【卓球の続けかたを考える】学生トップ選手でも"選手の道"は狭き門 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:菅沼湧輝(百五銀行)/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー [PR] 【卓球の続けかたを考える】学生トップ選手でも“選手の道”は狭き門

2022.04.11

この記事を書いた人
1979年生まれ。テレビ/映画業界を離れ2020年からRallys編集長/2023年から金沢ポート取締役兼任。
軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

日本全国で、新生活が始まっています。

新社会人は、今までのように卓球は続けられるでしょうか。
少し距離を置くでしょうか。

当初は「卓球の仕事を選ばなかった学生トップ選手」として、新社会人の菅沼湧輝選手(取材時:明治大学)を取材したのですが、お話を聞いていくと、むしろ、これから増えるだろう「卓球の続けかた」を感じたのでした。

菅沼選手自身も、就職活動時“親身に相談に乗ってもらった”と感謝する、卓求人.com代表の水島大瑚氏と共に「卓球と仕事」について考えました。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

菅沼湧輝の進路

――この春、明治大学を卒業して地元に戻られたんですよね。
菅沼湧輝:はい、地元の三重県の百五銀行に就職しました。
――卓球は続けるんですか?
菅沼湧輝:はい、会社に実業団チームがあるので、そこで続けようと思ってます。

ただ、基本は仕事がメインなので、余った時間を有効に使いながら、練習にうまく充てていく感じだと思います。

――卓球との関わり方は変わるんでしょうか。
菅沼湧輝:そうですね。今までは卓球中心の生活でしたが、これからは仕事でお金も稼いで自分で生活していかないといけないので。

卓球できる時間そのものは限られてくると思います。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

日本リーガーへの憧れ

――ずっと、地元志向だったんですか?
菅沼湧輝:元々は、日本リーグに出たいなって思ってました。2年生の最初のほうは、日本リーグに加盟している実業団を目指していました。
――菅沼選手ほどの実績(全日学複2位)でも、卓球選手として就職するって難しいものなんですね。
菅沼湧輝:今はなかなか、一握りだと思いますね。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

――学生トップ層の中でも、自他ともに“趣味卓球”と認めるほどの菅沼選手ですが、憧れの日本リーガーへの“狭き門”に、途方に暮れたことはないですか。
菅沼湧輝:実際、“この先、卓球できないんだ”と自分で決めつけて、モチベーションが下がった時期もありました。

ただ、そんなときこそ、大会毎の自分の目標を明確にして、そこからはモチベーションが下がることは無かったですね。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

コロナ禍があったからこそ

――菅沼選手の場合、コロナが無ければ、もう少し大会も出られて戦績も上がったかもしれないと思うのですが。
菅沼湧輝:いや、そういう考え方ではなくて、むしろコロナがあったからこそ、4年目に結果が出せたと思ってます。

正直それまでは結果が出てなくて、4年生で全日学ダブルス2位、関東学生でもシングルスベスト16、全日本でもダブルベスト16に入れたのは、コロナ禍の間の過ごし方が良かったんだなって思います。


写真:全日本選手権2022を戦う菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

――どんな過ごし方を。
菅沼湧輝:自分は卓球が好きなので、もう無意識でやってるんですけど(笑)、打てない時期も、YouTubeでずっと卓球の試合見ながら研究してました。

そこが他の人と差がついたところなのかなと。

学生トップ選手の就職活動

さて、そんな学生卓球トップ選手だった菅沼選手も、就職活動には“苦労しました”と振り返ります。その経験は、これから就職活動をする学生卓球選手の役に立つかもしれません。

ここからは、菅沼選手自身も利用した卓求人.comの代表・水島氏にも会話に入ってもらいます。

――水島さん、コロナ禍での学生の就職活動も3年目ですが、今、就活ってどんな状況なんですか?
水島大瑚:緊急事態宣言直後は、企業側も学生さんも混乱がありました。ただ、今ではオンライン選考が一般化して、以前より気軽に様々な企業の選考に参加できるので、効率よく就活ができる面もあると思いますね。


写真:水島大瑚氏(卓求人.com)/撮影:槌谷昭人

――菅沼選手は、なぜ卓求人.comを使ってみようと思ったんですか。
菅沼湧輝:卓球の仕事ができることを期待して、一度話を聞いてみようかなと思いました。

相談してみる前は、企業を紹介されてそこに行きます、というイメージだったのですが、実際は全然違って、紹介されていない企業の応募書類の添削や面接対策まで、水島さんに見て頂いて、すごく助かりました。

無料でここまで親身になってもらえるんだ、と、ちょっと驚くほどでした。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

水島大瑚:なんか、恥ずかしいですね(笑)。
菅沼湧輝:卓球をやっている人だったら、卓球のことを強みに就活をしていくと思うので、その部分を理解してもらいながらできるのが、僕にはとてもありがたかったです。
水島大瑚:菅沼選手なので、卓球関係で3社ご紹介できましたが、菅沼さんご自身は30歳を超えた後のことも考えながら就職活動をされていて、それが今回の地元の銀行という選択になったのかなと思っています。
――最終的には、卓求人.comの紹介ではなく、ご自身で受けに行った地元企業に決めたんですよね(笑)。
菅沼湧輝:はい(笑)。
なのに、それを水島さんに報告したとき、もう、めちゃくちゃ喜んでくれて。

僕は水島さんと一緒に就活をやってきたと思っているので、すごく嬉しかったです。


写真:菅沼湧輝/撮影:ラリーズ編集部

水島大瑚:僕らの取引先であれば企業も喜んでくださるので当然嬉しいですが、本人が納得行く仕事を見つけて、その就職のお手伝いができたなら、それは僕らの紹介であろうがなかろうが、嬉しいことなんです。

やっぱりサポートしていくなかで、感情移入してしまいますしね(笑)。

社会人としての目標は

――最後になりますが、大学時代は目標に向かってやりきった菅沼選手、これからの目標は。
菅沼湧輝:はい。百五銀行では地元に貢献していくことが大事だと思うので、自分で育った地域に少しでも恩返しができるように頑張っていきたいと思います。
――卓球はどんな形で。
菅沼湧輝:仕事以外の時間で、地元クラブや(出身の)大阪桐蔭高校で指導のお手伝いもできればさせてもらう予定なので、いろんな経験が自分自身の選手としての成長に繋がると思っています。

自分がやるしかないっていう気持ちが、強くなるために必要だと思うので、環境に甘えず、やっぱり最終的には、選手として全日本ランク入りを目指したいと思います。

――期待しています。ありがとうございました。
菅沼湧輝:ありがとうございました!


写真:菅沼湧輝(百五銀行)/撮影:ラリーズ編集部

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