文:ラリーズ編集部
8月28日、イギリスの大手新聞社であるガーディアン(The Guardian)がある卓球の話題を取り上げた。それはイギリスの刑務所「HMP ハイ・ダウン」で“卓球”が受刑者の更生プログラムとして活用されているというものだ。
更生プログラムと言っても、刑務所内でただ卓球を楽しむ時間(卓球セッション)を毎週設けているだけだそう。しかしそのことによって、受刑者は卓球セッションに参加するために模範的な態度を取るというのだ。
“卓球セッション”がもたらす秩序維持
記事では刑務所内が、卓球を通じてどう変わったのかが詳しく書かれている。
毎週卓球セッションに参加している受刑者のAxel Jamesさんは「卓球をする人はみんなトラブルに巻き込まれていません。またセッションに参加することで(卓球の様子を見守る)看守とも良い関係を築くことができます」と、卓球セッションが秩序維持に役立っていることを話した。
そのことはデータとしても表れており、卓球セッション参加者間の暴力行為は83%減少しているそうだ。
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卓球が人生を変えた
また変わったのは刑務所内だけでなく、受刑者自身も。34歳のJack Finchさんは、このプログラムによって人生が変わった。実はこの更生プログラムには「卓球コーチとしての育成」というものもあり、彼は2年間の刑期中に卓球を紹介され、釈放後は、フルタイムの卓球コーチの仕事を得ることができ、更生に成功している。
この卓球プログラムは非常に成功しているため、さらに多くの刑務所で取り入れていく方針だそう。卓球発祥国のイギリスでは、卓球が意外な形で活用されていた。