文:ラリーズ編集部
1月6日、東京五輪卓球競技日本代表候補選手が発表された。男子は張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、女子は伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)のシングルス代表候補選手に加え、団体戦代表候補選手として男子は水谷隼(木下グループ)が、女子は平野美宇(日本生命)が選出された。
五輪団体戦では5本勝負の1試合目にダブルスがあり、チームを勢いづけるという意味でもダブルスの勝敗は団体戦の勝敗に大きな影響を与えることとなる。
3名で構成される団体戦であるため、組む可能性のあるペアは3組だ。男女それぞれのペアの組み合わせと主な戦績について振り返ってみたい。
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男子ダブルス
丹羽/水谷ペア
写真:香港OPでの水谷隼(写真左)と丹羽孝希/撮影:ラリーズ編集部
まずは、丹羽/水谷ペアだ。
2019年の本ペアの戦績としては、
・香港オープン 初戦敗退
となっている。
本ペアは世界的にも珍しい「左利き×左利き」だ。団体3名のうち、1名はシングルスに2試合出場することになるが、世界ランキング等から見て、張本がシングルスに2試合出場することが濃厚であることを踏まえると、本ペアの実現可能性は高いと言える。
昨年一度結成した際には、初戦敗退という結果になっているが、五輪に向けコンビネーションに磨きをかけてくるのは間違いなく、「左利き×左利き」という意外性の面からも注目のペアだ。
丹羽/張本ペア
写真:丹羽孝希・張本智和ペア/撮影:ラリーズ編集部
次に丹羽/張本ペアだ。
2019年の本ペアの戦績としては、
・韓国オープン 準々決勝敗退
・オーストラリアオープン 初戦敗退
・オーストリアオープン 初戦敗退
となっている。
両者とも前陣でのプレーを得意としているため、お互いのプレー領域はマッチしており、プレーの速さには目を見張るものがある。韓国オープンでは、韓国の鄭栄植(チョンヨンシク)/李尚洙(イサンス)ペアに敗れ、準々決勝敗退となったものの、随所にお互いの良さを活かした前陣からの速攻で得点するシーンが見られた。
残るは水谷/張本ペアだが、本ペアの結成については今のところ実現していない。
女子ダブルス
続いて、女子のペアについて見ていきたい。
平野/石川ペア
写真:チームワールドカップの石川佳純(写真左)・平野美宇(写真右)/提供:ittfworld
まずは、平野/石川ペアだ。
2019年戦績
・香港オープン 初戦敗退
・スウェーデンオープン 準優勝
・オーストリアオープン ベスト4
・アジア卓球選手権大会 3位
・卓球ワールドカップ団体戦 3勝2敗
2020年戦績
・ドイツオープン 準優勝
となっている。
本ペアは国際大会への出場経験も豊富で、昨年の卓球ワールドカップ団体戦は全ての試合に出場している。決勝の中国戦、準決勝の韓国戦は惜しくも敗れたものの、予選から安定して勝利をあげており、コンビネーションは抜群だ。2020年初戦のドイツオープンでは、準決勝で中国の丁寧(ディンニン)/孫穎莎(スンイーシャ)を下しており、快調な船出を切った。
伊藤/平野ペア
写真:2014年グランドファイナル優勝の伊藤美誠・平野美宇/撮影:YUTAKA/アフロスポーツ
次に伊藤/平野ペアだ。本ペアは昨年の国際大会への出場はなかったものの、2014年3月のドイツオープンにおいて、ITTFワールドツアーにおける最年少優勝を果たしている。当時“みうみまペア”として話題になったことを覚えている方も多いだろう。
直近では、2018年のカタールオープンに出場しており、準々決勝において中国の陳幸同(チェンシントン)/孫穎莎(スンイーシャ)ペアにフルゲームの末、惜しくも敗れたが、二人の前陣での高速卓球とその強さは顕在だ。
石川/伊藤ペア
写真:2018年ブルガリアオープンでの石川佳純・伊藤美誠/提供:ittfworld
最後に石川/伊藤ペアだ。本ペアについても、昨年の国際大会等への出場はなかったが、伊藤の多彩なサーブレシーブと石川の強力なフォアハンドドライブを武器に、2018年には最高戦績としてブルガリアオープン優勝という結果を残している。最近は早田ひな(日本生命)とダブルスを組む場面が多い伊藤だが、同じ左利きである石川とのダブルスについても大きな支障はないだろう。
団体戦勝利に向けた重要なカギを握るダブルス。これから五輪まで数々のワールドツアーや五輪の前哨戦ともいえる世界選手権も控えているが、それらの大会にどのペアで臨んでいくのか、そして五輪ではどのペアが登場するのか。五輪に向け、各大会におけるダブルスのペアリングにも注目していきたい。