【編集長コラム】金沢ポートがホームマッチにキッズルームを設置する理由 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

撮影:金沢ポートの観客席/撮影:ラリーズ編集部

卓球ニュース 【編集長コラム】金沢ポートがホームマッチにキッズルームを設置する理由

2023.12.31

この記事を書いた人
1979年生まれ。テレビ/映画業界を離れ2020年からRallys編集長/2023年から金沢ポート取締役兼任。
軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏

金沢ポートのホームマッチ会場が盛り上がっている、と言及していただくことが多い。

出店ブースが美味しい(スタッフこだわりの店舗だ)、あとキッズルーム用意もありがたいという言葉もいただく。

あくまで現時点での、金沢ポートの会場応援について考えていること、その特徴を記してみたい。


写真:松平健太(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

地元の卓球部学生たちの“応援力”

2023-2024シーズン、Tリーグ各チームのホームマッチは全9試合である。
すべて県内開催とした金沢ポートでは、地元の遊学館高校や北陸大学卓球部の学生たちが会場設営・運営を手伝ってくれる。

Tリーグ各チームにとって、設営・撤去コストは非常に重く、運営も含めてボランティアでサポートしてくれるスタッフがどれだけいるかが、チームの財務にも直結する。

その卓球部学生たちは、試合が始まると、ホーム側の座席でもひときわ大きな声援で金沢ポートの応援を盛り上げてくれる。地域密着を掲げる私たち金沢ポートとしては、理想的な座組みだと思っている。

支えてくれるみんなにとっても、ちょっとした地元のお祭りになってほしい。


写真:遊学館高校卓球部を中心に地元卓球部学生たちが応援を盛り上げる/撮影:ラリーズ編集部

一方で、ライトな観客層には、この熱狂的な応援空間に入りづらさも感じるかと思っていたが、毎回チーム公式LINEで実施している来場者アンケートでは「応援をリードしてくれてありがたい」「二階席にも来てほしい」などの好意的な声がとても多く、次回の1月13日、14日のホームマッチでは、さらに応援団を分散し、会場全体で応援できる空間を作ろうと考えている。


写真:会場運営を手伝ってくれた金沢市のジュニアクラブ・エンデバーメイト/撮影:ラリーズ編集部

個別の掛け声もしやすい空間に

ファンの方々からの自然発生的な掛け声も、卓球の試合にとって大切であることも改めて実感した。対戦チームの声援の場合は、脅威でもあるわけだが。人数で勝ってるのに、なぜあんなに相手チームのファン数人の声が効果的に響くんだ、とスタッフ間で分析したくらいだ。

卓球においては、選手は、確実に声の届く距離と静寂の中でプレーしている。

的確なタイミングでの熱い声がけが会場に響くとき、歌舞伎の“大向こう”(「音羽屋!」みたいな掛け声)にも似た味わいがある。

団体での力強い応援と、ファンからの個別の掛け声が共存していることが、Tリーグにおける心地の良い応援空間だと感じている。

卓球の会場応援とは

「スポーツ観戦における会場応援」と言っても、インプレー中に応援の声を出せるスポーツかどうかによって、応援スタイルは全く異なる。

Tリーグが鳴り物を禁止していることにもわかるように、卓球はインプレー中は応援の声を出さない競技だ。野球やサッカー、バスケットとは、会場応援の前提条件が全く異なる。当たり前だが、似ているのはテニスだ。

歴史的に、卓球の会場応援は、団体応援を除けば、拍手、感嘆のどよめき、落胆のため息、関係者・コアファンからの選手への掛け声に彩られてきた。

その土台の上に、Tリーグ各チームは何を加えられるか、という創意工夫を凝らす段階だと思っている。

Tリーグ観戦における応援タイミング

応援が入れられるタイミングは、大きく分けると下記3つのタイミングだ。

①得点が決まってから次のサービスに入るまで(タオルタイムは少し長め)

競った場面や、好ラリーの後には手拍子を煽るMCコメントを入れたいところだが、案外時間が短く、選手が次のサービスモーションに入りたいのにまだMCコメントや手拍子が続いているという、本末転倒の場面も散見される(金沢ポートでは無いはずだが)。

ただ、好プレーの直後にどれだけ会場応援の盛り上がりを作れるかは非常に重要なため、MCと演出の腕が問われる部分でもある。


写真:田中佑汰(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部


写真:MCを務める端野幸治さん(写真右)と応援団長の通称“カワニャン”(写真左)/撮影:ラリーズ編集部

②試合前ラリー、タイムアウト、ゲーム間、マッチ間の各1分間

この各1分間をもっと生かしたいと思っている。

どのチームも、MCの“煽り”の後、選手名・チーム名+手拍子が一般的だ。

60秒間、最初から声出しを行うとお客さんも疲れてしまうこと、監督と選手のコミュニケーションが聞こえづらくなることがわかったので、現在は最後20秒くらいに声出しを始めるようにしている。

チームタオルを振るなど、声出し以外のバリエーションも考えていきたい。


写真:ベンチでアドバイスを受ける五十嵐史弥(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

③試合開始前、試合終了後の時間

Jリーグでは、試合前・試合後にはチャントを歌ってチームを鼓舞している。

テーマソングを用意しているTリーグチームもあって、卓球応援でうまく馴染めば面白いかもしれない。まだ私たちには自信がないが、来季試してみるべき応援パートだと思っている。

「サービス出すとき赤ちゃん泣いたら…」問題

直接応援とは関係がないが、会場空間として大事な問題である。張り詰めた局面で、サービスに入った瞬間、赤ちゃんが泣き始めたら、主催者はどうするべきか。

ベビーカーを押して来場していただくお客さんも多いのだ。3歳から100歳まで、と卓球人自身が形容する以上、観客年齢の幅広さは、Tリーグが守るべき生命線だ。赤ちゃんが泣く可能性がある間はご来場のご遠慮を、などと主催者は絶対に言うべきではない。

しかし、選手の心情や、多様な観客心理を考えると、泣き出してしまった赤ちゃんとその親御さんをそのままにしておくことも、主催者の責任放棄だ。

ひとまずの提案として、モニター付のキッズルームを毎回用意している。そして、ご来場の際にまずスタッフがお声がけして、キッズルームのサービスと、スタッフからご案内のお声がけをする場合もある旨、先にお伝えすることにした。

キッズルーム告知

まだまだ改善・挑戦することばかりだが、そのプロセスをなるべく公開することで、金沢ポート、そしてTリーグ観戦価値の向上に寄与できればと思っている。

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写真:エキサイティングシートからの見え方/提供:金沢ポート


写真:アリーナホーム・アウェイ席からの見え方/提供:金沢ポート


写真:2階自由席からの見え方/提供:金沢ポート

>>2024/1/13(土) 14:00 金沢ポート vs 木下マイスター東京  小松総合体育館(石川県)
>>2024/1/14(日) 13:00 金沢ポート vs T.T彩たま  小松総合体育館(石川県)


写真:田中佑汰(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部

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