卓球動画 【卓球動画解説】五十嵐史弥(早稲田大)vs一ノ瀬拓巳(中央大)|今日の1試合
2019.09.08
文:ラリーズ編集部
福原愛、水谷隼、丹羽孝希ら日本のトップ選手を輩出し一時代を築いた青森山田中・高を14年間に渡って指導した名将・板垣孝司氏。
その板垣氏がトップ選手から年代別、ジュニア選手まで幅広い試合動画について両選手の特徴、勝敗を分けたポイントを語る。
今回は、2019年春季関東学生卓球リーグ戦 男子1部の「五十嵐史弥(早稲田大)vs一ノ瀬拓巳(中央大)」。
両選手の特徴
青森山田中〜遊学館高校〜早稲田大学と日本のトップチームの主力として活躍し続けている五十嵐選手。令和元年の関東学生卓球選手権男子シングルスを制し、2019 ユニバーシアード日本代表にも選ばれた現在最も勢いのある学生の一人です。
両ハンドのカウンタープレーを中心にしながら恵まれた体格から放たれるフォアドライブは破壊力があります。
茨城県日立市から青森山田中学校に入学した当時は体も小さく、同級生(三部・及川・高橋)の中で一人だけ全国大会での成績が出なかった一ノ瀬選手ですが、黙々と練習を重ね高校3年生のインターハイでは団体優勝・シングルスでベスト8と活躍してくれました。
そして大学進学後はドイツでプレーしたり単身スペインリーグに参加するなど、自分の教え子ながら「一ノ瀬にこんなに行動力があったのか」と感心しています。打球点の速いプレーが信条ながら大きなラリーでも戦えるようになってきてスケールが大きくなってきました。
>>五十嵐選手が出場した2019ユニバーシアードの結果はこちら!
見どころ
両選手ともに青森山田に在籍していましたが学年が違うのであまり一緒にボールを打ってはいなかったと思います。先輩・後輩ではありますが、私の前では初対決なのですごく楽しみな試合です。両選手ともにここ数年で大分力を付けていますので。
勝負を分けたこの1本
※ページトップと同一の試合動画について、再生開始箇所を調整してお送りします。
第4ゲーム9対7での一ノ瀬選手のミドルへのツッツキレシーブです。
バックハンドで先手を取る技術に秀でている五十嵐選手に対し、第1ゲームは「完璧なレシーブをしなければ」と難しいレシーブにこだわり直接台上のミスをしていた一ノ瀬選手ですが、第2ゲームからは「難しければまずは低く深くレシーブしていく」ことに作戦を変えたと思います。
その結果、極端にレシーブミスが減り「先手を取れるサーブが来ているのか、一旦守らなければならないサーブが来ているのか」の判断が良くなりました。この場面では両ハンド攻撃タイプが打球点を落としやすいミドルに落ち着いてツッツキレシーブ。確実なバックブロックからラリーを組み立てていました。ナイス判断です。
板垣’s EYE
両者の真剣勝負を初めて見ました。凄く強くなっていて本当に嬉しく思います。試合内容もナイスゲームでした。一ノ瀬選手は海外のリーグでもプレーしているので、ボールの落とす場所を五十嵐選手より知っていると感じましたが、五十嵐選手もまだまだ伸びしろがあると思います。両選手のさらなる飛躍を期待します!
試合情報
大会名:2019年 春季 関東学生卓球リーグ戦 男子1部 第2戦
選手名:五十嵐史弥(早稲田大)vs一ノ瀬拓巳(中央大)
試合結果:五十嵐 2-3 一ノ瀬
>>卓球動画を徹底解説~2019年春季関東学生卓球リーグ戦 男子編~|今日の1試合
映像提供:LaboLive
監修協力:Shakehands