺さってしまいます。
逆にラケットを上方向に振りすぎてしまうと、ボールがネットよりも高い方向にまっすぐ飛んでいって、そのまま台に収まらずにオーバーミスをしてしまいます。
なので、前方向に振ることと同時に回転をしっかり掛けることも意識してもらいたいなと思います。
解説動画3:04~
ポイント③:体をひねって溜めを作る
瀬能:3つ目のポイントは、打球の際に体をひねって溜めを作るということです。
股関節のところ、または上半身の体の横腹あたりをしっかりとひねった時に溜めができます。
ボールを打つインパクトの時にこの溜めを戻してもらうようなイメージで打ってもらうとスピードが非常に出やすくなります。
スピードを出すことを意識するとどうしても手を一生懸命振ってしまいがちですが、腕で打ってしまうとどうしてもボールに対してぶつけるように打ってしまいやすいですが、体で溜めて打つことによって懐がしっかりできますのでボールに対してパチンとスマッシュをしてしまうことが少なくなります。
体を使って溜めを作って打球するのは非常に重要になってきますので、しっかり意識をして練習をしてもらうといいと思います。
解説動画4:18~
ポイント④:自分が一番力の出る打球ポイントを意識する
瀬能:4つ目は一番自分が力の出る打球ポイント(体の真横なのか前なのか少し前なのかは人によります)を意識することです。
打球ポイントと言いますが、ボールとラケットが当たる位置をどこにするかによってボールの球質が非常に変わってきます。
一番の目安としては、卓球台や大きいものを動かす時に一番力の入るところ。これが一番自分にとって力が出るところです。
自分の打球ポイントがわからない方は、何でもいいので重たいものを押すような感じを意識してもらうと自分がどこで押すと力が入るかっていう位置がわかってくると思うので、そこの位置でボールを打球するようにしましょう。
ほとんどの方は、体の真横よりも少し前で打球するのが一番力が入りやすくボールの威力が出るので、その場所を意識してやってもらえたらと思います。
また、この場所は腕相撲をするときとかでも一番力の入るところなので、腕相撲をするような意識をしてもらうとわかりやすいかもしれません。
解説動画5:35~
ポイント⑤:当たる際に腕やグリップに力が入らないようにする
瀬能:最後に、当たる際に腕または手首(グリップ)辺りに力があまり入ってないということが非常に大切です。
ほとんど力が抜けたような状態でバックスイングを引いて、当たる瞬間に少し力を入れるような形でスイングスピードを速くしていきましょう。
力の少し抜けた状態から鋭く振っていくことによってラケットがより速く動くので、ボールに対して力が伝わってボール自体もスピードが出るようになります。