早田ひな、能登の子どもたちに現地講習会で力強くエール「挑戦することに意味がある」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:参加者とラリーを行う早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

卓球ニュース 早田ひな、能登の子どもたちに現地講習会で力強くエール「挑戦することに意味がある」

2024.12.30

この記事を書いた人
1979年生まれ。2020年からRallys/2024年7月から執行役員メディア事業本部長
2023年-金沢ポート取締役兼任/軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

29日、能登半島地震で被害を受けた穴水町を、パリ五輪メダリストの早田ひな選手(日本生命レッドエルフ)、地元の男子チーム・金沢ポートから五十嵐史弥選手らが訪れ、復興支援として卓球講習会を行った。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

能登の卓球キッズ100人が参加

能登で卓球をしている小中学生約100人を対象にした本講習会は、金沢ポートと日本生命レッドエルフが主催で穴水中学校の体育館で開催された。

「外は寒いですが、この会場が超激熱になれるよう盛り上げていきましょう」と早田選手の“激熱”開幕コメントに、さっそく会場が沸いた。

元女子日本代表監督であり、日本生命レッドエルフの総監督を務める村上恭和さんの進行のもと、早田選手と五十嵐選手が卓越した技術を披露した。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)と五十嵐史弥(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

その後、直接子どもたちと打つ時間では、参加者はみな緊張しながらも1球でも多くボールを入れようと張り切る姿が見られた。


写真:早田ひな選手とラリーをする参加者/撮影:ラリーズ編集部


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:五十嵐史弥(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

早田「ミスは、次の練習の課題が見つかっただけ」

子どもたちは早田、五十嵐選手と1点試合を体験した後、質問コーナーに移ると、矢継ぎ早に卓球についての質問が飛んだ。

「試合でミスをしたときの切り替え方」を聞かれた早田選手は「ミスは仕方のないこと。次の練習の課題が見つかったと思えばいい」と、前向きに捉えることの大切さを説いた。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

「フォアドライブがうまくできない」という子には“ちょっとやってみて”とスイングを見た後に「もう少し前に」とアドバイスをすると、今後はその子が見違えるようなボールを入れ、チームメイトからも歓声が上がっていた。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:講習会の参加者たち/撮影:ラリーズ編集部

参加者「夢のような時間でした」

閉会式では、参加者を代表して穴水中学校卓球部2年の片岡凌大さんから「技術だけでなく、努力することの素晴らしさ、あきらめないことの大切さを教わりました。夢のような時間でした」と感謝の言葉を贈った。


写真:早田ひな、村上恭和総監督(日本生命レッドエルフ)、五十嵐史弥、西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

締めの挨拶として早田選手は「震災でそれまでの日常が失われたこと、本当につらいと思います。当たり前が当たり前でなくなるしんどさは、私も左腕の怪我で痛感しました」と、未だ回復途上である自身の左腕の状態とも重ね合わせた。

「でも、みなさんが笑顔でいることが誰かの救いにもなる。目標や夢を持って、その夢に向かって諦めずに頑張っていってほしい。挑戦することに意味があるから」と、子どもたちに力強く温かいエールを贈った。

「あと、今日私から点を取れなかった子は、次対戦するときは取れるようになっていてくださいね!」と笑顔で呼びかけると、子どもたちも頷いて成長を誓っていた。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部


写真:講習会の参加者たち/撮影:ラリーズ編集部

震災から一年の節目に

「震災から一年の節目に来てくれたことも、忘れないというメッセージみたいで嬉しい」会場に来ていた保護者のひとりは涙を拭いながら語った。

「このイベントが発表されてから、子どもたちはずっと今日の話ばかりしてました」と、楽しみにしていた参加者たちの様子を明かした。

日本生命レッドエルフにとって12月26日と1月4日のホームマッチの狭間期間であり、早田選手にとっては怪我の治療と全日本前の調整を両立させる困難な時期のはずだが、「逆に私が元気をもらいました、幸せな時間でした」と、笑顔でイベントを振り返った早田選手。

厳しい能登の冬だが、この日は参加者たちの願いが通じたような晴天だった。


写真:参加者との記念写真/撮影:ラリーズ編集部