文:ラリーズ編集部
16日、ITTFワールドツアープラチナ・オーストリアオープンで、伊藤美誠(スターツ)が鄭怡静(チェンイージン・チャイニーズタイペイ)を下しベスト4入りを決めた。今大会は、世界ランキングポイントが多く獲得できるプラチナ大会であるため、準決勝進出により伊藤は1465Pt以上を手に入れることになる。
この結果、伊藤が2020年1月時点での世界ランキングにおいて、日本選手2番手以内に入ることが決まり、東京五輪代表選考の基準を満たした。
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2020年1月時点の世界ランキングに注目
東京五輪卓球シングルスの出場権は、2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。そこでまずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
①ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
②世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
③対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
④T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
11月発表の日本女子上位3選手の世界ランキングポイントは
伊藤美誠 13340Pt
石川佳純 11805Pt
平野美宇 11375Pt
であるが、上記の規定により2020年1月には失効してしまうものも存在する。
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現時点の2020年1月まで有効なポイント
2020年1月には失効してしまうものを考慮し、チームワールドカップを終えた時点での日本女子上位3選手の2020年1月まで有効なポイントは以下の通りだ。
伊藤美誠 12430Pt
平野美宇 10295Pt
石川佳純 10230Pt
ここにオーストリアオープンの現時点の戦績分(伊藤準決勝進出、平野1回戦敗退、石川2回戦敗退)を加算すると、伊藤にのみ295Ptが上乗せされ、12725Ptとなる。
伊藤美誠 12725Pt
平野美宇 10295Pt
石川佳純 10230Pt
※平野、石川は過去の上位8大会の獲得ポイントに及ばないため加算されず
伊藤、東京五輪代表が確実に
写真:チームワールドカップでの伊藤美誠/提供:ittfworld
今後、2020年1月までに日本女子の出場が見込まれるのは、T2ダイヤモンド、ITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンオープン、ITTFワールドツアー・グランドファイナルの3大会だ。残りの大会を欠場したとしても2020年1月時点で伊藤が日本人2番手以内に入ることが現時点で確定となった。
伊藤は、15歳で出場したリオ五輪で日本女子の銅メダル獲得に貢献。その後も全日本では女子史上初の2年連続3冠に輝き、ワールドツアーでもコンスタントに上位に進出してきた。シングルスだけでなく、早田ひな(日本生命)と組んだ女子ダブルスでは世界選手権準優勝、水谷隼(木下グループ)混合ダブルスでもワールドツアーで優勝とダブルスでの活躍も目立つ。
東京五輪のテスト大会であったチームワールドカップでもシングルス6戦5勝と大車輪の活躍を見せ、日本女子を準優勝に導いた伊藤。東京五輪でも伊藤の戦いぶりに注目だ。