文:ラリーズ編集部
卓球人のこだわりグッズを紹介する「俺の卓球ギア」。
第47回となる今回は、青森山田中学校から希望が丘高校、専修大学とエリート街道を歩み、2019年9月に行われた秋季リーグでは自らの勝利で専修大学の優勝を決めた蛭田龍の卓球ギアを紹介する。
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蛭田龍の卓球ギア
戦型
左シェーク裏裏
ラケット
松平健太 ALC(FL・バタフライ)
ラバー
フォア:テナジー25(トクアツ・バタフライ)
バック:テナジー05(トクアツ・バタフライ)
ユニフォーム
専修大学のユニフォーム
こだわりのもの
2人の妹の写真
青森山田時代に初めて獲得したメダルの写真
※ギアは2019年11月時点のもの
ラリーズ編集部のコメント
写真:蛭田龍(専修大学)/撮影:佐藤主祥
蛭田はこれまでに全日本カデットダブルスの部で優勝、全中団体の部2位、インターハイ団体の部ベスト4、シングルスの部ベスト8、インカレベスト4、関東学生選手権ダブルスの部ベスト8、関東学生リーグ優勝と輝かしい成績を残している。
蛭田の使用用具は、松平健太 ALC(FL)にフォア:テナジー25(トクアツ)、バック:テナジー05(トクアツ)。
一般層から世界のトップ選手まで幅広く愛されているアリレートカーボン素材のラケットを使用している。その中でも松平健太 ALCを選んだのは、「相手のボールを利用して返せるしグリップが細いので細かいプレーで手首が使いやすい」からだという。
ラバーはこちらも多くの選手が使用しているテナジーシリーズだが、フォア面には珍しくテナジー25を使用している。
「テナジー25とテナジー05の違いは、弾みです。
テナジー25はあまり弾まないので思い切り振り切ることができます。また、ミート打法やループドライブが打ちやすいので、前陣で戦いやすいです。
バックがテナジー05の理由は、回転に対応できて相手のボールの力を吸収し返球しやすく、ブロック主体の自分のプレースタイルに合っていると感じたからです」。
自らの戦型を“前陣両ハンドブロック型”と評する蛭田の特徴を活かすことのできる用具選びとなっている。
こだわりのものとして、2人の妹の写真と青森山田時代に初めて獲得したメダルの写真をあげた。
「すごく年が離れているのでお兄ちゃんと言うよりは、おじさんのような感覚なのですが、とても大切な存在です。妹の為に頑張っていると言っても過言ではないです(笑)。
妹の写真と、青森山田の僕らの代で初めて取ったメダルの写真は、原点を忘れない為に大事にしています」とコメントしてくれた。
写真:蛭田龍(専修大学)/提供:蛭田龍(専修大学)
リトルキングス(2019年10月に開催された全日本クラブ卓球選手権大会で優勝した名門クラブ)を経営していた祖父をもつ蛭田は、物心がつく前からラケットを握っていた。しかし叔父がプロ野球選手だったこともあり、蛭田の興味は徐々に野球へと傾いていった。野球がしたいと言って卓球をやめたこともあり、泣きながらラケットを捨てたこともあるそうだ。
「卓球一家の家庭では卓球をしてないと肩身が狭く、泣く泣く卓球を続けた。当時は卓球はものすごく嫌いだった」と当時を振り返る。
そんな蛭田に卓球人生におけるターニングポイントが訪れる。青森山田での生活だ。
「目立った成績などなかった僕は青森山田では、底辺のような存在でした。しかし練習場に入るとそんな泣き言は許されるモノじゃないと中学1年生でもわかるくらいの雰囲気を感じます。
一番弱い自分が一番卓球を嫌いでは勝てるわけがないと思い、嫌いだった卓球を強制的に好きにさせられました。
最初は練習相手のブロックが入らず先輩方にイライラさせたり、試合をしたら1ゲームも取れないことが当たり前でした。同年代の中でも圧倒的に弱かった僕は、唯一の武器だったサーブを練習中と本番の試合で、投げ上げる高さを少し変えてみました。
これは父でありコーチであった三田村宗明さん(リトルキングス)からのアドバイスであり、このおかげで中学1年生の新人戦でベスト4に入ることができました。この時に初めて卓球は面白いかもと思えました。
写真:蛭田龍(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部
練習場以外では中学1年生から大学3年生までいる寮で、上田仁さんや丹羽孝希さんや森薗政崇さん、坪井勇磨さんなどもとても優しく接してくれて、卓球の強い人はいい人なのかなとも思っていました。また板垣先生はどんな時でも勝つ練習を考えてくれて、練習でも試合でも後ろにいるだけで心強かったです。僕はこの寮生活で様々な人たちと関わり自分で考えて行動できたことが、今の自分につながっているのではないかと思います」。
写真:蛭田龍(専修大学)/提供:蛭田龍(専修大学)
今後の目標は、「シングルスでの成績がないので成績を残す事」と力強くコメントしてくれた。
卓球界のエリート街道を歩み続けてきた蛭田。学生卓球界を引っ張る存在ではあるが、まだまだ蛭田には活躍できる可能性を感じる。今後、どのような姿を私達に見せてくれるか注目していきたい。