あなたに勇気を与える卓球選手の名言 #1 森薗政崇、早田ひな、大島祐哉、森薗美月編 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:左上から時計回りに森薗政崇、早田ひな、大島祐哉、森薗美月/撮影:ラリーズ編集部

卓球×インタビュー あなたに勇気を与える卓球選手の名言 #1 森薗政崇、早田ひな、大島祐哉、森薗美月編

2019.12.27

文:ラリーズ編集部

Rallysでは多くの選手にインタビューを実施してきた。

輝かしい成績を残している選手たちは、我々には想像もできないような数々の挫折や困難にぶつかっている。様々な経験をしてきた選手だからこそ出てくる言葉はその人の卓球人生を表しているようだ。

今回はインタビューの中から選手たちの名言を抜粋していくつかお届けする。

『同じ場面を迎えることは絶対できないわけですよ』(大島祐哉)


写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:伊藤圭

大島祐哉は、2017年大会で森薗政崇とのダブルスで日本勢48年ぶりとなる銀メダルを獲得し、世界のトッププレーヤーの仲間入りを果たした。現在はTリーグ・木下マイスター東京に所属し、プロ卓球選手として活躍をしている。

大島が急成長を遂げたのは早稲田大学での4年間。幼少期からの才能が物を言う卓球界において、大島の“遅咲き”のキャリアは異彩を放っている。

「急成長の大学4年間の中で一番覚えている瞬間は?」との質問に大島は、2015年の世界卓球蘇州大会のメダル決定戦を挙げた。森薗とのダブルスで中国の許昕(シュシン)・張継科(チャンジーカ)ペアにマッチポイントを握りながらも逆転負けを喫した試合だ。

「いろんな人にあの場面、ああしとけば、こうしとけばって言われますけど、同じ場面を迎えることは絶対できないわけですよ」。

勝つ者がいれば負ける者もいる勝負の世界で、この言葉に共感する読者も多いのではないだろうか?

大島の考え方や思いをぜひ参考にしてしていただきたい。

▼大島祐哉のインタビューはこちらから
>>#1 “大学は人生の夏休みじゃない” キャリア支える早稲田の4年間

>>#2 大島祐哉が語る戦略的思考「卓球にはストーリーがある」

『挑戦せずに諦めると絶対に後悔する』(森薗美月)


写真:森薗美月(木下グループ)/撮影:伊藤圭

森薗美月は、いとこの森薗美咲・政崇と卓球で遊んだのをきっかけに「卓球一家・森薗家」の一員として導かれるように卓球の世界へと足を踏み入れた。現在はTリーグ木下アビエル神奈川に所属しプロ卓球選手としてチームの勝利に貢献している。

実業団・サンリツで活躍していた森薗に転機が訪れたのは2018年3月。サンリツを退社し、プロの卓球選手になることを選んだのである。

「多くの人は『無理じゃないか』って言いますし、『冒険せずに今大事に』っていうアドバイスも受けました。でも、挑戦せずに諦めると絶対に後悔する。私は自分の卓球で後悔だけはしたくないんです。何事も挑戦することに意味があると思うので、悔いなく最後までやり切ります」。

卓球選手として輝かしい功績を残した矢先に大きな怪我を負った森薗美月。長いリハビリや多くの人との出会いにより、もう一度卓球選手として返り咲いた彼女だからこそ説得力のある言葉に感じる。

▼森薗美月のインタビューはこちらから
>>#1 “初めて打った時、血が騒いだ”。卓球一家「森薗家」に生まれて

>>#2 もう卓球台捨てたい!“緑色の目”の父と迎えた、過酷な〈ガチ卓球〉

>>#3 「卓球が全てなんです」のしかかる重圧、襲う試練、大怪我で選手生命の危機

>>#4 「卓球だけやとあかんで」恩師・作馬氏との出会い。卓球の表舞台へ返り咲く

>>#5 後悔しないためのプロ転向、その先へ。新生・森薗は2020年を夢に見る

『引きずっていい負けでした』(森薗政崇)


写真:森薗政崇(BOBSON)/撮影:伊藤圭

「卓球エリート」の家族に生まれ、4歳から卓球を始めた森薗政崇選手。2017卓球世界選手権ドイツ大会、男子ダブルスで大島祐哉とメダルを獲得。昨年のTリーグでは上田仁と共にベストペア賞にも選ばれ、ダブルスの名手と謳われている。

森薗の分岐点といっても過言ではない「2015年世界卓球選手権蘇州大会ダブルス準々決勝」。当時「最強」と呼び声の高い世界ランク2位の許昕・張継科との1戦に森薗は大島とのペアで挑んだ。

世界最強ペアを追い詰め、森薗たちは最終ゲームy10−8でマッチポイントを握っていた。しかしまさかの逆転負け。

敗戦後は茫然自失の状態だったものの、そこから2年間肉体改造やメンタル強化そして「勝つために必要な“閃き”とはなにか」森薗なりにその答えにたどり着いた。

引きずっていい負けでした。あの時ダメだったから同じ失敗はしないって強く意識することができたから。大島さんとのペアなら世界一も狙える」。

負けてもその時の悔しさをバネにさらなる進化を求め成長し続ける。敗戦があったからこそ、今の森薗がいるのかもしれない。

▼森薗政崇選手のインタビューはこちらから
>>#1 「恐怖のオヤジ」1日7時間の練習…「俺は卓球マシーンか!」

>>#2 エース水谷との激闘で挙げた64年ぶりの快挙 そして「ゾーン体験」

>>#3 2年前のトラウマを超えて。卓球森薗・大島ペア、「卓球の閃き」とは

>>#4 「絶対に辞められない」ルーティンとは?
とは

『勝って得るものより負けて得るものの方が多いと思っているんです』(早田ひな)


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

日本女子卓球の黄金世代と呼ばれ国内外で輝かしい成績を残している早田ひな。Tリーグでは日本生命レッドエルフに所属。弱冠18歳にしてTリーグ初の女子MVPに輝くなど、初代王者の立役者と言っても過言ではない。

しかし栄光の裏側では「怪我」という試練に悩まされていた。2016年世界ジュニア選手権大会中に右膝蓋靭帯炎を発症。武器であるドライブが思うようにできなくなってしまう。

そこから文字通り心身共に一段強くなってケガから復帰した早田だからこそ、試合前後の自分との向き合い方は、非常におだやかで落ち着いている。さらに、負けや挫折についても前向きな持論を持っている。

勝って得るものより負けて得るものの方が多いと思っているんです。『これができたら次はこの選手には勝てる』と思いながら練習することで、次の試合にうまく入っていけると思います」。

18歳(インタビュー当時)とは思えない大人顔負けのメンタルと意志の強さ。どんどん強くなる早田ひなのこれからが楽しみで仕方ない。

▼早田ひな選手のインタビューはこちらから
>>#1 Tリーグ初のMVP 卓球三昧の18歳は「楽しさを忘れない」

>>#2 「楽しい卓球」から「楽しめる自分」へ たどり着いた新たな強さ

>>#3 “黄金世代”から見た「今、日本の卓球が強いワケ」

今回は4選手の名言をご紹介した。一言一言に選手の気持ちを感じることができる。

皆さんも数あるインタビューの中から自分の支えになるような名言を探してみてはいかがだろうか?

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