中国が生んだ卓球史上最強の男、劉国梁とは | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球選手紹介 中国が生んだ卓球史上最強の男、劉国梁とは

2018.08.06

*写真は2001年ITTFプロツアーグランドファイナル—の劉国梁(リュウ・グォリャン、中国)

卓球の歴史の中で、最強の男は誰か。

実績から言えば中国の劉国梁(リュウ・グォリャン、Liu Guoliang)が間違いなくナンバーワンだ。

劉国梁はオリンピックと世界選手権で出場した全種目で金メダルを獲っている。しかも選手としてだけではなく、監督としてもだ。

本記事では国宝級の実績を残した劉国梁に迫る。

劉国梁の華麗なる実績を振り返る

中国、河南省出身の劉国梁は1976年1月10日生まれの42歳だ。
現役選手時代には、世界選手権で1993年イエテボリ大会で銀メダルと銅メダルを獲得。以降、2001年の大阪大会までに男子団体、男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの全種目で金メダルを獲得し、通算では14個のメダル(金7、銀4、銅3)を獲得している。

オリンピックでは、1996年のアトランタ五輪で男子シングルスと男子ダブルスの2種目で金メダルを獲得。2000年のシドニー五輪では男子シングルスで銅メダル、男子ダブルスで銀メダルを獲得したメダルコレクターだ。

卓球帝国中国では、世界選手権、オリンピック、ワールドカップの全てで優勝することを「大満貫」と呼ぶが劉国梁はその大満貫を達成した数少ない選手だ。(なお2018年8月時点で大満貫を達成した男子選手は、劉国梁、孔令輝、張継科、馬龍のわずか4名。)

中国伝統の前陣速攻を進化させた劉国梁のプレースタイル

劉国梁の戦型はペン表ソフト前陣速攻型だ。中国伝統の表ソフトラバーを使った右打ち左押し(フォアはスマッシュ、バックはショート)の速攻スタイルを受け継ぎつつも、独創的なスタイルを確立した。
裏ソフトに比べて回転のかけにくい表ソフトラバーを使用しながらも強烈に回転のかかった変化サーブで「世界一サーブが上手い選手」と評された。また、表ソフトでの回転量の多いドライブ攻撃と無回転のスマッシュ攻撃の変化で相手を撹乱させた。

更に中国式ペンの裏面に裏ソフトラバーを貼り、現代卓球では当たり前になった裏面打法」を世界で初めて取り入れて成功した選手としても有名だ。

中国伝統の表ソフト前陣速攻型を継承しつつ、独自のサーブや裏面打法を取り入れるプレースタイルで世界の頂点に立ったのが劉国梁だ。

劉国梁の世界ランキング

劉国梁の世界ランキング最高位は1位だ。1996年11月に初めて世界ランキング1位に到達。現役を引退するまで世界ランキング上位を維持し続けた。

劉国梁の使用ラケット・ラバー

劉国梁はSTIGAの「クリッパーウッド 中国式」を愛用していた。表面に貼る表ソフトラバーはTSPの「スピンピップス」を使用していたもののルール改正で使用不可となり、STIGAの「クリッパ」を使用するようになった。裏面に貼る裏ソフトラバーはSTIGAの「メンドMP」を使用していた。

選手から絶大な信頼を寄せられた劉国梁監督

劉国梁は選手としてだけでなく指導者としてもその才能を発揮した。2002年に現役を引退した翌年の2003年、蔡振華監督の後を継いで中国男子チームの監督に就任した劉国梁は、監督就任以降、世界選手権団体戦では一度も優勝を逃さず中国に金メダルをもたらしている。

そんな順風満帆な中での2017年の監督退任のニュースが大きな話題を呼んだ。劉国梁の監督退任に抗議するため、中国男子チームの馬龍許昕、樊振東の世界トップの3選手が地元開催のITTFワールドツアー・中国オープンを途中棄権する騒動が起きるほどだった。後にITTF(国際卓球連盟)から罰金処分を受けた上記3選手。

選手生命に関わる処分を中国卓球協会から受ける可能性がある中での3選手の抗議だったことから、劉国梁が選手たちから厚い信頼を得ていたかが想像できる出来事であった。

まとめ

選手として中国卓球界でもっとも名誉のある大満貫を達成し、監督としても中国男子チームを常に世界一に導いた劉国梁。

かつて、選手と指導者の双方でこれだけの成功をおさめた人がいただろうか。
まだ42歳という若さの劉国梁。今後の卓球界へのカムバックを期待してやまない。

写真:アフロスポーツ
男子ランキング
2023.03.31
世界
日本
1
樊振東(中国)
9700 pt
2
馬龍(中国)
5800 pt
3
王楚欽(中国)
4955 pt
1
張本智和(日本)
4195 pt
2
宇田幸矢(日本)
1275 pt
3
篠塚大登(日本)
926 pt
女子ランキング
2023.03.31
世界
日本
1
孫頴莎(中国)
9920 pt
2
陳夢(中国)
6805 pt
3
王曼昱(中国)
5960 pt
1
早田ひな(日本)
2990 pt
2
伊藤美誠(日本)
2830 pt
3
石川佳純(日本)
1975 pt