文:ラリーズ編集部
19日、全日本卓球選手権が大会最終日を迎え、男子シングルス準決勝第1試合で、インターハイ王者の18歳・戸上隼輔(野田学園高)が東京五輪代表の張本智和(木下グループ)をあと一歩まで追い詰めるも、惜しくも敗れベスト4となった。
昨年全日本ジュニアの部を制し、インターハイもシングルス2連覇と勢いに乗っていた戸上。張本と同じく東京五輪代表に内定した丹羽孝希(スヴェンソン)を下し、準決勝に勝ち進んできた。張本戦も臆することなく両ハンドドライブを振りぬき続け、ゲームカウント3-1と勝利に王手をかけるも張本に悔しい逆転負けを喫した。
ただ、戸上は、全日本の舞台で、世界トップレベルの選手とも互角に渡り合えることを証明。次世代を担うニューヒーローの誕生を予感させた。
戸上隼輔 試合後のコメント
写真:戸上隼輔(野田学園高)/撮影:ラリーズ編集部
死闘をものにできなかった戸上は「2ゲーム目から自分のプレーしようと積極的に攻めた。ゲームカウント3-1でリードして勝ちを意識してしまった。今大会は調子が良くて、今まで勝てなかった人に勝てた。このプレーをどんな場面でも出せるようにしたい」と大会全体を振り返った。
「僕が取ったゲームに関しては、相手も雑な部分があったが、終盤にかけて丁寧にミスを少なくしてきたのがプレッシャーを感じた。前陣でプレッシャーをかけても張本選手が下がらず、ブロックで逆に下げられた。張本は戦術を変えてくる早さがすごい。自分のミス待ちという状況にされた。ブロックの緩急をつけられ、それをチャンスと思って打ったら捕まった」と張本の戦術の幅広さに舌を巻いた。
写真:今大会1,2を争う好ゲームとなった/撮影:ラリーズ編集部
「最後のゲーム、リードして心の隙ができた。攻めることだけ考えてて、戦術というものを捨ててしまった」と反省点をあげた。また、終盤ストップで連続失点したことについて聞かれ、「ストップされたときに今まで感じてこなかった回転量を感じて、こんなに切れているんだと予想外だった」と張本の技術力に感心した。
「今大会、用具を変えてはじめての大会。試合でこれだけ自分が五輪選手と戦ってミスを誘えた。用具を変えて戦えたことが収穫」と手応えも口にした戸上。今大会でその名をより知らしめたことだろう。4月からは大学に進学し、更なる高みを目指すという。
以前Rallysのインタビューで「五輪を目指したいという気持ちがどんどん強くなってきた。2024年を目指したい」とパリ五輪に向けて思いを語っていた次世代ニューヒーロー戸上の活躍から目が離せない。
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詳細スコア
写真:試合後健闘をたたえ合う戸上と張本/撮影:ラリーズ編集部
〇張本智和(木下グループ) 4-3 戸上隼輔(野田学園高)
11-4/9-11/7-11/7-11/11-7/11-8/11-9