文:ラリーズ編集部
強豪イングランドにおいてイングランド選手権を制し、2016年世界選手権クアラルンプール大会では団体戦銅メダルの実績を残したポール・ドリンコール。リアム・ピッチフォードやサムエル・ウォーカーと並びイングランド卓球界を牽引するドリンコールについて紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても詳しく紹介します。
幾度となく日本の前に立ちはだかった強大なライバル、イングランドの主力選手であるドリンコール。今回はそんなドリンコールのプロフィールを見ていきましょう。
このページの目次
ポール・ドリンコールとは
ポール・ドリンコールは、2018年世界選手権や2019年ワールドカップで日本代表に勝利した強豪イングランドの代表選手です。2016年世界選手権クアラルンプール大会で団体戦銅メダルに輝くなど世界のトップで活躍する選手です。
プロフィール
ポール・ドリンコールは1990年1月17日生まれの35歳(2025年5月現在)のイングランドの卓球選手です。
2008年のヨーロッパユースのジュニアでシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3冠を達成し、同年の世界ジュニアスペイン大会では準優勝するなどジュニア時代から順調に成績を残してきました。
その後も、2016年世界選手権団体クアラルンプール大会では銅メダル、また2016年リオデジャネイロオリンピックでは男子シングルスベスト16に入るなどコンスタントに好成績を残しています。
そしてなんといっても印象深いのが2018年世界選手権スウェーデン大会と、2019年ワールドカップ東京大会での日本との対戦です。2018年世界選手権では日本の水谷隼をフルゲームのあと一歩のところまで追い込みました。そして2019年ワールドカップでは吉村真晴を破り、団体としてイングランドの勝利に貢献しました。
ポール・ドリンコールのプレースタイル
ポール・ドリンコールの戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。強靭な足腰を活かした素早いフットワークと、威力のあるフォアドライブを軸に戦うプレースタイルをしています。
特に、恵まれた体格から繰り出されるフォアドライブはドリンコールの最大の武器です。台から出たボールはほとんどオールフォアでドライブをかけ、強烈なフォアドライブを連打し得点を重ねていく姿は見ている者を魅了します。そのため、ドリンコールのラリーは迫力のある非常に見ごたえのあるものが多いです。
また、高速化し、バックハンドの技術の重要性がますます高まる現代卓球においてフォアハンドを主体に戦うドリンコールが世界のトップで活躍し続けているのは、そのフットワークのすさまじさ故です。強靭な足腰を活かし、非常に素早いフットワークで動き回ることでドリンコールはフォア主体での卓球を可能にしています。
相手がバックハンドで早い打点で打ち込んできたボールに対しても、高速のフットワークで回り込みフォアハンドでカウンターを狙うプレースタイルはドリンコールの最大の特徴です。
強力なフォアハンドを持つドリンコールですが、バックハンドもまた巧みに使いこなします。回転をかけてバックドライブを連打するという場面はあまり見られませんが、その代わりにバックフリックやプッシュといったフラットな打法を多用する珍しい選手です。これらの打ち方では打球がナックル気味になることが多いので、相手がネットミスすることも見られます。
このように強烈な回転のかかったフォアドライブと、ナックル気味のバックハンドをうまく使い分けて回転量に変化をつけることで相手のミスを誘い得点するのもドリンコールのプレーの特徴の1つです。
ポール・ドリンコールの使用用具
ドリンコールの使用用具はすべてTIBHAR社の製品で、ラケットが『サムソノフ フォースプロ』、ラバーはフォア面は『ハイブリッド K3』、バック面には『エボリューション MX-P』を使用しているようです。
ポール・ドリンコールの世界ランキング
ポール・ドリンコールの世界ランキングは288位(2025年5月時点)で、最高ランキングは32位(2016年9月)です。
ポール・ドリンコールの国際大会での主な戦績
2008年 | 世界ジュニア選手権スペイン大会 | 男子シングルス:準優勝 |
2014年 | スペインオープン | 男子シングルス:優勝 |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール大会 | 男子団体:銅メダル |
リオデジャネイロオリンピック | 男子シングルス:ベスト16 | |
2021年 | WTTスターコンテンダードーハⅡ | 男子ダブルス:準優勝(ペア:リアム・ピッチフォード) |
2023年 | WTTコンテンダーダーバン | 男子ダブルス:ベスト4(ペア:トム・ジャービス) |
WTTフィーダーデュッセルドルフⅡ | 男子シングルス:ベスト4 | |
2024年 | WTTフィーダーマンチェスター | 男子ダブルス:ベスト4(ペア:リアム・ピッチフォード) |
まとめ
イングランド代表として、そして世界のトップ選手の1人として活躍し続けるポール・ドリンコール。幾度となく日本代表の前に立ちはだかってきたドリンコールは、これからも日本人選手のライバルであることは間違いないでしょう。目前に控えた東京オリンピックや、今年度のワールドツアーにおいてどんな活躍を見せてくれるのか。彼の活躍に要注目です。