連載 過去にも未来にもいない、今の自分を知る企画 「0 to 100」 #34 ニール
2018.12.14
今の自分ってどうやって出来たんだろう。
たまにはコーヒーでも飲みながら
過去を振り返る時間があっても良いかも。
0歳から100歳までのリアルトーク企画。
今回のゲストはエンジニアのニールさん。
文・取材・写真:HARU(ラリーズ編集部)
◼#34歳の自分とは
「自分のために仕事をする。すべての動力が自分のため。」
仕事をしていれば誰もが一度は持つシンプルな疑問がある。「どうして人は仕事をするのか」と。生まれ故郷から遠く離れた異国の地・日本で、自問自答しながら先を見つめるエンジニアがいる。台湾出身のニールだ。今回は彼に話を聞いた。
ニールは某大手IT企業のエンジニアとして働く。ニールの携わるサービスは日本では老若男女が知るほど有名だ。PCやスマホがこれほど普及した時代、もはや無くてはならないインフラツールと言ってもいいだろう。そんな大手の“今っぽい”会社で、エンジニアとして安定した出世コースに乗る彼に憧れを抱く人は少なくない。実力を認められたニールは、現在マネージャーのポストにいる。最先端の技術を利用して新サービスを生み出すのが彼の日常だ。
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現在34歳。この仕事に携わって8年になる。ニールはこの34歳というタイミングを自身の転換点にすると言う。時間に身を委ねる人が多い中で、ニールの今の興味は「自分の人生のために考え、決断し、仕事をする」こと。つまり独立だ。安定した大企業を辞し、独立という新たな旅路が頭の中によぎるようになったのは「自分自身の”動力”を見つけたのが大きい」と話す。「仕事するのは、なんのためか?誰のため?会社や社長のため?少なからず今は自分のためではない。だから一度、自分のために仕事がしたい。」
自分が持つシンプルな理想に素直に従うことができるニールは、一人の人としてとても魅力的に映る。その理由は「すべての動力が自分のため」という魔法の言葉を芯に据え、実践しているからだ。大人になるほど、なぜか守るべきものが増えているように感じ、理想像への思考とアクションが鈍くなりがちだが、彼が見つけた自らの動力は、「最先端に触れる安定の日常」ではなく、自身の成長のための挑戦へと突き動かしている。短い幕間はもうすぐ終わる。ニールの人生の第二幕はすぐそこだ。
◼#as a player
「大嫌いだったけど、期待されていたから頑張れた卓球時代」
もともと子供時代はかなりのいたずらっ子だったニール。常に意識が分散して興味が赴くままにやんちゃしていた時に「集中して体力を使えるスポーツ」として始めたのが卓球だ。きっかけは小学生の時に台湾の代表選手に選ばれたことだった。「選ばれて、練習したら上手くいって代表選手になった。でも毎日8時間の練習は大嫌いだったけど期待されていたから頑張れた」と話す。
台湾独特の事情だが、国土面積の問題からサッカーや野球など、広いコートを必要とするスポーツはメジャーではなかった。その分バスケットが盛んで、色々な場所にコートがあった。6年生の卒業であっさりと卓球を辞めたニールは「スラムダンク」を読みバスケを始めた。この頃から日本への興味が強くなっていく。
漫画から始まり、アニメ、大河ドラマなどにも興味を持った。ドラマ「ビーチボーイズ」に憧れ一年間、千葉県館山や東京湾近くに住んだこともあった。ニールが興味の赴くままにアクションを起こすのは、昔からなのかもしれない。今はバイクでツーリングに行くこともあれば、週末に卓球をやることもあると言う。「楽しみながらできる卓球は、今では束の間の楽しみになっている。特に理由はない。やりたいと思ったことをやる。」
ニールはどこまでも自分に素直に、楽しい時間を過ごす。
Fin.