文:ラリーズ編集部
2012年にグランドファイナルU21で準優勝を飾り、その圧倒的なサーブ力とバックハンドで世界のトップ選手として活躍するイランのノシャド・アラミヤン。イランの卓球界を長年に渡って支え続けてきたノシャド・アラミヤンのプロフィール、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても詳しく紹介します。
このページの目次
ノシャド・アラミヤンとは
ノシャド・アラミヤンはイラン代表として長きにわたって活躍する卓球選手です。
2008年から2019年まで12年連続でイラン代表として世界選手権に出場し、今もなおイランの卓球界を支え続けています。また、弟の二マ・アラミヤンも同じくプロ卓球選手で、兄弟で組むダブルスでは2020年ワールドツアースペインオープン優勝など輝かしい実績を残しています。
ノシャド・アラミヤンのプロフィール
ノシャド・アラミヤン(Noshad ALAMIYAN)は1991年11月21日生まれの32歳(2024年7月時点)で、イラン出身です。ジュニアの頃から活躍したノシャド・アラミヤンは、2008年の世界ジュニア選手権で優勝候補と言われた日本の松平健太を破ったことで世界にその名を知らしめました。
卓球界では決して強豪国とは言えないイランにおいてノシャド・アラミヤンは自身の努力とその類い稀なセンスで着実に実力を付けてきました。2010年頃からワールドツアーで徐々に頭角を現し、2012年ポーランドオープンではシングルスベスト8、2012年モロッコオープンではシングルス優勝などの実績を残しています。
そして2012年ワールドツアーグランドファイナルU21では準優勝を果たし、さらには2012年のアジアカップでは当時世界ランキング3位だった王励勤(ワンリチン・中国)に勝利する大金星を挙げて、見事4位に輝きました。
近年でも2018年のアジア競技大会では黄鎮廷(中国香港)を破って3位に輝くなどの実績を残しています。このようにノシャド・アラミヤンは独特なプレースタイルゆえに安定感には欠けますが大物食いをすることもある、見ていて面白い選手です。
またノシャド・アラミヤンはダブルスの上手い選手でもあります。彼の弟の二マ・アラミヤン(イラン)もプロの卓球選手で、彼らは兄弟でダブルスを組んでワールドツアーに参戦しています。兄のノシャドが左利き、弟のニマが右利きで息のぴったり合ったプレーで多くの実績を残しています。
この兄弟ダブルスは2019年のアジア選手権ではベスト8、2020年のスペインオープンでは優勝など世界的に見ても非常に強いダブルスとして活躍しています。
ノシャド・アラミヤンのプレースタイル
ノシャド・アラミヤンの戦型は左シェーク裏裏ドライブ型です。その圧倒的なサーブ力と、巧みなバックハンドを武器に相手を翻弄して戦う非常に独特なプレースタイルをしています。
ノシャド・アラミヤンの一番の武器はなんといってもその圧倒的なサーブ力です。特に彼はYGサーブを多用するのですが、そのサーブは世界チャンピオンである馬龍(中国)や林高遠(中国)からも次々とサービスエースを取るほどです。回転量が多いのは勿論のこと、彼のサーブは回転そのものが非常にわかりにくく、トップ選手ですらストップをしようとして真上に跳ね上げてしまうなどのミスが見られます。
そしてノシャド・アラミヤンのもう一つの武器はその巧みなバックハンドです。彼のバックハンドはきれいな弧線を描き、非常に回転量の多いものになっており相手がブロックをオーバーミスする場面も多く見られます。また、彼はミドルくらいまではすべてバックハンドで処理し、前陣、後陣問わずバックハンドを強烈に振り抜くことができ、その威力は大きな脅威になっています。
ノシャド・アラミヤンのプレーはサーブとバックハンドに特化したもので、フォアに来た球も打たずに基本はブロックをし、現代卓球に多く見られるカウンターやチキータをすることもあまりありません。しかし、ラリー中にラケットを逆の手に持ち替えるスイッチハンドなど独特なプレーが多く見られる選手でもあります。
ノシャド・アラミヤンの使用用具
ノシャド・アラミヤンはバタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの『水谷隼 ZLC』、ラバーは両面にバタフライの『テナジー05』を使用しているようです。
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ノシャド・アラミヤンの世界ランキング
ノシャド・アラミヤンの世界ランキングは54位(2024年7月時点)で、最高ランキングは40位(2012年12月)です。
ノシャド・アラミヤンの主な戦績
2012年 | アジアカップ | 男子シングルス:ベスト4 |
2018年 | ジャカルタアジア競技大会 | 男子シングルス:銅メダル |
2020年 | スペインオープン | 男子ダブルス:優勝(ペア:ニマ・アラミヤン) |
2021年 | アジア選手権 | 男子シングルス:ベスト16 |
WTTコンテンダードーハ | 男子ダブルス:ベスト4(ペア:ニマ・アラミヤン) | |
2022年 | アジアカップ | 男子シングルス:ベスト8 |
WTTコンテンダーザグレブ | 男子シングルス:ベスト16 | |
WTTコンテンダーマスカットⅡ | 男子シングルス:ベスト16 | |
2023年 | 杭州アジア競技大会 | 男子ダブルス:銅メダル(ペア:ニマ・アラミヤン)、男子団体:銅メダル |
まとめ
そのサーブとバックハンドに特化した独自のプレースタイルで世界のトップ選手として活躍するノシャド・アラミヤン。彼の今後に要注目です。