リジャイ、何者じゃい? 中国ナショナルチームに13年在籍 劉国梁からは「日中のさらなる交流を」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:リジャイ(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー リジャイ、何者じゃい? 中国ナショナルチームに13年在籍 劉国梁からは「日中のさらなる交流を」

2022.09.21

この記事を書いた人
1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

語尾のダジャレ感など寄せつけない、圧巻の開幕デビュー戦だった。

9月10日、Tリーグ開幕戦女子。
石川佳純(木下アビエル神奈川)と息つまるラリー戦を展開、石川にストレートで勝利して2,000人を超える観客の度肝を抜いた、李佳燚(リジャイ)。


写真:リジャイ(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

…うん、いや、何者?

1994年1月8日生まれの28歳。遼寧省出身。

うん。もっと頂戴。

昨年まで中国ナショナルチームに在籍していたというリジャイについて詳しく知るべく、日本生命レッドエルフの岸田聡子監督と、リジャイ本人に話を聞いた。


写真:岸田聡子監督(日本生命レッドエルフ/写真左)/撮影:ラリーズ編集部

2021年全中国運動会で団体優勝

――まずは岸田さんにお伺いします。リジャイ選手はこれまでどういう戦績の選手なんでしょうか。
――2021年の全中国運動会で、王藝迪らと共に遼寧省代表で出場して、団体優勝​​しています。

ワールドツアーU-21での優勝や、2017年ハンガリーオープンで陳幸同と組んだ女子ダブルスでも優勝していて、中国世界予選会12強大会に出場したり、中国超級リーグでは丁宁や王曼昱に勝ったこともありました。


写真:2017年ハンガリーオープンで優勝した陳幸同/リジャイ(写真左)ペア/提供:ittfworld

真似できないボールタッチ

――開幕戦での強さに圧倒されましたが、岸田さんから見て、どういうプレーが強みの選手ですか。
――まず、サービスがうまいです。そして、ボールタッチが日本人にはなかなかない素晴らしいものを持っていて、年齢関係なく、どういう状態でも力を発揮できるので、そこは真似できないところですよね。

もちろん、その感覚を持つまでには、小さい頃からずっと練習を積み重ねてきたからこそだと思いますが。

――リジャイ選手、あのボールタッチは天性のものですか、それとも練習で身につけたものですか。
――そう言って頂いてありがとうございます(笑)。小さい頃からたくさん練習していくなかで身についてきたものだと思います。


写真:リジャイ(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

日本好きだったから話が早かった

――岸田監督、以前からリジャイ選手の獲得を考えていたんですか。
――2019年頃から本格的に考えていました。

リジャイは小さい頃から日本の文化に触れていたので日本が好きでしたし、私と彼女は15年くらい前から交流がありました。

――お、リジャイ選手、なぜ日本が好きだったんですか。
――14歳で、福原愛さんの練習パートナーとして初めて日本に来ました。

日本で行われた国際大会も出ましたし、自分の先輩(李佳、文佳、常晨晨)も日本生命にいましたので、日本にも、日本生命レッドエルフにも、とても親近感を感じていました。

日本の焼肉は特別

――特に、日本の何が好きですか。
――食べ物です。福原さんの練習パートナーのとき、青森、北海道、沖縄などいろんなところに連れて行ってもらって、一緒に食べたものがとても美味しかった記憶があります。

日本生命レッドエルフでも、長く活躍して、日本のいろんな場所に行って美味しいものを食べたいです(笑)。

――現時点で、一番好きな日本の食べ物は何ですか。
――焼肉です。美味しい焼肉には、中国と日本で違いがあります。

中国の美味しい焼肉は、羊の串焼き等の串で焼くものが多く、日本の焼肉のような感じとは違います。日本式焼肉は肉が柔らかくタレも特別だと思います(笑)。


写真:念のため、焼肉写真もどうぞ/提供:フリー素材

中国ナショナルチームに13年間在籍した

――中国ナショナルチームには何年いたんですか。
――13年間です。
――長い。

基本的に中国ナショナルチームは、わりと早い年齢で一線を退いていくイメージがあります。なぜ、そんなに長く在籍できたんでしょう。

――私も長いほうではありますが、男子の方博選手は15年くらいナショナルチームにいましたし、女子でも3〜4人同じくらい在籍している選手もいます。

確かにいま考えると長いとは思いますが、そのときそのときはただ一生懸命やっているだけなので、あまり長さは感じませんでした。

遼寧省のチームからスタートして、そのチームのみんなに良くしてもらって、次はジュニアナショナルチームに入り、そしてナショナルチーム一軍でも本当に周りのみんなに支えてもらいました。

