往年の名選手から水谷隼ら現役選手まで 21世紀の卓球男子ドリームチームは? | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:水谷隼/提供:ittfworld

卓球ニュース 往年の名選手から水谷隼ら現役選手まで 21世紀の卓球男子ドリームチームは?

2020.03.31

文:ラリーズ編集部

国際卓球連盟(ITTF)は29日にHP上で「あなたなりに21世紀の男子ドリームチームを選ぼう!」という企画を発表した。この企画は、28日に発表された女子版と同様に、2000年から2018年にかけて国際大会で特筆すべき活躍をした選手を紹介するもので、男子版となる今回は計21人の選手が紹介された。

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日本からは水谷が唯一の選出

21人の中で唯一の日本人選手として選出された水谷隼。全日本選手権男子シングルスV10や北京、ロンドン、リオの、3大会連続五輪出場(代表に内定している東京大会を含めると4大会連続)、日本史上初の五輪男子シングルスでのメダル獲得など、日本のトップとしてこれまで数々の偉業を成し遂げてきた。

彼の名前は卓球愛好家以外の一般の人もよく知るところで、「国民的卓球選手」と言っても過言ではない。記事内では、世界選手権団体戦での銅メダル4個と銀メダル1個の獲得や、ワールドツアーグランドファイナルでの2度の優勝にも触れている。

最多9名が選出された卓球帝国・中国

中国からは、現役、レジェンドを含めて国別では最多となる9名の選手が選出された。

まずは、2001年2004年世界選手権団体戦金メダリストの劉国正(リュウグオジェン)。ITTFは「2001年大会の準決勝の韓国戦で計7度のマッチポイントを握られながらもそれを凌いで勝利し、中国の決勝進出ならびに優勝に大きく貢献した選手」として紹介している。


写真:王皓/提供:ittfworld

続いては、2004年アテネ五輪から3大会連続で男子シングルス銀メダルを獲得した王皓(ワンハオ)。中国式ペンホルダーの使い手で、バックの処理をほとんど裏面打法で行う選手としても非常に有名である。


写真:樊振東/提供:ittfworld

今回選出された21名中最年少が23歳の樊振東(ファンジェンドン)だ。2012年世界ジュニア選手権男子シングルス優勝を皮切りに、2014年、2016年、2018年世界選手権団体戦金メダル獲得、男子ワールドカップ優勝3回と、樊振東は年々、中国代表での自身の地位を確固たるものにしてきた。まさに、現在五輪の金メダルに最も近い選手の一人である。


写真:馬琳/提供:ittfworld

他にも、シドニーオリンピック男子シングルス銅メダリストの劉国梁(リュウグォリャン)、史上唯一の五輪3種目(団体、シングルス、ダブルス)制覇を達成した馬琳(マリン)、世界選手権男子シングルス優勝3回の王励勤(ワンリチン)、ロンドン五輪男子シングルス金メダリストの張継科(チャンジーカ)、リオ五輪男子シングルス金メダリストの馬龍(マロン)、世界選手権男子ダブルス3度優勝(全て異なる選手とのペア)の許昕(シュシン)が選出されている。

2000年代を彩ったヨーロッパのレジェンドたちも多数選出

2000年~2009年はヨーロッパ勢が目覚ましい活躍を遂げており、今回はその中から8名の選手が選出された。


写真:ヤン=オベ・ワルドナー/提供:ittfworld

スウェーデンの伝説であるヤン=オベ・ワルドナーは2000年世界選手権団体戦金メダリスト。この大会、ワルドナーは決勝の中国戦で劉国梁に勝利し、スウェーデンの金メダル獲得に大きく貢献した。

また、これ以降の世界選手権団体戦では中国が優勝し続けていることを考えると、彼がいかに偉大な選手であるかがよくわかる。ちなみに、このときの代表メンバーの一人であるヨルゲン・パーソンも今企画の21人に選出されている。


写真:ティモ・ボル/提供:ittfworld

39歳にして現役のドイツ代表であるティモ・ボルは、ワールドカップ優勝2回、ヨーロッパ選手権では団体、個人戦合わせて19個以上の金メダルを獲得2000年シドニー大会から5大会連続での五輪出場など、実に20年以上世界のトップレベルで戦い続けている。まさに「卓球界の生ける伝説」だ。


写真:ゾラン・プリモラッツ/提供:ittfworld

その他には、2001年ワールドカップ3位のヨルグ・ロスコフ(ドイツ)、シドニー五輪男子ダブルス銅メダリストのジャン=フィリップ・ガシアン(フランス)、2001年世界選手権団体戦銀メダリストのジャン=ミッシェル・セイブ(ベルギー)、2002年ワールドカップ3位のゾラン・プリモラッツ(クロアチア)、2003年世界選手権男子シングルス金メダリストのヴェルナー・シュラガー(オーストリア)、1999年2001年2009年ワールドカップ優勝(異なる世紀でワールドカップ優勝を達成した唯一の選手)のブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)が選出されている。

韓国からは五輪金メダリストと現役Tリーガーが選出

“アジアの虎”韓国からは2名選出されている。


写真:柳承敏/提供:ittfworld

一人目は、アテネ五輪男子シングルス金メダリストの柳承敏(ユスンミン)。現在では珍しくなった日本式ペンホルダーの使い手で、21世紀の五輪で金メダルを獲得した唯一の非中国人選手でもある。長きに渡って韓国代表としてプレーし、世界選手権団体戦では銀メダルを3個、銅メダルを2個獲得した。


写真:朱世赫/提供:©T.LEAGUE

二人目は、琉球アスティーダに所属するTリーガーにして2003年世界選手権男子シングルス銀メダリストの朱世赫(チュセヒョク)。彼はそれまでのカットマンの既成概念を打ち破り、「バック面の粒高ラバーでのカットで粘って、フォア面の裏ソフトで攻める」という今日のカットマンのスタイルを生み出した、まさに革命家だ。

自分なりのドリームチームを考えて、それをSNSで共有したり、友人のチームと比較したり、と各々様々な楽しみ見方ができるこの企画。みなさんもぜひ一度、やってみてはいかがだろうか。

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