文:ラリーズ編集部
YGサーブは、逆横回転のサーブで卓球のテクニックの中でも打つ側も受ける側も非常にやっかいなサーブです。YGサーブを覚えることができれば、試合を有利に運ぶことができるようになります。また、相手にYGサーブを打つことを知られないようにできれば、相手が取れないサーブを打つことができるようになります。
そこで今回は、YGサーブの特徴やコツ、練習方法などをご紹介します。
YGサーブとは?
写真:張本智和(智和企画)/提供:WTT
YGサーブの「YG」は、ヤングジェネレーションの略です。ヨーロッパの若い世代の選手が使っていたことから、YGサーブと名付けられました。主にヨーロッパの選手が使っているサーブですが、日本の選手でもYGサーブを使っている選手が増えてきています。また、中学生や高校生も大会でもYGサーブを使っているのを見かけます。
YGサーブの特徴は、逆横回転系のフォアサーブです。主に、逆横回転・逆横上回転・逆横下回転を繰り出せるサーブとなり、ボールの回転量を多くすることができます。通常のフォアサーブの横回転ほどボールは曲がりませんが、回転量が多いのでフォアの横回転サーブと組み合わせることで相手にとってやっかいなサーブを打つことができます。
しかし、難易度の高いテクニックになるので、同じ逆横回転系のフォアサーブである巻き込みサーブよりも習得することが難しいといわれています。練習を重ねてYGサーブを上手く打てるようになれば、さまざまな回転を出すことができ、サーブで相手を負かすことも可能です。YGサーブのコツさえ掴めば、まだこのサーブを取り慣れていない選手が多いので試合で有利になります。
また、YGサーブは、手首の柔らかい選手におすすめのテクニックです。YGサーブの性質上、フォアハンド主体の選手のほうが手首を使ってボールの回転を多く打つことができるからです。もちろん、今手首が硬い方も柔らかくする手首のストレッチを続ければ、YGサーブを打てる手首になっていきます。
YGサーブを習得するためのコツ
YGサーブを習得するためには、まずコツを掴まなければなりません。YGサーブは、腕の動きが繊細なのでコツを掴まなければボールをラケットに当てることも難しいといわれています。また、ラケットに上手く当たったとしてもコートにボールが上手く飛ばないこともあります。YGサーブができるようになるためには、コツを掴むために練習を重ねることが重要です。
また、手首が柔らかいこともYGサーブを習得するのに必要なので、手首のストレッチも練習メニューに取り入れるようにしましょう。手首のスナップを生かすことは、YGサーブだけでなくさまざまなテクニック的に有利となります。
YGサーブを習得する練習では、まず逆方向のスイングでしっかりと回転をかけられるようにします。手首のスナップをきかせてスイングスピードを早くすることを意識します。そうすることで、ボールの回転量を増やすことができます。
逆方向のスイングでサーブをかけられるようになったら、長くコートに入ることを意識するのではなく台の手前でワンバウンド目を落とす短いサーブを出すようにしていき、コースのフォアやミドル、バッグ、長さのコントロールを行えるようにしていきましょう。
また、YGサーブを打つ際は、低い位置から逆横回転をしっかり切れるようにすることが重要です。そして、逆横下回転のサーブを打てるようにして、YGサーブを使いこなせるようにしていきます。逆横下回転のサーブを打つ際はラケットと台が水平になるまで寝かして、インパクトするようにします。
ただし、下回転を意識しすぎると体に力が入りすぎてYGサーブを打ちにくくなるので、インパクトの瞬間だけ集中して力を入れるようにするのがポイントです。
上述してきた内容をこなせるようになれば、YGサーブのコツを掴んで習得することができます。
なお、これまでの練習方法でもYGサーブのコツを掴めずに習得できない方がいるかもしれません。コツを掴めていない場合には、まずボールを低くしてサーブを打つことだけを考えるとよいでしょう。ボールを低くして出せるようになったら、少しずつ回転や長さを意識して打つようにします。
他にも、自分の体の近くでインパクトをするように意識するとYGサーブを習得しやすくなります。体から離れているほうがインパクトしやすいという方もいますが、YGサーブを出す際は体の近くでインパクトしたほうがやりやすくなり、下回転をかけやすくなります。
また、インパクトのタイミングも安定させることが重要です。インパクトのタイミングは、トスをあげた際に左足をあげてインパクトする瞬間に左足で踏み込むようにすると安定していきます。YGサーブの習得に時間がかかっているのなら、ひとつずつ上述した内容を試すことをおすすめします。
まとめ
YGサーブは、難易度の高いサーブのテクニックです。しかし、習得することができれば試合でYGサーブを出すと相手が取れないサーブになることに間違いありません。そんなYGサーブを習得するには、まず逆横下回転のサーブを打てるようにして、逆横回転系のサーブを上手くコントロールできるようにすることが重要です。YGサーブを覚えれば、試合で点数が欲しいときに頼りになるテクニックであると実感できます。