競技レベル急上昇の神奈川 キラリと光るジュニア選手たち<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 神奈川県予選会> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)神奈川県予選会の様子/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー 競技レベル急上昇の神奈川 キラリと光るジュニア選手たち<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 神奈川県予選会>

2024.07.14

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1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
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<全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)神奈川県予選会 5月3日(金)川崎市多摩スポーツセンター>

今年、神奈川県卓球協会は100周年を迎える。
かつて、神奈川は実業団王国であった。日産自動車、武田薬品工業はじめ幾つもの企業卓球部が、神奈川県の競技レベルを牽引した。

現在は、木下グループが川崎市にTリーグ男女チームの拠点を構え、アカデミーの運営も行う。木下アカデミー生やJOCエリートアカデミー生など、日本トップレベルの中学生が在籍する星槎中学校も、横浜市にある。

今後の卓球ジュニア世代の行方を象徴する県域エリアの全農杯全日本ホカバ県予選を取材した。


写真:カブ女子1位の新井想来(丸子橋卓球スタジオ)/撮影:ラリーズ編集部

神奈川卓球レベルの急上昇

「いま、神奈川県の卓球が急激に変化している」。

そう、神奈川県卓球協会副会長の河原智さんは語る。


写真:神奈川県卓球協会副会長の河原智氏/撮影:ラリーズ編集部

「嬉しい悲鳴でもあるんですが、木下グループさんの卓球拠点も川崎にあり、星槎中学校は去年全中で初出場初優勝したりしています。いま、神奈川県のレベルが急激に上がっているので、例えば全国2位の横浜隼人高校でも、県予選がわからないくらいです」

それによって何が起こりうるのか。

「いま、神奈川県は県別の日本卓球協会登録人口1位で、その大半は中学生、高校生です。そこが減ってしまうことを我々は心配しています。もちろん神奈川の競技レベルが上がること自体は嬉しいことなので、普及も含めた全体像を見て、日本卓球協会が気配りや救済策も考えてほしいと思っています」。

“地方の雄”神奈川県が故に、部活動改革をはじめとした今後の日本の地域スポーツが乗り越えていく未来と課題にも、先に直面している。


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 神奈川県予選/撮影:ラリーズ編集部

武山紗子「実は緊張していた」

さて、神奈川県予選だ。

多くの有力クラブや熱意のある指導者たちが見守るなかで、子どもたちは生き生きとプレーしていた。


写真:三田村宗明氏(リトリキングス代表)/撮影:ラリーズ編集部


写真:新井卓将氏(丸子橋卓球スタジオ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:三木朋子(岸田クラブ)/撮影:ラリーズ編集部

ハイレベルな神奈川県予選の中でも、とりわけ落ち着いた試合運びを見せていた、ホープス女子1位の武山紗子(相模原ジュニア)。昨年の全日本ホープス女子の部でベスト16入りを果たしている。

「実は、予選の1週間前くらいから緊張していました」と明かしながらも、“今年の目標は、まずはベスト8”と、全日本までに課題の克服を誓った。


写真:武山紗子(相模原ジュニア)/撮影:ラリーズ編集部

ホープス男子は兄弟対決

ホープス男子の順位決定リーグでは、優勝決定戦は、今福瀧司(ソウジ)・櫂司(カイジ)(どちらも岸田クラブ)、5年生と6年生の兄弟対決となった。


写真:兄・今福瀧司(岸田クラブ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:弟・今福瀧司(岸田クラブ)/撮影:ラリーズ編集部

ゲームカウント3-2で勝利した兄は「今まではずっと3-0で勝っていたのに、急に弟が強くなってきた。絶対負けたくなかった」と、弟の成長に目を見張った。

敗戦後、肩を落とす弟・櫂司を労りながら「今後も二人で高め合って強くなって欲しい」と二人をねぎらう父の姿があった。


写真:試合終了後の今福兄弟/撮影:ラリーズ編集部

神奈川における卓球指導卓球場の先駆け

兄弟で言えば、カブ男子2位の茂田翔紀(たなかクラブ)、バンビ男子1位の茂田悠稀(たなかクラブ)も、今後の成長を期待させるスケールの大きなプレーで、全日本ホカバへの切符を勝ち取った。

