【特集予告】「卓球の再開を考える」〜Table Tennis with COVID19〜 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球プレーヤー向け 【特集予告】「卓球の再開を考える」〜Table Tennis with COVID19〜

2020.09.18

文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)

2020年。世界中が新型コロナウィルス(COVID-19)に翻弄されている。

もちろん日本の卓球界も例外ではない。

ラリーズでは、トップアスリートから部活動を頑張る学生プレーヤー、そしてライフワークとして卓球を楽しむ卓球ファンや卓球愛好家にとって、新型コロナウィルスが与えた影響について特集する。

今、卓球の現場に何が起きているのか。

>>あの日、日本卓球協会が中国代表の受け入れに動いた理由

卓球界は新型コロナウィルスにどう立ち向かうのか?

安倍晋三前総理大臣は、2020年4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言を発令し、さらに4月16日にその対象を全国に拡大した。

ウィルスの感染拡大を防ぐべく「ステイホーム」を求められた国民は、その活動を休止せざるを得ず、5月25日に全国で緊急事態宣言が解除された後も、ウィルスを意識した生活を余儀なくされている。


写真:AP/アフロ

もちろん、卓球界も大きな打撃を受けている。

卓球アスリートにとって象徴的だったのは、4年に一度のビッグイベント、東京五輪の延期だ。

更に世界選手権やジャパンオープンを含むITTF主催の国際大会は延期や中止が相次ぎ、国内でもTリーグファイナル、日本リーグ前期大会の中止など、パフォーマンス発揮の場が完全に失われる形となった。


写真:ittfworld

また、部活動で卓球部に所属する学生プレーヤーたちも、全国大会とそれに紐づく地方予選の中止や代替大会への変更を余儀なくされるなど大きな影響を受けた。特に小学6年生や中学3年生、高校3年生、大学4年生など各カテゴリの最高学年の選手にとっては例年通りに有終の美を飾れず、進路選択にも響くという厳しい現状が待ち受けた。

笹川スポーツ財団の国民の運動実施に関するアンケート調査「新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査 」(2020年6月。URL:https://www.ssf.or.jp/thinktank/policy/covid19_f.html)によれば、2020年1月まで卓球は日本国民の運動実施種目の中で「ヨガ」「ボウリング」に次ぐ室内競技3番目の17位にランクインしていた。ところが新型コロナウィルスの影響を受けた2020年2月〜5月の期間ではランク外となってしまっており、卓球愛好家がプレーを楽しむことができない期間が発生した事実が浮き彫りとなった。

卓球の再開を考える

一方で、ここに来て「卓球再開」の機運が高まりつつある。

9月14日には「卓球再開」を象徴するイベントとして日本代表とTリーグ選抜の対抗戦「2020 JAPAN オールスタードリームマッチ」が史上初の試みとして行われた。また11月からはITTFの国際大会やTリーグ、日本リーグなどの国内トップ選手が参加する大会の開催が予定されている。


写真:9月14日に行われたオールスタードリームマッチ/撮影:ラリーズ編集部

更に、ラリーズが行った都内の複数の卓球場、卓球ショップへの聞き取り調査では、8月末時点での店舗の売上や利用者数について「緊急事態宣言前の約6割〜7割まで回復した」と回答するオーナーが大半を占めるなど、卓球市場にも客足が戻りつつある。

また、コロナ禍で失ったものばかりではない。

ステイホーム期間には有名人・芸能人が自宅のテーブルで卓球を楽しむ姿が話題となり、改めて手軽に室内でプレーできる卓球の魅力が発信された。また、試合も練習も出来なかった卓球トップアスリートがSNSを通じたファンとの交流を強めるなど、新たな動きもあった。

今後も新型コロナウィルス自体がこの世からなくなることは無いが、感染拡大による影響が出始めた2月頃と比べると、国民全体が生活の中でウィルスとどう付き合うのか、その答えを見出しつつある。(特に、テレビや新聞などのメディアも報道のトップニュースからコロナ関連を外すようになるなど、社会全体がウィルスへの見方、付き合い方に変化が見られる。)

卓球の再開ムードが醸成されつつある今だからこそ、コロナ禍における卓球について事実関係を整理しながら、「卓球の再開」について考える。

特集「卓球の再開を考える」〜Table Tennis with COVID19〜 記事テーマ一覧(9月公開予定)

・卓球界の一時活動中断と再開の実態
・卓球名門校はどう部活を再開したか?
・コロナに立ち向かう卓球場は今
・コロナ禍で進化した卓球アスリートのYoutube活用
・卓球界を活気付けた実業団選手の在宅スーパープレイ
・ウィズコロナ時代の卓球グッズ 他

(企画協力:慶應義塾大学卓球部)