専業指導者たちが切り拓いた岡山の卓球ジュニア育成の現在地<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 岡山県予選会> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岡山県予選会の様子/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー 専業指導者たちが切り拓いた岡山の卓球ジュニア育成の現在地<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 岡山県予選会>

2024.07.13

この記事を書いた人
1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

<全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岡山県予選会 4月27日(土)岡山県総社市きびじアリーナ>

岡山県。指導者の数もレベルも揃った地域である。
全農杯全日本ホカバの岡山県予選、開会式前の小学生たちのラリーのレベルも高い。


写真:カブ男子1位の松山佳聖(Y.Y LINK)/撮影:ラリーズ編集部

関西、就実、山陽学園と、伝統と実力を兼ね備えた強豪校が存在することも、岡山県の特徴だ。

岡山県卓球協会副理事長の丸川真一さんは、18年前、岡山県で初めて卓球指導を専業にして、卓球クラブ「TCマルカワ」を創設した。
2024年全日本ジュニア女子準優勝の面手凛選手をはじめ、多くの有望選手を岡山から輩出する、ジュニアの名門クラブとなった。

「岡山で卓球選手を育てたかったんです。僕自身も高校生の頃、地元のクラブチームで習って衝撃を受けたので」。


写真:丸川真一(TCマルカワ代表)/撮影:ラリーズ編集部

専業の指導者が続いた

その後、ねや卓球クラブの祢屋康介さんら岡山県出身の卓球人も、卓球指導専門の卓球場を開いていく。専業で指導を行うことで、夏休みなどの学校がない時期に、より多くの練習時間を子どもたちに割ける。日中別の仕事をしていればできなかったことだ。

指導者たちの「岡山でスケールの大きな選手を育てたい」という願いと挑戦に応えるように、保護者も協力を惜しまない。電車で通える都市部と違い、車での卓球場送迎が基本となる地域だからだ。

指導者・保護者・子どもが三位一体となった環境で、岡山県の子どもたちの卓球は育てられている。


写真:横山友一(Y.Y LINK代表)/撮影:ラリーズ編集部


写真:カブ女子1位の 氏平結菜(T.C マルカワ)/撮影:ラリーズ編集部

涙のバンビ男子決勝リーグ

と言いつつ、まだ子どもは子どもだ。

予選リーグを1位通過してきた4人にもかかわらず、全国大会への出場(3人が出場)を懸けたバンビ男子決勝リーグは、誰が泣かずにプレーできるか、我慢の戦いとなった。


写真:兄弟対決も制して男子バンビ1位となった氏平凌雅(T.C マルカワ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:弟・氏平尚志(T.C マルカワ)は兄との試合で号泣/撮影:ラリーズ編集部


写真:バンビ男子2位の白神佳惺(アールクラブ)も泣いた/撮影:ラリーズ編集部


写真:3位で代表入りを掴んで泣いた桐野羚央(VICTORY)/撮影:ラリーズ編集部

落ち着いて試合をすること、普段通りのプレーをすることが、とりわけバンビ世代の子どもたちにとってどれほど難しいことか。

そしてそれを導く指導者たちの気遣いや、もどかしさが手に取るようにわかるのだった。


写真:3人の子どもたちが出場した氏平・母/撮影:ラリーズ編集部

指導者は子どもの意識づけをする役目

「どういうふうに意識づけをするかが僕ら指導者の役目なんです」TCマルカワ代表の丸川さんは言う。

「技術を細かく教えるというより、子どもたちが“やりたい”という状態をどう作れるか、その材料をどれだけ用意できるか。子どもは吸収が早いので、やる気になったら、ああだこうだ言わなくてもやってくれますね」


写真:カブ女子1位 柴田萌々(T.C マルカワ)/撮影:ラリーズ編集部

そこに、この全農杯全日本ホカバという大会の意義も感じている。

「子どもの意識が変わりますよね。岡山県代表になれた、全国大会に行ったら少しでも上に行きたい。生で強い同学年の子を見て、あんなプレーができるんだと、子どもの意識に、栄養が入ってきます」


写真:ホープス男子1位の水島吏譜(ピンポン津山)/撮影:ラリーズ編集部

土台作りを大切にする時期

一方で「スケールが大きく、将来性のある選手の育成」を心がけてきた丸川さんだからこそ、ジュニア育成の留意点も挙げた。

「小学生の頃から結果を求めすぎると、試合で勝つ方法に意識が行き過ぎて、基礎力の土台づくりがおろそかになる傾向があります。あと、試合が多すぎると、楽しかったはずの卓球が、なぜ毎回苦しい思いで試合をしなきゃいけないの、と、子どもが途中で挫折してしまうおそれがあります」

自分の目標を決めて、それをクリアするために、卓球の練習も含めた日々の生活の中で壁を超えていくこと。“人間的な成長がないと、強くなる道も結局どこかで止まってしまうので”、穏やかに丸川さんは子どもたちを見つめた。


写真:丸川真一(TCマルカワ代表)/撮影:ラリーズ編集部


写真:開会式/撮影:ラリーズ編集部

“ぼっけぇ”副賞・おかやま和牛肉1kg

さて、この全農杯全日本ホカバは、47都道府県予選すべてに全農が協賛していることも、特徴のひとつだ。そのおかげで、それぞれのご当地が誇る国産農畜産物が副賞として贈られる。

