文:ラリーズ編集部
今回は、韓国のホープとして近年急激に力をつけている趙大成(チョデソン)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
趙大成とは
趙大成は、2018年のポーランドオープンでベスト4、2019年のチェコオープンで男子ダブルスと混合ダブルスの2種目で優勝などの実績を持っており、近年急成長を遂げている韓国の期待の若手選手です。2019年11月からはTリーグにも参戦し、今シーズンのシングルスの成績は6勝1敗と高い勝率をあげています。
多彩なサーブと現代卓球らしさを感じる打点の早いバックハンドが持ち味の選手です。
趙大成のプロフィール
趙大成(チョデソン/Cho Dae-seong)は2002年10月13日生まれの21歳(2024年7月時点)で、韓国出身です。
ワールドツアーでは主にダブルスで活躍しており、2019年のチェコオープンでは、李尚洙(イサンス)とペアを組んだ男子ダブルスでの優勝に加え、申裕斌(シンユビン)と組んだ混合ダブルスでも決勝で水谷隼/伊藤美誠ペアを下し、ダブルス2種目で優勝するなどの活躍を見せています。
2019年の2ndシーズンからTリーグにも参戦しており、岡山リベッツの一員として、フルゲームの激戦の末、張本智和に勝利するなどの活躍を見せました。また、シーズンを通しての戦績は6勝1敗と高い勝率でチームの勝利に貢献しました。
2021年に開始された初のWTTであるWTTコンテンダードーハでは、李尚洙とのペアで男子ダブルス優勝を果たしますが、同年に肘の手術を行うとスランプに陥ってしまいます。当時の状況を趙大成は、「卓球を辞めたいと思っていた」と語るほどでした。
しかし、趙大成はそれでも諦めずに卓球と向き合い続け、2023年の世界選手権で李尚洙との男子ダブルスで銅メダルを獲得したのを皮切りに、同年のWTTコンテンダーアルマトイで朱芊曦との混合ダブルスで優勝に輝くなど、主にダブルス種目で表彰台に上るようになりました。
そして、2024年に入るとシングルスでも本領を発揮。WTTフィーダーマンチェスターで自身初となるWTTシングルス種目優勝を飾ると、直後のWTTフィーダーオトーチェッツでも優勝し、一気に世界ランキングを上げていきます。
この年はパリ五輪の開催年ということもあり、韓国代表の選考レース(世界ランキングで代表を決定)も佳境を迎えていました。代表入りを目指していた趙大成は、安宰賢(アンジェヒョン・韓国)と熾烈なポイント争いを繰り広げていましたが、選考レース最後の大会であるWTTスターコンテンダーリュブリャナで安宰賢がベスト16で敗退し、趙大成が3位入賞を果たしたことで、趙大成のポイントが安宰賢を上回ることが確定し、趙大成が自身初となる五輪代表の切符を掴み取りました。
趙大成のSNS
趙大成のプレースタイル
趙大成の戦型は左シェーク裏裏の攻撃型で、長身を活かした威力のあるフォアハンドと、現代卓球らしい打点の早いバックハンドが特徴の選手です。多彩なサーブ、レシーブで先手を取って自分から積極的に攻撃を仕掛けていく攻撃的なプレーを得意としています。
サーブは基本的に順横回転のサーブを多用しますが、同じモーションから様々な回転やコースのサーブを出し分けるのが特徴的です。レシーブはチキータを多用します。しかし、チキータ以外にもストップやフォアの流しなど、コートを広く使った多彩なレシーブで的を絞らせないクレバーさを持っています。多彩なサーブ、レシーブで相手を翻弄し、その後のラリーを有利に進めます。
ラリーでは前陣では得意の打点の早いバックハンドを活かしたスピーディーな連続攻撃で得点します。一方、中陣でのラリーになると韓国選手らしいフットワークを活かしたフォアハンドが強力な武器となっています。
趙大成の使用用具
趙大成の使用用具は、ラケットはニッタクの『馬龍7(LGタイプ)』で、ラバーはフォア面に紅双喜の『キョウヒョウ NEO3』、バック面にXIOMの『オメガ7 プロ』を使用しているようです。
趙大成の世界ランキング
趙大成の世界ランキングは20位(2024年7月)で、最高ランキングは20位(2024年7月)です。
趙大成の主な成績
2018年 | タイオープン | U21男子シングルス:準優勝 |
ポーランドオープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
2019年 | チェコオープン | 男子ダブルス:優勝(ペア:李尚洙)、混合ダブルス:優勝(ペア:申裕斌) |
2021年 | WTTコンテンダードーハ | 男子ダブルス:優勝(ペア:李尚洙) |
2023年 | 世界選手権ダーバン大会 | 男子ダブルス:銅メダル(ペア:李尚洙) |
WTTコンテンダーチュニス | 男子ダブルス:準優勝(ペア:趙勝敏) | |
WTTコンテンダーザグレブ | 混合ダブルス:ベスト4(ペア:金娜英) | |
WTTコンテンダーリマ | 男子ダブルス:準優勝(ペア:李尚洙) | |
WTTコンテンダーリオデジャネイロ | 男子ダブルス:準優勝(ペア:李尚洙) | |
WTTコンテンダーアルマトイ | 混合ダブルス:優勝(ペア:朱芊曦) | |
2024年 | WTTスターコンテンダーゴア | 男子ダブルス:ベスト4(ペア:李尚洙) |
WTTフィーダーマンチェスター | 男子シングルス:優勝 | |
WTTフィーダーオトーチェッツ | 男子シングルス:優勝 | |
WTTフィーダーデュッセルドルフ | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTフィーダーハビージョフ | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダーザグレブ | 混合ダブルス:ベスト4(ペア:朱芊曦) | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTスターコンテンダーバンコク | 男子ダブルス:ベスト4(ペア:張禹珍) |
まとめ
韓国の期待の若手として着実に力をつけており、ダブルスでも活躍している趙大成。成長を続ける彼は今後日本選手にとって脅威となることは間違いないでしょう。Tリーグにも参戦しており、今後も楽しみな選手です。これからの趙大成の活躍に期待が高まります。