【オフィスピンポン:freee(後編)】 卓球を活用した社内コミュニケーションの秘訣とは?


編集:武田鼎、文:里見澪(ラリーズ編集部)

「オフィスピンポン」なる言葉をご存知だろうか。ご存知でないのも無理はない。ラリーズが勝手に作った造語だからだ。

「オフィスピンポン」とはその名の通り、オフィスに卓球台を置いていること。実はオフィスに卓球台を設置することが企業内で注目されている。

なぜ、オフィスに卓球台を置くのか?一体どんな効果があるのか?ならば実際に企業を訪問して探ろう。

第一回目はオフィスに卓球台を置く会社freeeを取材。前編では卓球台がいかに活用されているかを紹介した。そのキーワードは「コミュニケーション」にあった。後編ではfreeeの急成長の秘密を探る。

そもそもfreee創業のきっかけは代表取締役の佐々木大輔さんのGoogle勤務時代の「ある疑問」に遡る。

当時、中小企業向けのマーケティングを行っていた佐々木さんが「中小企業にテクノロジーの導入が進んでいない」ということに強い問題意識を抱いた。中でも大きな問題だと感じたのが「会計経理業務には非効率な作業が多い」ということ。会計業務はすべてのビジネスに不可欠な業務である一方、煩雑でもある。中小企業でも効率的に会計業務をこなせるツールを開発し、日本の中小企業が本業にフォーカスできすれば競争力が増すのでは、と考えたのだ。

だからこそ「効率性」はfreeeの様々な社内制度に反映されている。目指すのは「機械のような効率性」ではない。「求めるのは爆発的な達成力です。そのためにはコミュニケーションが大きなカギになるんです」と広報担当の定田さんは語る。これほどまでにfreeeがコミュニケーションにこだわるのにはスタートアップ企業ならではのワケがある。

しばしばベンチャー企業にはステージに応じて「○○人の壁」という “ひずみ”が存在する。10人、50人、100人、300人…成長速度や企業規模によって様々な問題が生じるのだ。問題の内容は、給与や仕事量、組織体系や経営陣との距離感などと様々だが、常にその中心にあるのが「コミュニケーション」だ。

最初は顔見知りだけだった社内にも名前と顔が一致しなくなる社員が増え、メンバー間で何を考えているかわからず、格差や不満が生じてくる。気づけばギスギスした雰囲気になり、プロジェクトチームは解体の憂き目を見る。

freeeも創業から5年で社員数300人と急拡大を続けてきたベンチャー企業だ。


freeeの成長を支える卓球台を紹介する広報担当の定田さん。

「スタートアップなのでいろんな背景や考え方の社員が続々と入ってきています。」(定田さん)だからこそコミュニケーションの大切さを痛感しているのだ。卓球台の導入もその取り組みのひとつというわけだ。中でも特徴的な制度が「1on1」だ。「マネージャーと担当者とで話をするんです。」仕事のことや将来的な話。時にはすごいカジュアルな話も含めて、コミュニケーションを取る時間を必ず設けている制度だという。週に1度は行われるほどの徹底ぶりだ。

他にもユニークな制度がある。1つは「どこで作業をしていてもいい」ということ。働く現場を覗いてみると、社員が思い思いの体勢で仕事をしている。リラックススペースで寝そべりながら働く社員やバーカウンターで立ったままパソコンと向き合う社員の姿も。「コミュニケーションを重視しているので、出社することは大事です。ですが、社内のカフェのようなスペースで会議をしたり、畳のフロアやビーズクッションの上で寝そべりながらの作業でも良い」と広報の原さんは明かす。育児休暇など申請すれば自宅での作業も認められているという。


地下のオフィスは会社というより家のよう。誰もが通いたくなるオフィス環境だ。

他にも注目すべきはこのデスクの側面に貼られている名前カードだ。色んな人のニックネームが書いてある。これについて定田さんは「組織階層を作りたくないので、全員基本的にニックネームで、マネージャーさんに関しても『ジャーマネ』と呼んで風通しを良くしている」と説明する。

またコミュニケーションを促進するべく部活動も充実している。freeeでは「オフカツ」と呼んでいる。オフカツは会社から毎月補助のでる「ガチふわ」と社員が自発的に集まって行う「ユルふわ」の2つに分かれている。「ガチふわ」では自転車部、テニス部、フットサル部などから、「ゆるフワ」では温泉に入る「お風呂部」やこだわりの米を炊いて好きなおかずと合わせて食べる「米米CLUB」などユニークな部活動が存在する。


卓球台を背に導入の費用対効果を語る原さん

卓球台を導入した効果について広報担当の原さんは「人数規模と場所によりけりですけど、卓球台の導入に必要な費用に対して、卓球台がもたらす効果というのはすごく大きい。簡単にプレー出来ますし、5分でもできるスポーツじゃないですかだからこそ良いと思います」と笑顔で語る。



広報担当のお二人のダブルスは息がぴったり。しかも全然ミスしない。さすがだ。

卓球台が置かれているのはただの「気晴らし」や「おしゃれ」ではない。「爆発的な成長」のためのコミュニケーションの証だ。今後訪問したオフィスに卓球台があったなら、その会社はもしかしたら爆発的な成長力を秘めた会社なのかもしれない。

(オフィスピンポン:freee前編「なぜイケてる企業はオフィスに卓球台を置くのか」はコチラ)

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