全日本見どころ・伊藤美誠編 前回大会のリベンジなるか<全日本卓球2021> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:伊藤美誠/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 全日本見どころ・伊藤美誠編 前回大会のリベンジなるか<全日本卓球2021>

2021.01.03

文:ラリーズ編集部

伊藤美誠(スターツ)が女子ダブルス、混合ダブルス、女子シングルスで史上初の3年連続3冠を目指して挑んだ昨年度の全日本。ダブルス2種目では3年連続優勝を果たすも、シングルスではダブルスパートナーの早田ひな(日本生命)に敗れて、3位に終わった。シングルスのリベンジに燃える伊藤の、優勝へ向けた山場を詳しく紹介する。

>>伊藤美誠が“楽しむ姿勢”貫くワケ

最初の難関:猛者揃いの準々決勝

準々決勝まで勝ち上がった場合、芝田沙季(ミキハウス)、加藤美優(日本ペイントホールディングス)、長﨑美柚(JOCエリートアカデミー・大原学園)のいる山の勝者と対戦することとなる。


写真:芝田沙季/撮影:ラリーズ編集部

まず芝田だが、世界ランク37位と日本人8番目につけている実力者だ。前回の全日本では石川佳純(全農)に敗れ、ベスト8に終わったが、大藤沙月(四天王寺高)と組むダブルスで準優勝している。伊藤とは国際大会では、2017年に2回対戦して以来対戦がないが、その際は伊藤が2勝している。


加藤美優

次に加藤は世界ランク23位と日本人5番手につけており、2019年T2ダイヤモンド・マレーシアでは直接対決で伊藤を4-3で下している。また同大会では伊藤に続き、世界ランク1位の陳夢(チェンムン・中国)も倒しており、世界に通用するサービスとラリー力を有している。今季のTリーグでは、日本ペイントマレッツのエースとして4勝1敗と力強いプレーを見せている。


写真:長﨑美柚/撮影:ラリーズ編集部

また長﨑にも注目したい。長身を活かしたパワフルなドライブが持ち味のサウスポーであり、ダブルスではITTFワールドツアー・グランドファイナルで優勝する実力を持っている。

2019年世界ジュニア卓球選手権大会のシングルスで優勝し、同年に朱雨玲(ジュユリン・中国)に連勝するなど、ダブルスだけでなくシングルスでも活躍が目覚ましい。現在、世界ランクは56位と二桁台と今後の活躍が期待される。今シーズンのTリーグでもシングルス5勝2敗と好調を維持している。

最大の難関:準決勝・昨年度のリベンジなるか


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

準決勝へと進出すると、待ち受けるのは早田ひな(日本生命)、佐藤瞳(ミキハウス)がいる山の勝者である。

なんといっても大本命は前回大会覇者の早田だろう。伊藤にとってはダブルスパートナーであり、世界選手権ダブルス銀メダルなど、ともに世界の強者相手に戦ってきた戦友でもある。


写真:早田ひな/撮影:ラリーズ編集部

そして前回、混合ダブルス、女子ダブルスを制した伊藤の、史上初の3年連続3冠を阻んだのがこの早田だ。前回はフルゲームの激闘を制し、勢いそのままに決勝でも石川佳純(全農)を下して初優勝を果たした早田。伊藤は早田に、この全日本の場でリベンジとなるのか。

そしてもう1人の注目選手は佐藤瞳だ。世界ランク17位(2020年12月時点)で日本人では4番手につけており、世界有数のカットマンと準決勝に上がってくることも十分に考えられる。


写真:佐藤瞳/撮影:ラリーズ編集部

たた、伊藤はカットマンにはめっぽう強く、佐藤との国際大会での対戦成績は伊藤の10勝1敗と、佐藤とも相性の良さがうかがえるが、今回はどうか。

例年は混合ダブルス、女子ダブルス、女子シングルスと全種目出場し、それぞれの種目で結果を残してきた伊藤。

コロナの影響でダブルスが開催されない今大会では、シングルスに専念して虎視眈々と優勝への返り咲きを目指す。

伊藤美誠のコロナ禍での3つの進化

>>伊藤美誠、コロナ禍8ヶ月で“3つの進化” 中国対策に見る「大魔王」の野望