文:ラリーズ編集部
<天皇杯・皇后杯 2020年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)1月13日~19日>
18日、全日本卓球選手権・女子ダブルスの部で、伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)ペアが、芝田沙季(ミキハウス)/大藤沙月(ミキハウスJSC)ペアを下し大会3連覇を果たした。
全日本女子ダブルス3連覇 みまひなペア
写真:伊藤美誠・早田ひな/撮影:ラリーズ編集部
昨年と同じ組み合わせとなった女子ダブルス決勝戦。1ゲーム目は伊藤/早田ペアが11-3で難なく奪った。芝田/大藤ペアも早い打点で畳みかけるが、伊藤/早田のラリー力が1枚上手で2ゲーム目も11-9と伊藤/早田が連取する。
芝田/大藤ペアがチキータからの速攻で得点し会場を沸かせると、伊藤/早田も大きなラリーをものにし歓声を浴びる。3ゲーム目は芝田/大藤ペアが奪い返した。
4ゲーム目、芝田/大藤ペアが出足で3連続得点を奪い、準決勝も0-2から逆転したミキハウスペアのペースになるかと思われた。しかしそこから5連続ポイントで2連覇中の伊藤/早田が流れを引き戻す。ミキハウスペアはたまらずタイムアウトを取った。
タイムアウト明けは、パワーが自慢の早田のフルスイングドライブを、芝田がフルスイングでカウンターするなど見どころ十分のラリーが展開され、集まった観客も大きな拍手を送る。
終盤の勝負所で、レシーブや3球目で少しのミスを重ねたミキハウスペアに対し、簡単なミスがなかった伊藤/早田ペア。最後は伊藤のサービスエースで、嬉しい全日本女子ダブルス3連覇を成し遂げた。
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「自分たちらしいプレーができてすごく楽しめた」
写真:表彰式での伊藤美誠・早田ひな/撮影:ラリーズ編集部
今回の3連覇を伊藤は「初戦から接戦をものにできて、準決勝・決勝は去年より良かったのではないかというくらいいい試合ができた。半年くらい組んでなかったが、個々の力が上がったというのも分かっていますし、自分たちらしいプレーができてすごく楽しめた」と振り返った。
早田も「私としては女子ダブルスが全日本の1試合目なので、緊張する部分があった。初戦から伊藤選手に引っ張ってもらいながら、集中して試合できたのが3連覇に繋がった」と3連覇の要因を語った。
決勝での良かった点を聞かれ「接戦だったが、落ち着いてプレーできたりコースをついたり、私らしい、ひならしいプレーが出せた。最後まで笑って試合ができたのも自分たちらしい」と伊藤は自分たちのプレーができたところを強調した。
早田は「中陣後陣から自分が打って、伊藤選手が前陣で仕掛けていくのがみまひなのプレースタイル。そこが逆になっても点数をとれるようになった」と決勝での戦いぶりを評価した。
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個々の力が上がっていることを実感
写真:3連覇を果たした伊藤美誠(スターツ)と早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
昨年全日本のダブルスで優勝してから1年。伊藤は中国選手を連破するなど世界ランキング3位(2020年1月)に君臨し、早田も元世界ランク1位・劉詩雯(リュウスーウェン・中国)を撃破する活躍も見せた。お互い個々の力が上がっていることをダブルスを組んで実感しているという。
「もともと早田選手は幅広いプレーヤー。戦術や技術の幅が広がって、去年よりも落ち着いてプレーできるようになったの感じている。以前は(早田が)気合を入れてやるタイプで私が落ち着いてやるタイプだったが、接戦の時もしっかりアドバイスをしてくれ、私自身も考えやすくなった」(伊藤)。
「お互いが要求していることを試合の中でできるというのが強み。伊藤選手はミックスダブルスをたくさん組んでいることによって、男子選手のボールを受けるようになったので、打たれてもとれるという安心感につながっている。後陣でのプレーでもしっかり盛り返して、私に繋げてくれる。そういう力強いプレーが、ミックスダブルスを組むことで上達したんだなと思う。本人も自信を持ってプレーできているのではと思う」(早田)
大会3連覇を果たした“みまひな”ペアは、19日の女子シングルス準決勝で対戦が決まっている。
写真:笑顔を見せる伊藤美誠・早田ひな/撮影:ラリーズ編集部
「ダブルスを優勝して凄い良い流れになっている。自分たちらしく力を出し切れるようにお互いにやっていきたい。すごい楽しみ」(伊藤)、「シングルスの準備をしっかりして良いプレーをして、お互いに120%の力が出せるように頑張りたい」(早田)と意気込みを語ったみまひなのシングルスでの戦いにも注目だ。