文:ラリーズ編集部
このページの目次
石川佳純が女子ワールドカップ8強
ITTF2019女子ワールドカップと、ITTFチャレンジシリーズ・ポーランドオープンが10月20日に終了した。
ポーランドオープンには男子のトップ選手はエントリーしておらず、女子では早田ひな(日本生命)と、橋本帆乃香(ミキハウス)が8強入り。しかしトップ選手が出場していない中で中国がベスト4のうち3人を占め、中国の層の厚さを感じさせる大会となった。
一方女子ワールドカップでは石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)が出場。優勝すれば2550pt獲得でき、本戦からの出場となった2人は初戦で敗れても、765pt獲得できる大会だ。是が非でも高ポイントを獲得したい2人だったが、石川が馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール)に、平野がチャン・リリー(アメリカ)にそれぞれフルゲームの末敗れて、ベスト8とベスト16となった。
これらの結果を受けて、石川佳純が1275pt、平野美宇が1020ptを獲得することとなった。
写真:ブルガリアオープンでの早田ひな(日本生命)/提供:ittfworld
女子WC・ポーランドOP終了時点での五輪出場権争い展望
東京五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。その2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」を集計し、五輪出場争いの展望をまとめた。
まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。
ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
つまり、現時点(2019年10月)の世界ランキングポイントの中から、2020年1月には失効してしまうものを考慮する必要がある。
今回は「2020年1月時点で有効であるポイント」だけを女子WC・ポーランドOP終了時点まで集計した。そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。
>>卓球・世界ランキングの決め方は? 規定が2020年を目前に改定、そのポイントとは
女子WC・ポーランドOPを終え、各選手のポイントは?
写真:女子WCで惜しくもベスト16となった平野美宇(日本生命)/提供:ittfworld
女子WC、ポーランドOPの結果を含め、2020年1月まで有効なポイントだけで算出した男女日本選手のポイントランキングは以下の通りだ。
男子選手順位
1 張本智和 10975Pt(10750Pt)
2 水谷隼 8425Pt(8245Pt)
3 丹羽孝希 7960Pt(7735Pt)
4 森薗政崇 5195Pt(5085Pt)
5 神巧也 4945Pt(4610Pt)
6 吉村和弘 4830Pt(4830Pt)
※男子は変動なし
※Pt右の()内はスウェーデンOP終了時の2020年1月まで有効なポイント
女子選手順位
1 伊藤美誠 12305Pt(12305Pt)
2 平野美宇 10295Pt(10175Pt)
3 石川佳純 10230Pt(9855Pt)
4 加藤美優 7545Pt(7545Pt)
5 佐藤瞳 7315Pt(7315Pt)
6 早田ひな 6760Pt(6760Pt)
※Pt右の()内はドイツOP終了時の2020年1月まで有効なポイント
男女通してポイントによる順位の変動はなかったものの、ワールドカップベスト8となった石川佳純が1275ptを反映させ、1020ptを得た平野美宇との差がわずか65ptのみとなった。混戦を極める女子の東京五輪シングルス代表権は誰の手中に収まるのか。今後の成績からも目が離せない。
有力選手たちの今後の出場予定
写真:中国オープンでの水谷隼(木下グループ)/提供:ittfworld
2枠の五輪シングルス出場枠を巡る熾烈な争いもいよいよ終盤となり、残る大会もわずかとなった。主力選手たちの出場が見込まれる今後の大会スケジュールは以下の通りだ。
11/6~11/10 JA全農 ITTF 卓球ワールドカップ団体戦
11/12~11/17 ITTFワールドツアー・オーストリアオープン
11/21~11/24 T2ダイヤモンド
11/29~12/1 2019男子ワールドカップ
12/4~12/8 ITTFチャレンジ・ノースアメリカンオープン
12/12~12/15 ITTFワールドツアーグランドファイナル
次の国際大会は11月に東京で行われるチームワールドカップとなる。東京で行われる今大会は、来る2020年東京五輪のリハーサルという位置づけだ。団体戦となるが、シングルス1勝につき250ptを獲得できるため、選手としてはここで存分に存在をアピールしたいところだろう。
チームワールドカップで中国を破り、金メダルを獲得できれば、東京五輪本番での活躍も期待できる。チーム日本がどこまで勝ち上がれるか見逃せない。