文:ラリーズ編集部
<2021年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)、2021年1月11日~17日>
2年前、平成最後の全日本選手権で、当時14歳の中学生だった木原美悠(きはらみゆう・JOCエリートアカデミー/星槎)は5回戦で平野美宇(ひらのみう・日本生命)を下し、勢いそのままに準優勝。一躍その名を世間に知らしめた。
2年の時を経て、ここ大阪の地で再び女子シングルス6回戦で木原と平野が対峙した。結果は、木原がゲームカウント4-0で勝利し、16日の準々決勝に駒を進めた。
木原美悠「決勝までいきます!」
今大会、ジュニア女子シングルスにも出場していた木原だったが、まさかの3回戦で敗退となっていた。スーパーシードとして臨んだ一般女子シングルスでは、4、5、6回戦を勝利し、ベスト8入りを決めた。
写真:木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)/撮影:ラリーズ編集部
試合後、木原は「今日の1試合目から3試合目まで、自分の実力がジュニアよりは出せていた。(ジュニアのときと)動きが全然違った。めっちゃ足が動いた」と振り返った。
その要因はプレッシャーの違いだという。年齢の近いジュニアではどうしても木原は追われる立場となり、受け身になってしまう。だが、年上との対戦がほとんどである一般の部は「相手に向かっていくことができる」と持ち前の攻めっ気の強いプレーが随所に見られた。
写真:木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)/撮影:ラリーズ編集部
木原本人も「自分から攻撃するプレーができたのでよかった。ジュニアの試合でバックハンドがあまり得点できなくてそのときは中途半端だった。ミスをしても良いという勢いでバックを振るようにしました」と吹っ切れたことを明かす。
写真:木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)/撮影:ラリーズ編集部
東京五輪代表に内定している平野への勝利については「自信にはなったがまだ優勝には遠い」と木原が目指すのは表彰台の頂だ。「明日も今のように思い切って攻めていければ。決勝までいきます!」と力強く宣言した。
平野美宇「五輪までにもっと強くなれるように」
一方の平野は、全日本が腰痛での故障からの復帰戦。約10ヶ月ぶりの実戦となった。
写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
「久しぶりの実戦だったので、まずは復帰して試合することができた。いろんな方に支えてもらって、試合に参加できたことはよかった」と復帰戦を無事に終えられたことに安堵の表情を浮かべた。故障の状態については「10月頃からしっかり練習することができて、今は痛みもなく、普通に試合することができている」と問題はないようだ。
写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
今大会については「1,2試合目は自分のプレーが出せたが、3試合目は相手のペースだった。サーブレシーブで先手を取ることが大事だと思っていたが、そこで相手のペースになってしまった」と振り返り、木原戦の反省を述べた。
写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
平野は「久しぶりの試合だったので、前の自分よりも強くなった自分で臨みたいというのが一番の目標でした。(自粛中には)身体の使い方を重点的にやってきて、1球1球自分の中で打っている感覚があって安定するプレーができたという収穫もある。五輪までにもっと強くなれるように頑張りたい」と抱負を語った。
試合結果
〇木原美悠 4-0 平野美宇
11-7/13-11/14-12/11-3