小田原市のたなかクラブ代表・田中昇さんは、かつて神奈川県内で指導専門の卓球場を作った先駆けでもある。この日も子どもたちをベンチから優しく見守っていた。


写真:3人が全日本ホカバへの切符を勝ち取った、たなかクラブ/撮影:ラリーズ編集部

優勝副賞「やまゆりポーク・やまゆり牛セット」

さて、神奈川県予選ホープス男子では代表4枠すべてを勝ち取った岸田クラブに、後日お邪魔して副賞の食材を食べる子どもたちを取材した。


写真:岸田クラブの子どもたたち/撮影:ラリーズ編集部

神奈川県予選の優勝者には副賞として「やまゆりポークしゃぶしゃぶ500g」、「やまゆり牛肩ローススライス500g」が贈られる。その名はやまゆりのように白くてきれいな脂肪を持つことに由来する。


写真:やまゆり牛500g/撮影:ラリーズ編集部

「和牛のように上質な牛肉をお手軽に」食べられるやまゆり牛は、神奈川県産のブランド牛肉で、柔らかくて風味のある赤身と上質な脂質が特徴だという。

表彰式直後は“独り占めしたい”と笑っていた入賞者も、「柔らかいね」と味わいながら、みんなで分け合って食べるのだった。


写真:「やまゆり牛肩ローススライス500g」/撮影:ラリーズ編集部

続いて食した、県内8戸の指定農場で飼料と衛生管理にこだわって育てられた「やまゆりポーク」のしゃぶしゃぶにも、子どもたちの箸は止まらなかった。


写真:やまゆりポークしゃぶしゃぶ500g/撮影:ラリーズ編集部


写真:「やまゆりポークしゃぶしゃぶ500g」/撮影:ラリーズ編集部

神奈川県産みかん100%ジュース「みかん畑」

2位と3位入賞者の副賞は、神奈川県産みかん100%ジュース「みかん畑」である。

一つ一つ皮をむいて果汁を搾って容器に詰めた、香料・甘味料等を一切使わないジュースは、どこか懐かしく、しかし本格的なみかんの味わいだった。


写真:神奈川県産みかん100%ジュース「みかん畑」/撮影:ラリーズ編集部


写真:神奈川県産みかん100%ジュース「みかん畑」を飲む/撮影:ラリーズ編集部

「“あなたが頑張って獲ったのよ”って子どもたちに言えるので、指導者としても大歓迎です」

子どもたちの様子を見守る岸田クラブ代表の三木朋子さんも、県内農畜産物が子どもたちに提供される、全農の47都道府県の協賛に感謝していた。


写真:子どもは乾杯が大好きだ/撮影:ラリーズ編集部

神奈川県予選会 結果

※各カテゴリー上位3名が神奈川県代表、ホープス男子のみ上位4名が代表

ホープス男子

1位 今福瀧司(岸田クラブ)
2位 今福櫂司(岸田クラブ)
3位 濱田峻(岸田クラブ)
4位 村守結仁(岸田クラブ)


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 ホープス男子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

ホープス女子

1位 武山紗子(相模原ジュニア)
2位 三木梢愛(岸田クラブ)
3位 岸田美音(岸田クラブ)


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 ホープス女子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

カブ男子

1位 神保和悠(R&M)
2位 茂田翔紀(たなかクラブ)
3位 加藤史也(リトルキングス)


写真:神保和悠(R&M)/撮影:ラリーズ編集部


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 カブ男子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

カブ女子

1位 新井想来(丸子橋卓球スタジオ)
2位 鈴木愛梨(岸田クラブ)
3位 森本潤(MDttl)


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 カブ女子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

バンビ男子

1位 茂田悠稀(たなかクラブ)
2位 倉田東弥(VIRGO)
3位 吉野明琳(たなかクラブ)


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 バンビ男子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

バンビ女子

1位 森本夏愛(木下卓球アカデミージュニア)
2位 村守夏帆(岸田クラブ)
3位 鈴木梨楓(岸田クラブ)


写真:森本夏愛(木下卓球アカデミージュニア)/撮影:ラリーズ編集部


写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会神奈川県予選 バンビ女子入賞者/撮影:ラリーズ編集部

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特集「ふるさとホカバ2024」