文:ラリーズ編集部
今回は、長年にわたり世界のトップで活躍しているロシア代表のベテラン選手、ポリーナ・ミハイロワについて紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
ポリーナ・ミハイロワとは?
ポリーナ・ミハイロワは1986年8月31日生まれの33歳(2020年3月現在)のロシアの卓球選手です。
プロフィール
ポリーナ・ミハイロワは、2004年のスウェーデンジュニアオープンで準優勝、同年のカナダジュニアオープンでベスト4の成績を挙げるなどジュニア時代から多くの実績を残してきました。
その後、シニアの世界に入ってからも順調に成績を残していきました。2012年のEURO AFRICAサーキットベラルーシオープンで初優勝したのを皮切りに数々のワールドツアーで活躍し、2015年のヨーロッパ選手権ではベスト4入りを果たし、名実ともに世界のトップ選手入りを果たしました。最近では、2020年のドイツオープンでは敗れはしたものの、中国の世界ランク7位朱雨玲とフルゲームデュース熱戦を演じるなど、33歳とベテランの域に入った現在もなお世界の第一線で戦っています。
また、シングルスだけでなくダブルスでも多くの結果を残しており、ダブルスの名手といえます。マリア・ドルギフと組んで2016年のスロベニアオープンでは決勝で韓国の強豪、梁夏銀・田志希ペアに勝利して優勝するなど多くの大会で入賞を果たし、最近ではヤナ・ノスコワとダブルスを組んで2019年のナイジェリアオープンで優勝し、シングルスと合わせて2冠を達成しました。混合ダブルスではアレクサンダー・シバエフとペアを組み、2019年のハンガリーオープンで台湾の強豪、林昀儒・鄭怡静ペアに勝利してベスト4に入るなど、新種目として初採用される東京オリンピックでのメダル獲得が大いに期待されます。
プレースタイル
ポリーナ・ミハイロワの戦型は右シェーク裏表のカット型で、変化の激しいカットと積極的な攻撃が特徴です。長い手足を生かしたカットから、少しでも隙があればバックの表ソフトを生かしたミート打ち、フォアハンドでのドライブおよびスマッシュで積極的に攻撃を仕掛けていきます。サーブからの3球目で攻めていくことも多く、カットの変化幅や広い守備範囲を武器にする女子選手のカットマンが多い中、ポリーナ・ミハイロワはあまり見られない攻撃的なプレースタイルといえます。
使用用具
ポリーナ・ミハイロワのラバーはフォア面が「テナジー64」、バック面が「チャレンジャー アタック(表ソフト)」が使用されているようです。
カットで粘り相手のミスを誘う型のカットマンの多くがバック面に粒高ラバーを使用するのに対して、ポリーナ・ミハイロワは高弾性スピン系表ソフトラバーをしていることからも、攻撃のしやすさや威力を重視していることが見受けられます。フォア面のテナジー64の最大の特徴はスピードとコントロール性能の高さです。テナジーシリーズの中では、比較的柔らかめということもあり、スマッシュなどのミート系打法がやりやすいことも特徴です。
世界ランキング
ポリーナ・ミハイロワの世界ランキングは45位(2020年3月時点)です。この1年間は50位前後を常にキープしています。最高ランキングは2016年6月の34位です。
国際大会での主な成績
2012年 | モロッコオープン | 女子シングルスベスト4 |
スウェーデンオープン | 女子シングルス準優勝 | |
ザグレブオープン | 女子シングルス準優勝 | |
ベラルーシオープン | 女子シングルス優勝 | |
2013年 | スウェーデンオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) |
ベラルーシオープン | 女子シングルスベスト4 | |
ザグレブオープン | 女子シングルスベスト4 | |
2015年 | ハンガリーオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) |
ザグレブオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) | |
ヨーロッパ選手権 | 女子シングルスベスト4 | |
2016年 | ハンガリーオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) |
ザグレブオープン | 女子シングルスベスト4 | |
スロベニアオープン | 女子ダブルス優勝(マリア・ドルギフと) | |
ブルガリアオープン | 女子ダブルス準優勝(マリア・ドルギフと) | |
チェコオープン | 女子ダブルス準優勝(マリア・ドルギフと) | |
オーストリアオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) | |
2017年 | ハンガリーオープン | 女子ダブルスベスト4(マリア・ドルギフと) |
ポーランドオープン | 女子ダブルスベスト4(ビクトリア・パブロビッチと) | |
ベルギーオープン | 女子シングルス準優勝 | |
2018年 | ベラルーシオープン | 女子シングルス準優勝 |
2019年 | ハンガリーオープン | 混合ダブルスベスト4(アレクサンダー・シバエフと) |
セルビアオープン | 女子シングルスベスト4 | |
ナイジェリアオープン | 女子シングルス優勝、女子ダブルス優勝(ヤナ・ノスコワと) |
まとめ
ロシアを代表するカットマンとして、長年国際大会で活躍し、世界のトップで戦い続けているポリーナ・ミハイロワ。ベテランの域に入り円熟味を増してきた彼女のプレーにこれからも目が離せません。