今回、ナショナルチームを引退してTリーグに参戦するというときも、やっぱりみんなに応援してもらって。

自分が長くやれたということは、良い環境、良い人たちに囲まれていたからだと思っています。

――なるほど(溢れるいい人感…)。

劉国梁「日中のさらなる交流を」

――Tリーグに参戦するということについて、何か中国ナショナルチームで会話はありましたか。
――日本のTリーグに参戦して活躍したい、日本のチームメイトたちとも交流を深めて日中友好の架け橋になりたい、という私の考えを支持してもらいました。

また、劉国梁主席からは「日本の選手にも中国に合宿や試合に来てもらって、お互いに更なる交流が深められれば良いですね」という言葉を頂きました。

私も、Tリーグに限らず、日本生命の講習会や今回の取材などを通して、中国の卓球選手として、中国の良いところを日本のみなさんに、そして日本の良いところを中国に伝えていきたいと考えています。

――おお…(思わぬVIP登場に変な相槌が漏れる)


写真:劉国梁・中国卓球協会主席(奥)/写真:アフロ

特別な空間だったTリーグ開幕戦

――Tリーグ開幕戦は、いかがでしたか。
――周囲が暗くて選手にスポットライトが当たる演出や試合の流れなど、とても特別な空間で、やる気が出ました。
――緊張しましたか。(圧巻のプレーだったわけだけど)
――まったく緊張しないというのは無理なんですが、すごく興奮して楽しめた、というほうが近いですね。

スタッフやチームメイトもすごく応援してくれていたので、冷静を保ちながら良い状態でプレーできました。


写真:リジャイ(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

――注目度の高い開幕戦で、石川佳純選手が相手というのは、期するものもあったんじゃないですか。
――木下アビエル神奈川戦に向けて、自分も準備しましたし、周りのコーチや選手も一緒に調整しました。

もちろん、結果は勝ったほうが良いんですが、試合なのでどっちが勝つかはやってみないとわからない。

準備したことをしっかり出せれば、勝っても負けてもみんな受け入れてくれるはず、と思って臨みました。

――既にチームに溶け込んでいる様子にちょっと驚きました。
――自分が12.3歳の頃、岸田監督が遼寧省に練習に来ていたり、その後も日本生命の選手(藤井寛子さん、若宮三紗子さん、田代早紀さん)や他にも日本のたくさんの選手が、中国に練習に来ていました。

日本生命に来ることに対しては、知らないところに来たという感覚ではなく、昔からの知り合いのところに来たという気持ちでした。


写真:勝利の後、チームメイトに迎えられるリジャイ/撮影:ラリーズ編集部

――なるほど。

最後にリジャイ選手、これからの意気込みを。

――目標はチームの五連覇達成です。そのために、自分が力になれることは何でもやりたいと思っています。

試合に出られれば勝ちたいですし、出られなくても、練習相手をするとか応援するとか、自分がチームのために役立つことをしていきたいです。

まだ対戦チームでは知らない相手も多いので、まずは1戦ずつ大事に戦っていきたいと思います。


写真:リジャイ(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

リジャイ、誠実な人だった

4連覇中の王者・日本生命レッドエルフに、伊藤美誠(スターツ)が加わっただけでも圧倒的強化なのに、そこにさらにリジャイという、昨年まで13年間中国ナショナルチームに在籍した選手が加わった。

14歳の初来日からずっと日本のことが好きで、「現時点の日本食の一番は?」などの私のラフな質問にも誠実に対応してくれる姿に、本当に卓球における日中友好の架け橋になっていくのではないかと思った。

いや、そもそも日本生命レッドエルフ、何者じゃい、と思ったが、それは五連覇を成し遂げた後にまた、じっくり話を聞こうと思った。


写真:試合後、チームメイトと握手を交わすリジャイ/撮影:ラリーズ編集部

リジャイ、伊藤美誠、早田ひなが出場する9月23日の試合

日程

9月23日(祝) 18:00~ 京都カグヤライズ – 日本生命レッドエルフ

会場

浦和駒場体育館(埼玉県)

チケット

チケット料金などの情報はこちら(Tリーグ公式サイト)