努力重ねた日本大ペアが男子複V 小林広夢「情熱があればどこまでもいける」伊藤礼博「超強豪校出身じゃなくても戦える」<全日本卓球2024> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:小林広夢/伊藤礼博(日本大学)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 努力重ねた日本大ペアが男子複V 小林広夢「情熱があればどこまでもいける」伊藤礼博「超強豪校出身じゃなくても戦える」<全日本卓球2024>

2024.01.27

文:ラリーズ編集部

<天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月22~28日 場所:東京体育館(東京)>

27日、2024年全日本卓球選手権大会は6日目を迎え、男子ダブルス準決勝、決勝が行われた。

昨年ベスト8の小林広夢/伊藤礼博(日本大学)は、準決勝では昨年敗れた及川瑞基(木下グループ)/松島輝空(木下アカデミー)と対戦。フルゲームにもつれる熱戦も、最後まで打ち切った小林/伊藤ペアが勝利し、決勝進出を決める。


写真:小林広夢/伊藤礼博(日本大)/撮影:ラリーズ編集部

決勝では連覇を狙う張本智和(智和企画)/森薗政崇(BOBSON)ペアとの対戦となったが、まったく物怖じすることなく攻め切った小林/伊藤ペアがゲームカウント3-1で打ち勝ち、見事初優勝を飾った。


写真:小林広夢/伊藤礼博(日本大)/撮影:ラリーズ編集部

関東学生リーグで春秋連覇と勢いに乗る日本大学の中心選手でもある2人。

小林は愛工大名電高時代、層の厚さからなかなかレギュラーとして試合に出られず、伊藤は安田学園高でエースとして活躍するもこれまで全国優勝の経験はなかった。そんな2人が大学で努力を重ね、ついに日本一の称号を手にした。

小林/伊藤ペアが、優勝記者会見で喜びのコメントを語った。

小林広夢/伊藤礼博(日本大学)コメント

優勝した率直な思い

伊藤:相手は強い人ばかりなので、1戦1戦向かっていくという気持ちでやっていました。

優勝目指してやってきてたんですけど、まさか優勝できると思っていなくてびっくりしてます。嬉しいです。

小林:目標としていた優勝ができて嬉しいんですけど、まさか本当にできるとは思ってなかったので驚いています。

しかも小学校から知り合いで、大学でも一緒になってきた伊藤と優勝できたというのはすごい嬉しいです。

準決勝、決勝の勝因

伊藤:準決勝は去年負けた(松島輝空/及川瑞基)ペアだったので、自分たちはしっかり対策を練って、どういう戦術で行くかを話しながらやりました。それが完璧にできたのでぎりぎり勝てたんじゃないかなと思います。

決勝戦は相手が張本選手と森薗選手で強いペアなので、とりあえず向かっていって、戦術よりも気持ちで頑張って戦えたかなと思います。

小林:準決勝は去年の反省から、サービスとレシーブで互角に持っていってラリーになればチャンスがあると思っていました。そこを去年に比べて変化させたというのが今回の勝因だと思います。

決勝戦の準備について

伊藤:直前に話し合ってたんですけど、1個1個がどうこうというより大まかに決めて、あとは気持ちで押していこうということだけでした。

小林:決勝の相手は実力者なんですけど、台上のストップからの展開は自分たちも自信を持ってやっているので、自分たちのペアは分がいいんじゃないかと思ったので、あとはコースを待つことと、1本でも多く粘ることを僕は意識してやっていました。

全日本決勝の舞台の雰囲気や緊張感

伊藤:初の準決勝、決勝で緊張したんですけど、広夢さんに背中を押してもらってだんだんと緊張が和らいで、自分らしいプレーができました。

小林:会場の緊張感が絶対自分にプラスになると思ったので、会場を味方にして攻めていくんだと意識していました。

お互いの良さは?

伊藤:広夢さんの強みはバックハンドドライブと、試合中の読みです。自分が打ったコースから返ってくるコースを予測して、もうそこにいる。そこの部分がさすがだなっていうプレーがたくさんありました。

小林:僕が伊藤のストロングポイントとして見てるところは、フォアハンドが上手いのと、苦しい場面でも1本入れる力です。

日本大学を背負って優勝できた点について

小林:大学にはいつもお世話になって、自由にやらせてもらってるので、日大で勝ちたいという思いは誰よりも強く持っています。

個人戦も含めて日本大学に少しでも恩返ししたいなとはすごく思っていて、特に今年は僕は最後の年なのでそこを強く思ってやっています。

伊藤:自分も日本大学にはお世話になっています。

日本大学と聞くとあまり良くないイメージを皆さんお持ちだと思うんですけど、そのイメージを払拭して「日本大学は違うんだぞ」と思ってもらうために頑張って、リーグ戦も春秋優勝して、今回も日本大学を背負って戦いました。

愛工大名電時代なかなか日の目を浴びなかった小林選手と、高校時代は超強豪校ではない環境で過ごした伊藤選手だからこそ、この優勝を通して伝えられるメッセージはありますか?

伊藤:自分は安田学園という、広夢さんの出身校の愛工大名電や野田学園みたいな超強豪校ではない学校出身なんですけど、強豪校じゃない学校でも、違うようなやり方で王者を苦しめることはできると思います。

例えば少しでも汚いボールで勝負するとか、人とは違った方法で勝負すれば勝てるというのを自分が体現できたら良いなと思ってやっています。

小林:愛工大名電のときはモチベーションが落ちてしまった時期もあったんですけど、根本は「卓球が好きなんだ」という気持ちを持ってて、自分が好きな卓球を続けたいという思いで頑張れています。

そういう「好き」という気持ちや「強くなりたい」という気持ちを毎日持ってやることで、ここまでいけました。

「好き」という気持ちと「強くなりたい」という気持ち、その情熱があればどこまでもいけると思うので、その情熱を僕は大切にしてやっています。

皆さんも何か好きなことに熱を持ってやってもらえたらいいんじゃないかなと思います。

今後のキャリアにこの優勝をどうつなげたいか

伊藤:自分の卓球人生で初めての全国優勝で嬉しいんですけど、これを糧に、これだけ頑張れば全日本優勝できるとわかったので、さらにこれ以上頑張ってもっと上を目指していきたいと思います。

小林:出る大会は絶対勝ちたいので、今後の大会に向けてもしっかり準備して、今回ダメだったところをしっかり反省して、1個でも多く次の試合でチャレンジだったり、自分の成長に活かせるようにやっていきたいと思います。

男子ダブルス結果

準決勝

小林広夢/伊藤礼博(日本大))3-2 及川瑞基(木下グループ)/松島輝空(木下アカデミー)
13-11/5-11/4-11/11-7/11-7

決勝

小林広夢/伊藤礼博(日本大) 3-1 張本智和(智和企画)/森薗政崇(BOBSON)
11-8/7-11/11-9/11-7

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