文:ラリーズ編集部
会場では参加者へのマスク着用を義務付け、手指の消毒が促されるなど、新型コロナウィルス対策が敷かれる厳戒体制の中イベントは行われた。イベントは当初よりも規模を縮小して実施されたが、宇田が得意のチキータやカウンタードライブなどを披露すると、関係者や報道陣から歓声が上がる盛況ぶりだった。
パリ五輪での金メダルを期待する声も
写真:宇田が進学する明治大学卓球部の児玉総監督/撮影:ラリーズ編集部
午前中に大原学園高校の卒業式を終えた宇田は、制服姿で会場に姿を現す一幕も。人生節目の日に、これまでサポートを受けてきた協会、メーカー関係者らに直接感謝の気持ちを伝えた。
卒業後は明治大学に進学する宇田は、進路選択の理由について「明治大学卓球部は先輩に水谷選手、丹羽選手ほかオリンピックに出場して世界のトップで活躍する選手を輩出しているから」とコメント。
明治大学で同期となるライバルの戸上隼輔(野田学園高)について聞かれると「卓球では切磋琢磨できるし、卓球以外でも仲が良いので同じチームになれるのは楽しみ」と思わず笑みをこぼした。
宇田が4月から進学する明治大学卓球部の兒玉圭司総監督は、祝辞の中で「これから幸矢の卓球人生は数知れず、張本と幸矢の争いが続いていくだろうと思います。切磋琢磨しつつ、パリのオリンピックでは堂々と中国を倒して金メダルに輝いている2人を楽しみにしております」と、今年1月の全日本選手権と2月のハンガリーオープンでの張本智和との決勝での対戦に触れながら、激励の言葉を贈った。
父・直充さんもエリアカコーチを卒業、調布から世界へ羽ばたく選手育成を
写真:宇田幸矢(左)と父・直充氏/撮影:ラリーズ編集部
イベント会場となった「うだ卓」は、宇田の全日本選手権優勝の直後にオープンという、絶好のタイミングでの門出となった。国際規格の卓球台とフロアマットに加え、レッスンでも公式試合で使用するスリースターボールを使用するなど、本格派をも唸らせるこだわりぶりだ。
父・直充さんはこれまで、宇田が所属するJOCエリートアカデミー(エリアカ)の担当コーチとして宇田をサポートし続けてきたが、宇田の卒業とともにエリアカのコーチも勇退。今後は「うだ卓」にてジュニア世代を中心に世界標準の技術を教えていくという。
調布に誕生した新たな卓球指導拠点について、宇田が「全国で勝てる選手がここから出てくるのが楽しみ。僕も時々顔を出します」と言えば、父・直充さんも「幸矢は孝行息子。幸矢の全日本優勝とSNSでの発信のおかげで、生徒さんが増えています。地元調布から世界を目指す選手を育てたい」と熱意をアピールした。
イベントを終えた宇田は、3月3日から始まるカタールオープンに向けて出発した。