岡山県予選会で5人(+推薦1人)の代表枠を勝ち取った、ねや卓球道場に大会翌日にお邪魔し、副賞の食材を用いた“BBQ”の模様を撮影した。

「ずっとみんなでBBQやりたいねと言っていたので、良い機会になりました」創設14年目で初となった“敷地内BBQ”に、祢屋康介代表が笑った。


写真:ねや卓球道場で副賞食材でBBQ/撮影:ラリーズ編集部

“ぼっけぇ”副賞・和牛肉1kg

岡山県予選は、副賞が特に奮っていた。
優勝者に贈られる副賞『おかやま和牛肉 ぼっけぇ盛り 肩ロース焼肉用』は、なんと1kgである。


写真:おかやま和牛肉 ぼっけぇ盛り 肩ロース焼肉用/提供:JA全農

「おかやま和牛肉は、“竹の谷蔓(たにつる)”という良質なお肉ができるルーツを持ち、他のブランド牛のように名前は通っていませんが、味はそれらに負けずに美味しいのが特徴です」

実はご自身も卓球愛好家の、JA全農おかやま・伍賀弘県本部長は胸を張る。


写真:JA全農おかやま・伍賀弘県本部長/撮影:ラリーズ編集部

“ぼっけぇ”は岡山弁で“すごい”の意味で、確かに1kg、迫力のボリュームである。


写真:おかやま和牛肉 ぼっけぇ盛り 肩ロース焼肉用:撮影:ラリーズ編集部

「和牛肉となると、記念日やお祝いによく食べられるかと思いますが、例えば今日の試合後に“よく頑張ったね”と、ご褒美として食べていただけると良いですよね」

JA全農おかやまの伍賀さんが想像するように、和気あいあいとお肉を頬張る子どもたちだった。


写真:BBQを楽しむ、ねや卓球クラブの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部

2位の副賞・とんトン豚(とん)

2位の副賞は『ピーチポーク♪とんトン豚(とん) 生姜焼きセット 600g』である。こちらも子どもたちにとても好評だった。

JAタウンでも人気商品だというこちらの豚肉は、岡山の温暖な気候と豊富な水、こだわりの飼料で育てられた「安心・美味しい・柔らかい」肉だという。


写真:ピーチポーク♪とんトン豚(とん) 生姜焼きセット 600g/提供:JA全農

ちなみに、その不思議な名前は、公募で決まったネーミングで“美味しい・安心・柔らかい”三拍子揃ったお肉であることを表現しているという。


写真:お肉、美味しい/撮影:ラリーズ編集部

保護者の皆さんが持ち込んだ炊飯器がフル稼働

3位の副賞は、岡山県産米「きぬむすめ 5kg」である。「お米の食味ランキング」最高の特Aを岡山県で初めて獲ったお米で、8年連続で特Aを取り続けている「きぬむすめ」は、歯ごたえもあって甘みもある美味しさが特徴だという。


写真:岡山県産米「きぬむすめ 5kg」/提供:JA全農

子どもたちの数が多い、ねや卓球クラブの子どもたちのために保護者のみなさんも炊飯器を持ち込み、午前練習の間におにぎりを握った。

結果、5kgの「きぬむすめ」がすべておにぎりに。


写真:炊飯器がフル稼働して/撮影:ラリーズ編集部


写真:保護者のみなさんがおにぎりを握る/撮影:ラリーズ編集部


写真:お米5kg分のおにぎり/撮影:ラリーズ編集部


写真:練習後はさらに美味しい/撮影:ラリーズ編集部


写真:まだお肉食べたい人じゃんけん/撮影:ラリーズ編集部


写真:大人もお肉じゃんけん、楽しそう/撮影:ラリーズ編集部

前日の予選会での厳しい表情が嘘のように、子どもも大人も一様に楽しそうだ。

岡山の温暖な気候の恵みに祝福されているようだった。

ーー

岡山県予選会 結果

※推薦及び各カテゴリー上位3名が岡山県代表

ホープス男子

1位 水島吏譜(ピンポン津山)
2位 岩野照太郎(ねや卓球クラブ)
3位 田口智仁(ピンポン津山)


写真:ホープス男子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部

ホープス女子

推薦 祢屋楓(ねや卓球クラブ)
1位 柴田萌々(T.C マルカワ)
2位 穴見紗良(ねや卓球クラブ)
3位 藤定心寧(ねや卓球クラブ)


写真:ホープス女子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部

カブ男子

1位 松山佳聖(Y.Y LINK)
2位 村本翔也(Y.Y LINK)
3位 門野進之介(Y.Y LINK)


写真:カブ男子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部

カブ女子

1位 氏平結菜(T.C マルカワ)
2位 髙垣暖(D.ドゥリーム)
3位 祢屋梓(ねや卓球クラブ)


写真:カブ女子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部

バンビ男子

1位 氏平凌雅(T.C マルカワ)
2位 白神佳惺(アールクラブ)
3位 桐野羚央(VICTORY)


写真:バンビ男子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部

バンビ女子

1位 安井莉子(ねや卓球クラブ)
2位 門野さつき(Y.Y LINK)
3位 馬庭來那(T.C マルカワ)


写真:バンビ女子の部入賞者/撮影:ラリーズ編集部


写真:バンビ女子1位 安井莉子(ねや卓球クラブ)/撮影:ラリーズ編集部

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