【卓球】今年1番すごかったラリーはどれだ? ラリーズ厳選名ラリーランキング2018 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

*写真:張本智和(JOCエリートアカデミー)/撮影:千葉格(アフロ)

卓球×SNS 【卓球】今年1番すごかったラリーはどれだ? ラリーズ厳選名ラリーランキング2018

2018.12.30

文:ラリーズ編集部

2018年もあと数日。この一年、卓球界でも数え切れないほど多くのニュースがあった。そして、多くの人が卓球を見て感動し、卓球は確実に人気スポーツになった一年とも言えるのではないだろうか。

そんなエピックな年であった2018年だが、プレーの面でも多くの名ラリーが生まれた。ラリーズ編集部では、数々の大会から、名ラリーを10個厳選し、ランキング付するとともに、編集部の一言を加えた。昨日アップされた「打線組んでみた」と合わせて、今年の素晴らしいラリーを背景とともに振り返ってみてほしい。

ラリーズ厳選 名ラリー集2018

第10位:ITTFワールドツアージャパンOP予選 及川瑞基 vs 黄民河


写真:及川瑞基/撮影:伊藤圭

国内で開催されるワールドツアージャパンオープンで、大学生の実力者・及川瑞樹が魅せた。黄民河の攻撃に対して、ロビングの苦しい展開を迫られるも、果敢な反撃を披露した及川。しかしながらフォアサイドに寄りすぎてしまい、バック側を狙われてしまう。ここで普通ならバックで対応するが、及川は強靭なフィジカルでなんと回り込んでフォアハンドでさらに攻撃を重ねる。するとどんどん回り込んでいき、ついにはバックサイドの端の端まで到達し、得点を上げた。コートを縦横無尽に駆け回った。

第9位:11/18Tリーグ KM東京ー琉球 3番 大島祐哉 vs 丹羽孝希


写真:大島祐哉(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部

「あの1点が流れを変えた」大島がそう振り返ったラリーがこちら。

Tリーグの独自ルールで6-6からスタートする最終ゲーム。この最初の1点がスーパーラリーになった。大島が攻めきると思いきや、丹羽が引き返すというラリー展開が続いた。丹羽のカウンターが大島のバックハンドに刺さったかと思われたが、大島が見事な反応で返球すると、丹羽のスマッシュがオーバー。粘りきった大島の気迫のポイントになった。

第8位:世界卓球2018 荻村伊智朗メモリアルマッチ 張本智和 vs トルルス・モアガド


写真:トルルス・モアガド(スウェーデン)/撮影:ittfworld

世界卓球2018ハルムスタッド大会、その開幕前に、日本とスウェーデンの外交150周年を記念して行われた「荻村伊智朗メモリアルマッチ」。その団体戦の中で、日本の若きエース・張本智和とスウェーデンの次世代を担うトルルス・モアガドの一戦が行われた。二人は後にユース五輪でも対戦し、張本が敗戦するなど、ライバル同士だ。そのモアガドが“魅せた”一球がこちらだ。

張本がモアガドのミドルを突き、モアガドを後ろに下げさせる。そして、機を見て張本が得意のドロップショットで前に落とす。これは間に合わないと誰もが確信したが、モアガドは驚異的な反応を見せ、ドロップショットを見事にスマッシュ。地元スウェーデンの観客は大盛り上がりであった。

第7位:ITTFカタールOP男子ダブルス決勝 水谷隼/大島祐哉 vs 樊振東/許キン


写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:千葉格(アフロ)

全日本でも優勝経験のある日本男子屈指の名ペア、水谷隼と大島祐哉ペアが見事決勝に勝ち残った。対戦相手は最強・中国の樊振東/許キンペア。水谷/大島の実力を持ってしても、中々刃が立たず、ゲームカウント1-2,10-11とマッチポイントに追い込まれる。樊振東のサーブから許キンが先手を取り、中国ペアの猛攻が始まる。しかし水谷/大島も負けられない。水谷が台に張り付きカウンター、大島は台から下がり高い身体能力を活かし、パワーボールを叩き込む。両ペア譲らないアクロバティックすぎる15球ものラリーは水谷/大島に軍配があがり、見事マッチポイントをしのいだ。

第6位:11/25Tリーグ KM東京ー岡山 2番 張本智和 vs ?田雅己


写真:張本智和(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部

Tリーグ個人成績トップを走る張本智和と、実力者・?田雅己の対戦で生まれたラリーがこちら。マッチポイントを握った張本は、?田のチキータを防ぐべくフォア前にサービスを出した。しかし、予想とは裏腹に?田は高速フリックで張本の体制を崩す。甘くなったボールを狙い、?田は定石通りにミドルへスマッシュを放った。普通はこれで?田のポイントになるが、簡単には点を取らせないのが張本智和。窮屈な体勢から、空いたコースに見事なハリパンチを炸裂させた。

