中2がプログラミング、高1がDJ 3ヶ月かけて開発した"新感覚"卓球講習会に五十嵐史弥も驚き | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:講習会を行う五十嵐史弥(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

卓球ニュース 中2がプログラミング、高1がDJ 3ヶ月かけて開発した“新感覚”卓球講習会に五十嵐史弥も驚き

2024.12.22

この記事を書いた人
1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

21日、金沢ポートは金沢市内で、地域の小中学生を対象とした“新感覚”の卓球講習会を開催した。

講習会には、地域の子どもたちが中心となって準備した“デジタル的あて”やDJブースなど様々な趣向が凝らされ、参加者の7割を占めた卓球初心者の子どもたちからも、歓声が上がっていた。


写真:新感覚の卓球ゲーム「ピンポンクエスト」/撮影:ラリーズ編集部


写真:高校一年生のDJプレイに五十嵐選手も興味津々/撮影:ラリーズ編集部

地域の子どもたちが楽しめるイベントを

『三谷産業presents 金沢ポート卓球教室』と題して開催されたこの変わった卓球講習会は、“地域の子どもたちが楽しめるように”と、金沢ポートと三谷産業で企画された。

三谷産業は、金沢市玉川町に本社を構え、創業から100年以上にわたり、IT、化学、機械、建設など多彩な事業を展開する上場総合商社であり、今季から男子プロ卓球チーム「金沢ポート」のパートナーも務めている。


写真:講習会も三谷産業社内のホールで開催/撮影:ラリーズ編集部


写真:食い入るようにプレーを見つめる子どもたち/撮影:ラリーズ編集部

地元の子どもたちがデザイン・プログラミング

卓球版の“デジタル版ストラックアウト”とでも言うべき卓球ゲーム『ピンポンクエスト』は、地元の子どもたちを中心に、これまで3ヶ月ほどかけて開発された。


写真:子どもに大人気だった「ピンポンクエスト」/撮影:ラリーズ編集部

システムは学校の教育現場でも使われている、ポケットサイズのコンピューター「micro:bit」を6台使用。デザインやプログラミングは、三谷産業とNPO法人みんなのコードが運営する施設「ミミミラボ」に通う子どもたちやメンターが担当し、開発を重ねた。


写真:「ピンポンクエスト」背面/撮影:ラリーズ編集部

「想像より難しかったのは、ボールが当たったときの振動で他のところのセンサーまで反応してしまうところ」と、プログラミングを担当した中学2年生は手応えを感じつつ振り返る。

「台の上に的を置くパターンも試す」「ボールが的を抜けていくのもいいかも」「自動でボールが出てくるように」と、現在もトライ&エラーを重ねながらバージョン更新中で、金沢ポートの2月8、9日のホームマッチではさらに進化した『シン・ピンポンクエスト』が登場するという。

会場では地元の高校一年生によるDJプレイによる音楽も流れており、卓球講習会でありながら、小さなスポーツイベントさながらの雰囲気も演出していた。


写真:試作機段階では吉田雅己(金沢ポート)選手も試打に参加/撮影:ラリーズ編集部

経験者も満足できる工夫

もちろん、講習会には、“五十嵐選手と少しでも打って上達したい”卓球部の中学生たちも参加している。

そこで、講習台を2台に分け、1台は西東輝監督(金沢ポート)が初心者向けにラケットの握り方から教え、もう1台は五十嵐選手が経験者の子どもたちを相手に、サービスチャレンジや技術指導を行うことで、幅広い卓球レベルの子どもたちが満足できる構成にしていた。


写真:講習会の様子/撮影:ラリーズ編集部


写真:五十嵐史弥選手/撮影:ラリーズ編集部


写真:西東輝監督/撮影:ラリーズ編集部

2部のトークコーナーでは、参加者からの「コツコツ努力するのに工夫したことはありますか」という質問に五十嵐選手は「1日の終わりに今日の反省と明日やることをノートに書いておくと、次の日スムーズに始められる。卓球に限らず、勉強など自分で頑張ってることにも当てはまると思います」と答え、会場の大人も子どもも真剣な表情で聞き入っていた。


写真:子どもたちから鋭い質問が飛んだ/撮影:ラリーズ編集部

3ヶ月以上かけて開発した卓球ゲーム

五十嵐史弥選手も「音楽があることで、卓球をやったことない子、僕を知らない子もとても楽しそうだったのが印象的でした」と、振り返る。

手軽に楽しめ、かつ奥が深い卓球は、子どもたちの根源的な“楽しい”を引き出すのに適したスポーツである。

今回、ひとつの講習会のために、子どもたちと共に作った卓球ゲーム、その開発期間は3ヶ月以上。まだ改良は続く。

プロ卓球チームと地域の“卓球活用方法”は、その熱意と問いの数だけ存在することを改めて実感した。


写真:参加者たちと記念撮影/撮影:ラリーズ編集部


写真:卓球の楽しさを満喫した子どもたち/撮影:ラリーズ編集部