写真:ローマの卓球チーム「KingPong」のメンバー/提供:KingPong
卓球×エンタメ 【卓球・現地ルポ#イタリア編】古都・ローマの強豪チームを直撃 イタリアのアマチュア卓球事情を探る
2019.03.12
文:澤竹正英(ラリーズ編集部)
世界中の卓球人気を探るべく、現地に飛び入り、事情を探る「卓球現地ルポ」。
今回はイタリアの首都・ローマにある卓球チーム「KingPong」にお邪魔した。7歳から81歳まで100名以上が所属するイタリア有数の卓球クラブだ。
18歳以下の国内ランキングは5位、マスターズのランキングは2位につけており、2018年のイタリア国内選手権ではカデット男子団体で優勝、カデット男子シングルスでは銅メダル獲得。女子ミニカデットシングルスで準優勝を飾っている。また、年代別ダブルスでは4種目で優勝するなど、高い実績を誇る。
イタリアはミハイ・ボボチーカが有名選手であるものの、どこまで卓球が浸透しており、アマチュアレベルではどこまで強いのか。イタリアの卓球事情を探ってきた。
180cm超えは稀じゃない 恵まれた体格を活かした欧州卓球
動画:練習の様子。レギュラー選手はこの日欠席していたようだ。/撮影:澤竹正英(ラリーズ編集部)学校や会社が終わった18:00ごろ、練習場まで案内された。普段の練習は月曜から金曜日の17:30~22:00まで、ジュニアのシニアの練習が一緒の練習場で行われている。欧州では、日本と違い、基本は土日の練習がないそうで、休みの日に練習があることを話すと驚いていた。
練習場は学校の体育館のようで、比較的広く、台も10台ほど並べられている。軽い縄跳びトレーニングとストレッチのあと、早速練習開始。今回はジュニアの練習に混じらせてもらったのだが、まず驚いたのが、彼らの体格の良さだった。
右から2番目が筆者であり、左から1番目と2番目がジュニアの選手だ。彼ら二人は張本と同世代だという。おそらく高校生くらいであろう。筆者は身長が177cmと決して低い方ではないものの、彼らは有に追い越している上にがっちりしている。
ラリーには比較的自信のある筆者(オープン戦で一度ベスト8に入賞したことがある程度で、中の下程度の実力であることをご承知おきいただきたい)であったがパワフルで、安定感のあるラリーを展開する彼らに打ち負けてばかりだった。
コーチの1人が話しかけてきた「日本は強いよね。ワールドツアーでも、イタリアで本戦に勝ち抜ける選手は3~4名いればいいほうだけど、日本では20人出ることも稀じゃない。加えて、中堅のレベルでも強い選手がたくさんいるからすごいよね」と絶賛していた。
しかし、イタリアではトップレベルのチームであるKing Pongの選手も負けていないと筆者は感じる。日本のような高速卓球を展開する選手こそあまりいないものの、恵まれた体格を活かした欧州らしいプレーをする素晴らしい選手が数多く居た。
写真:強烈なバックハンドを食らう筆者(奥)/撮影:澤竹正英(ラリーズ編集部)
イタリアは日本に比べれば実力差がある国ではあるものの、卓球というスポーツが老若男女関わらずできるということは変わらないし、日本と同じように上を目指し、日や汗を流す選手たちの姿がそこにあった。
番外編・スイスの町並みに溶け込むオシャレな卓球台
筆者はイタリアの他に隣国スイスに足を運んだ。ここでも、思わぬ場所で卓球との出会いがあった。
スイスの首都、チューリッヒの美しく、洗練された街並みを散策していた際に、公園に立ち寄った時のこと。公園の真ん中に、見かけたことのあるものが…
写真:チューリッヒの公園内にあった2台の卓球台/撮影:澤竹正英(ラリーズ編集部)
なんと、卓球台があるではないか。近寄ってみてみると、石で作られた台に、鉄のネットが取り付けられている。ラケットやボールが置いてあるわけではないので持参しなければ行けないものの、スイスの公園に卓球台があることが意外であった。
そして、その公園を離れ、再び街歩きに戻ると、またまた、公園の中に卓球台を発見。すでに日没後で公園は閉まっていたが、石製の卓球台がまたも佇んでいた。
写真:チューリッヒの町中に溶け込む卓球台/撮影:澤竹正英(ラリーズ編集部)
スイスは決して卓球強豪国ではないが、卓球は国境を越え、世界で愛されていることを再確認できた。