第5位:12/3Tリーグ 琉球ーKM東京 3番 丹羽孝希 vs 松平健太


写真:丹羽孝希(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

Tリーグの中でもセンス溢れるプレーに定評がある丹羽孝希と松平健太による対戦カードが実現した。松平が得意のバックハンドでの攻撃を放つと、丹羽も得意のカットブロックで対応。しかしこのカットブロックが甘くなり、松平がスマッシュを叩き込む。すばやく下がった丹羽が、高々と上がったロビングで返球することに成功し、そこから2連続の逆襲でポイントを奪い、観客に興奮を与えた。

第4位:ITTFオーストラリアOP女子シングルス決勝 丁寧 vs 劉詩ブン


 写真:丁寧(中国)/撮影:ittfworld

オーストラリアOP決勝。現・世界女王の丁寧に挑むは、丁寧の長年のライバル・劉詩ブンだ。世界卓球2015・女子単決勝の二人の死闘を思い出す方も多いのではなかろうか。この試合はゲームカウント2-2、丁寧リードの10-6と大事なゲームポイントを丁寧が握る。

なんとしてもここをしのぎたい劉詩ブンはラリー序盤から早い打点で丁寧のバックを何度も攻めるもそれをあれよあれよと返球する丁寧。劉詩ブンが手足の長い丁寧の数少ない弱点であるミドルを狙うも、丁寧はあざやかすぎる体捌きでこの決定打をまたも返す。最後は粘りきれなかった劉詩ブンがミスし、丁寧がこのゲームを奪取した。プラチナ大会にふさわしい、世界最高峰のラリーを垣間見ることができた。

第3位:ITTFワールドツアーブルガリアOP決勝戦 松平健太 vs 許昕


写真:松平健太(木下グループ)/撮影:松尾(アフロスポーツ)

張本を下して決勝戦まで勝ち上がった松平健太が魅せた。数々のスーパーラリーを輩出してきた許昕を相手に、高速ラリーで立ち向かう。許昕の伸びるボールに対応しきれず、松平はラケットの角にボールを当ててしまったが、このボールが運良くコートに入った。ここから高いロビングを挟み、松平の逆襲がスタート。フォアで引き返した後に、全力で前進。そして「待ってました」と言わんばかりに、鮮やかなバックハンドカウンターを決めて走り去り、そのままタオルタイムをクールに決めた。

第2位:ITTF中国OP 男子シングルス ティモ・ボル vs 梁靖崑


写真:ティモ・ボル(ドイツ)/撮影:アフロ

“ドイツの皇帝・大ベテランのティモ・ボルが中国OPで相対したのはオーストリアOP優勝、今年の中国のブレーキングスターと言っても過言ではない梁靖崑だ。梁靖崑のマッチョな肉体から放たれる重いボールに終始守りに徹するボル。このラリーも梁靖崑の高速バックハンドがボルの大きく空いたフォアサイドを貫こうとしていた…が、ここからが見せ所。

フォアサイドのボールに飛びついた後、空いたバック側に打たれたボールに対して、間に合わないと判断したボルはラケットを持ち替えた…ん?それで打てるの?と思うものだが、ボルはすごくいいボールを当たり前のように打っている。そして、最後は不思議なほどサイドスピンのかかったドライブを打ち、梁靖崑はこれに対応できずミス。

なんだこれは…高等テクニックのオンパレード。しかもこれをプラチナ大会の中国OPという大舞台でやってのけてしまうティモ様に脱帽の一球であった。”

第1位:アジアカップ5-6位決定戦 丹羽孝希 vs 張本智和


写真:丹羽孝希(スヴェンソン)/撮影:ITTF(アフロ)

アジア最強を決めるアジアカップ。5-6位決定戦で日本男子を牽引する張本智和と丹羽孝希が対戦した。日本のエース同士の対決は、張本がゲームカウント3-1とリードし、丹羽が追い込まれてしまう。しかし、第4ゲーム、丹羽が起死回生の一球を放つ。

丹羽の得意技、カットブロックが張本のフォアサイドを切るように入り、張本は繋ぐのみの甘いボールに。丹羽はそれを決めにかかるが張本のカウンターを喰らい、台から離れる劣勢に。張本が思い切り踏み込んだフォアハンドドライブでポイントか…と思われたが、丹羽が後陣から大胆にもバックハンドを振り、それが決定打に。世界トップレベルのカウンターの応酬に会場が沸いた。

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These guys are simply too good at #TableTennis!

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